ヒメコトヒキ

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標準和名:ヒメコトヒキ
学名:Terapon theraps Cuvier,1829
属:スズキ目シマイサキ科コトヒキ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年3月
写真の魚のサイズ:18Cm

特徴など:
南日本。インド・西太平洋域。内湾などの沿岸浅所にすむ。25Cmになる。

釣人にはコトヒキと区別されず、鹿児島だと「イノコ」の愛称で呼ばれるようだが、特徴の黒帯縦筋が直走している。コトヒキはこの線が湾曲している。

コトヒキに比べると生息数はかなり少ないようで、大きな群れでもないが、時折集団で定置網漁で獲れることもあるようだ。小さいので市場での取引はされず、また食味もたいしたことはないらしい。

シマイサキ

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標準和名:コトヒキ
学名:Rhyncopelates oxyrhynchus (Temminck and Schlegel,1843 )
属:スズキ目シマイサキ科シマイサキ属
宮崎地方名:小型はスミヤキ(シマイサキ幼魚とも混同されている)

特徴など:
中部日本以南に普通にいる魚だけど奄美や沖縄には居ないそうだ。沿岸浅所や汽水域に多イトの事。私は完全な海水域では見たことがなく、淡水が混じる場所でのみ生息しているのではと思っている。
どちらかと言えば宮崎では良く見かける魚だけど、全国的には如何なものか。煮付け、塩焼きで美味しく珍重されているそうだが宮崎ではそうでもない。どちらかと言えば外道扱い。

大きさは25Cm程度。私が釣ったサイズも大きなものでそのぐらい。写真の魚のサイズもそれぐらいだ。

宮崎市と新富町を遮る川「一ツ瀬川」での釣果がほとんどで、キチヌ狙いの外道として何度か釣っている。釣れるときは数がまとまるので数匹の群れで動いているんだろう。

宮崎県北の北浦では「ジンキ」、宮崎県南の串間では「クンジュ」とも言われるそうだ。

コトヒキ

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標準和名:コトヒキ
学名:Terapon jarbua (Forsskål,1775 )
属:スズキ目シマイサキ科コトヒキ属
宮崎地方名:小型はスミヤキ(シマイサキ幼魚とも混同されている)

特徴など:
コトヒキという名前は高知県の地方名が発祥のようで、グーグーという泣き声を出す事が名の由来という記事があった。
また「ヤガタイサキ」という呼び名も使われていて、いずれが標準和名でもよいほど浸透している。

宮崎だとこの魚の幼魚は、河口でマハゼなどの釣りの外道として釣れたり、宮崎で盛んに行われている「海フライフィッシング」での対象魚として多く釣れる。
また鹿児島県では「イノコ」→猪子とも呼ばれる馴染みの魚だ。
宮崎では幼魚がキス釣りの外道として釣れるが、これは「スミヤキ」と呼んでいる。宮崎北部では「ミヅクリ」と呼ばれるようにも図鑑紹介されているが、それは聞いた事がない。
スミヤキとは、鱗が硬くて食べにくいので炭で焼いて食べる魚だからだと聞いた事がある。

シマイサキ科の魚は充分に食用にされるが、大きなコトヒキになると、その鱗の硬さ(小さくて硬い鱗)と骨の太さで捌きにくい。刺身は硬い身だが充分に美味しい。

釣魚としては小型のときの方が面白い。動くものに敏感に反応して、自分の体ほどの獲物でも追いかけてくる。勇猛というか獰猛な魚だ。
大きくなると内湾・河口域を離れて、ちょっと深場に移動するようだ。図鑑記載の長寸は25Cm程度ということだが、私は35Cmほどまでは釣った事がある。