アミメハギ

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標準和名:アミメハギ
学名:Rudarius ercodes Jordan and Fowler,1902
属:フグ目カワハギ科アミメハギ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:6Cm

特徴など:
淡い茶色のからだに小さな白点が無数にあるのでこれと判断しました。
色が変わりやすく濃い緑や薄茶色になったりします。またこげ茶色の模様が浮き出る事も多いのです。
サン・マリーナでは船底近くにいた1尾しか見ていません。アミメハギは8cmになります。青森から南の日本沿岸、朝鮮半島にいます。(H.Tanaka)
amimehagi42.jpg撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年4月
写真の魚のサイズ:5.3Cm

ソウシハギ

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標準和名:ソウシハギ
学名:Aluterus scriptus (Osbeck,1765 )
属:フグ目カワハギ科ウスバハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は見た目不気味だ。体表のベースの色はカワハギと同じような焦げ茶色だけど青い鮮やかな虫食い斑が体中にある。
結構大きくもなる。図鑑記載のサイズは75Cmだ。
写真の魚はちょっと小さかったと記憶するが、それでも50Cm以上だった。(尾鰭を含む)

身体的な特徴としては、虫食い斑以外には背鰭第一棘が細長いがとても折れやすい。他のカワハギの仲間と比べ尾鰭が長いことなど。

サンゴ礁で生活するようで、擬態色が体の青班という事かもしれない。

ある防波堤での釣りの際の話だけど、その日は釣果が芳しくなく、いつもと違う仕掛をつくり攻めてみた。アミ海老とパン粉で作った団子を吸い込み針につける仕掛だ。
とても大きな魚が掛かった。水面に浮かんできた魚は引き込みの力はそれほどでもないが、とにかく大きく見えた。
随分近くによってきて、どても不気味な感じを受けた。(ちょっと恐怖すら感じた)
その魚は水面に浮かぶ前にハリスが切れてしまったが、数日後に知人が釣った。それがこのソウシハギだった。

食べたこともある。沖で釣れたこの魚をカワハギなどと一緒にから揚げにして食べた。カワハギとはまったく遜色ない味だった。しかしその後、図鑑などを見ると腸に毒を持つことがあるという記載があった。まあ内臓は他の魚でもほとんど食べる事はないが。
図鑑で評価は、味はあまりよくない・・・とある。

ウマズラハギ

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標準和名:ウマズラハギ
学名:Thamnaconus modestus (Günther,1877 )
属:フグ目カワハギ科ウマズラハギ属
宮崎地方名:ウマズラ

特徴など:
以前はウマズラハギと言えば、沖でも、潮通しのよい沖瀬などでも餌取りとして群れている事があり嫌われていたけど、昭和30年代にこの魚が大量に発生して、昭和43年頃から西日本でも目立って増え始めたいう記事を見た。最近は数が減っているのかそれなりに貴重で喜ばれる魚になったと思う。

基本的に美味しいだから当然と言えば当然。

この魚の名の由来は、まあほぼ間違いなく馬面(うまずら)のカワハギだからウマズラハギだ。
釣れたときに尾鰭が微妙に深緑色なのが気になる。多分形が似通ったキビレカワハギとの区別に使えるポイントだと思うけど水中写真を見る限りでは模様も様々だ。

図鑑を引用して特長を述べると、水深100m以浅の砂泥地や岩礁域に多く生息していて、小型底生動物を食べる。産卵期は初夏で沈性粘着卵を産むそうだ。

カワハギ

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標準和名:カワハギ
学名:Stephanolepis cirrhifer (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目カワハギ科カワハギ属
宮崎地方名:キンツ

特徴など:
カワハギは美味しい魚として料理屋では生造りが3000円前後の高値で出される。マアジが1000円前後という事を考えると、貴重な魚と言えよう。何が良いのかと言うと「肝」なのだ。
肝を醤油に溶かして食べる刺身は、ぶるっと震えがくるような美味さなんだけど、その身も薄造りにして何とも上品。この身をフグと称して出す店もあるそうだが、薄く切ったら透明で、まあ騙されるかもね。

宮崎では「キンツ」と呼ばれている。由来は不明。
おもにカワハギには標準和名「カワハギ」と「ウマズラハギ」が有名なんだけど、岸寄りで多いのがカワハギに対し、沖ではウマズラだ。一昔前はウマズラが餌取りとして嫌われものだったのに、今はこの魚も結構高値で取引される。

カワハギはほんとに餌取りが上手で、一筋縄では釣れないのだが、狙えば面白い。

長寸25Cm程度が標準サイズで30Cmだと大きいが40Cmという記録魚の写真を見せてもらった事がある。
釣り上げた人はメジナの大型を釣るより喜んでいたそうだ。
もちろん、「カワハギ」の名の由来は皮を剥いで食べる魚だからだろうけど、この「皮剥ぎ」作業って簡単で楽しい。

ウスバハギ

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標準和名:ウスバハギ
学名:Aluterus monoceros (Linnaeus,1758 )
属:フグ目カワハギ科ウスバハギ属
宮崎地方名:ハゴイタ

特徴など:
愛称「ハゴイタ」と呼ばれる写真のウスバハギは宮崎だとハゴイタと呼ぶと、船釣り・沖の磯釣りをする方ならすぐに姿を思い浮かべられるだろうが標準和名のウスバハギだとほとんど???だろう。

ある日、このハゴイタが水面にうじゃうじゃと沸いてきた。
大きい魚なのだが泳ぐ早さはトロトロで、ウキを突いたりパイロットを齧ったり、時に道糸を切ってくれる。この魚を狙うならウキ下を思いっきり短くして糸を張って、時には誘ってやると釣れるのだが、おちょぼ口で餌を突付くように食べるので見えてる割りには思いのほか難しい。

船釣りだと、宮崎沖の浅場である「黄金の瀬」で沸いているときがある。宮崎のA級磯の水島も、この魚との戦いである。いかにこの魚をかわしてその下にいるメジナに餌を食わせるか。

この魚は美味しい。釣ってはずしりと重量感がある引きで面白みには欠けるが、食べ応えがある。

ウスバハギは、カワハギ科の魚の中でも最も大型の魚で、70Cmを越すものもいるので身が充分に取れる。タンパクな味で刺身でも美味しいし、バター焼きなどでも良い。また肝は上質な旨味があり、そのまま醤油に溶かして刺身を食べても良いし、蒸し焼きなどでもいいだろう。とにかく1匹あると家族4人充分食べられる魚である。

初めて水島に渡り、明け方あちらこちらからこの魚が100匹も200匹も海面表層をユタッと泳ぎながら近寄ってきたときには興奮した。大きな魚だし初めてみた事もあって。
それ以来、水島が凄い島だって思っていたが、今はこの魚、見えるとがっかり。とても煩わしい。

ところでこの魚の幼魚って、やはりこの形なんだそうだ。沖の潮筋などの浮遊物の周辺の表層で過ごすそうだ。普通に50Cm程度のものばかり見てるけど、小さな、10Cmにも満たないようなウスバハギって興味があるなぁ。