ミナミイケカツオ

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標準和名:ミナミイケカツオ
学名:Scomberoides tol (Cuvier,1832 )
属:スズキ目アジ科イケカツオ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年6月
写真の魚のサイズ:3.8Cm

特徴など:
和歌山県以南。~インド・西太平洋域。沿岸浅所の表層にすむ。60Cmほどになる。写真の魚は幼魚サイズ。

成魚では楕円型の暗黒班が縦に1列5~8個並ぶ。近似種のイケカツオは2本並ぶ。またイケカツオの方が口が大きく、上顎後端は眼の後縁の下あたりに達する。ミナミイケカツオは瞳孔の後縁の下あたりという違い。
3Cm程度の幼魚のうちなら黒斑が黒目より大きいとミナミイケカツオ,黒目より小さいとイケカツオということで判断できるようだ。

マルヒラアジ

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標準和名:マルヒラアジ
学名:Carangoides caeruleopinnatus (Rüppell,1830 )
属:スズキ目アジ科ヨロイアジ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年6月
写真の魚のサイズ:10.8Cm

特徴など:
南日本。インド・西太平洋域。内湾などの沿岸浅所にすむ。宮崎での撮影写真は10Cm程度の若魚が多いけど、屋久島あたりの情報だと40Cmというサイズになるようだ。
若魚のうちは写真の如く、かなり丸い体形だが、成魚では横に伸び印象が違う。ヒシヨロイアジより吻が尖ってない印象があるが、かなり似通っている。

アイブリ(幼魚)

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標準和名:アイブリ
学名:Seriolina nigrofasciata (Rüppell,1829 )
属:スズキ目アジ科アイブリ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:6.5Cm

特徴など:
70Cmになる。南日本、インド、西大西洋に分布。
ブリモドキに似ているが、体高があり体側に暗色斜走帯があるが、大きくなるにつれて薄い。または消えていくそうだ。第一背鰭が黒い。吻が丸いことで区別できるとのこと。美味。
単独で生息しているようで、市場などではまとまって出回らないため価格も安値。知っていれば買得な魚。

メアジ

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標準和名:メアジ
学名:Selar crumenophthalmus (Bloch,1793 )
属:スズキ目アジ科メアジ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年5月
写真の魚のサイズ:21Cm

特徴など:
眼が大きく、体の中心に黄色い帯が走るのが特徴。大きくても25Cm程度だと思われる。

写真の魚はクロダイ狙いで浜の端にある小さな波止から釣ったもので、マアジの子供と一緒に釣れた。大きさも15Cm程度。眼が大きい以外はマアジに似ていて区別されない(できない)かもしれない。

鮮度が落ちるのが早く、市場などでの取り引きはほとんど無いようだ。もっぱら加工品(餌など)に利用される魚だそうだ。アジ科なので新鮮ならばそれなりに美味しいと思うのだが・・・

マルアジ

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標準和名:マルアジ
学名:Decapterus maruadsi (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科ムロアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
マアジ釣りの際、外道として釣れる機会が多い魚だが、パッと見た目マアジと良く似ているので注意。何度か意識して見る機会があれば違いが判る。ムロアジに近い魚でマアジとの身体的な大きな特徴の違いは尾鰭の前上下に小離ヒレがあること。また名前の通り上から見ても肉厚があって丸いという印象。ちょっと青っぽい雰囲気もあるが宮崎でアオアジと呼ばれるのも、見た目の雰囲気からだと思われる。

夏から秋にかけて釣れる機会が多いが、ほぼマアジと同じ場所に生息している。ところが大分・佐賀関では冬場サバ狙いで一緒に釣れるアジがほとんどマルアジ。私の経験ではマアジと同じ場所で釣れるマルアジはちょっとサイズが大きく、釣れだすと数も上がるので群れも大きいのかなぁと思う。防波堤などでアジ子を狙って釣っていても、良く観察するとちょっと大きめはマルアジである場合が多い。釣れるサイズは40Cm程度がポピュラーで楽しめるし、時に50Cmほどのサイズも釣れる。

新鮮なうちは、充分刺身で食べられる。味もマアジと比較しても遜色なく市場ではマアジより高値で取引されることもあるようだ。一般的にはマアジと比べると甘みがイマイチで、持ちが悪いとも聞くので、数が釣れた時は早めに干物などを作って長期保存できるようにした方が良いかも。

カンパチ

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標準和名:カンパチ
学名:Seriola dumerili (Risso,1810 )
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ジギングでもっとも人気のカンパチは、サイズも2m以上(30キロ以上)とかなり大きくなり、味も良し。ブリが回遊魚であるのに対し、カンパチは大きく移動しないようで、沖の岩礁地帯で急な駆け上がりの場所を好んで生息しているよう。(ベイト※エサが多いからか?)
昼間は15~20m程度の地形を泳ぎ回り、かなりの浅場にも姿を見せるが、ジギングの際は釣れた魚と一緒に数匹くっ付いてくる。
食べて良しで、腹身は最高。上から魚体を眺めた姿は目の上から頭部背中に向かって『八』模様があり幼魚ほどくっきりとしている。これが名前の由来。

小アジの泳がせ釣りやジギングが一般的な釣り方だが、鹿児島南端から離島に向けては相当なビッグサイズが生息しているようで盛ん。錦江湾では養殖も盛んだが、宮崎でも場所次第。初夏の頃は20~30Cm程度が活エサで数釣りできるも、その食味はイマイチで40Cmオーバーを狙いたい。テンビン仕様で中アジを付けた仕掛がもっとも食わせやすい気がするが、活性が高ければジギングが手返しが早い。

刺身でベスト。残った骨をアラ煮しても良く、ブリ同様に照り焼きも良い。30Cm以下は逆にどうにか味付けして食べられると思うが、グシャッとした食感はあまりお奨めできない。
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宮崎ではショウゴと呼ばれる30Cm程度の若魚

ナンヨウカイワリ

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標準和名:ナンヨウカイワリ
学名:Carangoides orthogrammus (Jordan and Gilbert,1882 )
属:スズキ目アジ科ヨロイアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ある日、知人から携帯メールで写真を送ってきた。40Cmほどの変わったアジが釣れたとのことだったが、それが上の写真だ。釣れた場所は南郷町大島。

瞬間「ナンヨウカイワリ」の名がでてきたが、実際私自身は1度も見たことがない。
その後図鑑などで調べたが、まあ間違いないだろうと思っている。しかしこの写真をきちんと同定してもらったこともないので間違いかもしれない。もっと綺麗な写真を入手できるとよいのだが。

全長80Cmほどになる大型のアジ科の魚だ。黄色の小斑点があるのが特徴。
成魚は沖合いの深みを好むらしいので釣れた魚はまだ若魚という事だろう。

ちなみにカイワリとは漢字だと「貝割」だ。つまり貝類など砂を掘って食べる食性からの名と考えられるが実際には甲殻類・魚類などを食べる様子が観察されているようでとにかく肉食性ということだ。アジ科の魚ってほとんど肉食だな。

ヒラマサ

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標準和名:ヒラマサ
学名:Seriola lalandi Valenciennes,1833
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ブリと酷似しているが、口元の上後端が丸いのが特徴。(ブリは角張っている)
また胸鰭よりも腹鰭が長いのも特徴。私が感じるのは鰭が黄色いことも特徴だけど、これは固体により差があるみたい。ブリより南方系で旬は晩夏から秋。姿・形はそっくりだが、ヒラマサの方が動きが鋭いのか引きも強く、味も極上

肉食で生小魚やイカで釣るが、ルアーでも狙われる。最近は磯場で釣果が少なくなったとも聞く。
専門に狙う方が少なく撒餌寄せをしなくなったから少ないとも聞いている。ブリより数段引きが強いとのこと。

ルアーで釣った方が、記念撮影してリリースしてしまい周囲の人がびっくりしたという笑い話もあるが、この魚だけは釣れたら食べなきゃ。それほど美味しく、どんな食べ方もできる。ブリ同様に照り焼きなどにも適しているそうだが、私は料理屋で刺身とカマ煮を食べたことがあり、いずれもとても美味しかった記憶がある。

写真の魚は6月ぐらいに、船釣りでメジナを狙っていて釣れた。大きさは50Cmほどだが、その場所はかなり浅所で岸に近い宮崎市内海の沖。
この魚を狙って門川町のビロー島(ブリ礁)に行ったこともある。私は釣りきらなかったけど知人に釣れた。サイズは70Cmほど。その引きたるや磯用4号竿が折れ曲がるほど。
その時のシーンは今でも頭から離れない。朝方、そこには大きな群れが、川の流れのように泳ぎ、海の偉大な事を感じたりした。

ムロアジ

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標準和名:ムロアジ
学名:Decapterus muroadsi (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科ムロアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
アジの一種とはすぐに判るけど、かなりスマートな体系で、大きな群れで沖合いの中層周辺に生息している。
群れの周囲にはこの魚をエサとして狙う大型魚が一緒に移動してくるようで、一般的には大型魚狙いの釣り餌として使われるよう。

私が釣ったときはかなりのサメの群れと一緒だった。

サイズは40Cm程度までとのことだが、私が釣ったサイズは約30Cm。群れも夏場の沖の浅場に寄りやすいよう。
群れが近寄ると追われているのかナブラが立ち、船下を覗き込むと、集団で動く姿を見ることができる。
釣り上げてすぐには目立たないが、しばらくすると写真の通り、横縞1本の黄色い筋が体の中心に浮き上がる。

新鮮なら刺身でも行けるが鮮度が落ちるのは早いようだ。私の経験上、黄色い筋が出る魚ってなぜか美味しい。

クサヤモロ

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標準和名:クサヤモロ
学名:Decapterus macarellus (Cuvier,1833 )
属:スズキ目アジ科ムロアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
釣ったときはムロアジだと思っていたが、姿は似ているものの、体の縦に入る筋の色が違ってムロアジは黄色。クサヤモロは青い色。
「クサヤ」って独特のタレに漬け込んだ干物で有名だけど、1度頂いたその味たるや・・・
匂いはひどいけど食べてみるとなんとなく癖になる感じは判る気がした。
このクサヤモロは、「クサヤ」を作る材料としてはもってこい(一番美味しい)魚のよう。独特のタレって「くさや汁」とも言うようで、これは伊豆諸島で干物を作るときに同じ塩水を繰り返し使ったもので、長年の独自の魚の臭味が染み付いた汁だとのこと(臭そう・・・)。
クサヤの材料もインターネットで見た限り、ムロアジ類以外にマアジ・トビウオなども使われるみたい。珍味としてマグロとかサメのクサヤもあるようだ。

宮崎沖「黄金の瀬」で、フカセ釣りで釣れた。表層に大きな群れが見え、相当な数で動いていた。サビキでも入れ食い。

生ではマアジには劣るもののその日のうちなら刺身でも食べられるそうだ。

カイワリ

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標準和名:カイワリ
学名:Kaiwarinus equula (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科カイワリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
これまた綺麗な写真がない。残念だ。

このカイワリも釣りを始めて船釣り経験も2・3度目に釣れた魚で、ポイントは宮崎市の沖のタイヤ漁礁と呼ばれる人口魚礁だ。確か釣ったのが1999年。その後はそのポイントに行くこともなく出会っていない。

シマアジに負けないほど美味で市場でも高値で取引されるようだが、宮崎ではそのサイズが理由かあまり重宝されてないような雰囲気。
一般的なサイズは25Cm程度だが、たまに40Cmオーバーも出るよう。シマアジと同じような口の形状で、ドロ底などに生息する小生物をエサとする。大きな群れでもなさそうで狙っても難しい魚。

オニアジ

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標準和名:オニアジ
学名:Megalaspis cordyla (Linnaeus,1758 )
属:スズキ目アジ科オニアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
体調80Cmほどにはなる魚なんだそうだ。写真の魚は25Cmほどで、これも釣り魚写真を写し始めてからさほど経ってないときの写真なので見づらい画で申し訳ない。
でもその後一度も見ていない。

マアジのようだけど、ちょっと受け口でサバのような小離鰭がある。

たった1度見た(写した)だけで、他で見る機会が無いのは絶対数が少ないという事だと思うが、釣れた後2~3日後に、近くの魚料理店に行った際、焼き魚として出てきた魚もこれだった。
その時期に集中して居たのかもしれない。釣れた場所は日向工業港内だ。

焼き魚の味だが可もなく不可もなくという気がした。それがマアジとして出されたらそう思ってしまうだろう。焼いた身は食感もそっくりだ。ちょっと味は落ちるかなと思った。

あまり流通もしてないようだ。見た目でもちょっと違和感を感じた。マアジ?いやちょっと変って具合だ。多分売っていても買われないだろうなと思う。大量に水揚げされていて慣れていたら別だけど。

コバンアジ

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標準和名:コバンアジ
学名:Trachinotus baillonii (Lacepède,1802 )
属:スズキ目アジ科コバンアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚を見たのは3回。一度は宮崎の南防波堤(現在は釣り禁止場所)と、宮崎市青島の白浜防波堤・そして県北の北浦の磯場だ。
つまり決して珍しいともいえないけど、そうそう釣れる魚でもない。

写真の魚が30Cm程度なんだけど50Cmほどまで成長するようだ。体の中心部に並ぶ数個の黒斑は成長するにつれて増えていくようだ。だけど個体差があるのかな?大型の水中写真でも写真でも目立たないのもあるし、25Cm程度でも4・5個の斑点がくっきりの魚もいる。

体は著しく側扁しているので「薄っぺら」な魚ではあるけれど、そのスタイリッシュな体型からは相当な高速な泳ぎをするのではないかと想像させる。釣れるとサイズとはかけ離れた引き込みでびっくりした。引きの割りに小さいのにびっくりだ。

ヒレナガカンパチ

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標準和名:ヒレナガカンパチ
学名:Seriola rivoliana Valenciennes,1833
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎の沖に「黄金の瀬」という、浅い所で水深5mという場所が3箇所ある。(黄金の瀬は総称で広い島のような場所で、細かくはそれぞれに名前がある場所だけど)
しかし傍目にはまったく海だ。海中に沈んでいる島があるわけだ。
随分以前の話だが、そこで巨大カンパチが釣れるとして、テレビなどでも紹介され、とにかく毎日のように遊魚船が20~30艘も行って釣り尽くした。だから今は巨大なものは居ない。釣りは時々残酷な行為をもたらす。魚の聖域を破壊してしまうわけだ。
それの罰で、はかなくも昔の栄華は話の種だけどなってしまったし、活気もなくなっている。

だけど小型は居る。重量にして2~3kg程度のものだ。数年前からジギングが流行りだして、カンパチは完全な対象魚だけど、実はこのヒレナガも結構混じる。

これまた写真が悪くて、しばらくクーラーボックスにて寝て頂いているものなので醜いが、1.5kg程度のものだ。
カンパチとの形態の違いとしては、第2背鰭・臀鰭(しりびれ)が伸びていることと尾鰭下葉先端が白くないこと。そしてカンパチより南方系。
カンパチが2m近くまで成長するのに対して、ヒレナガは1mちょっとぐらいらしい。

ブリ

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標準和名:ブリ
学名:Seriola quinqueradiata Temminck and Schlegel,1845
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ブリも、マアジ・カツオなどと並び、馴染み深い食卓の魚だ。特に冬時期・寒ブリは美味しく、照り焼きなどは私も大好きな料理の1つだ。

全国的に出世魚として成長過程で呼び名が変わる事も有名だが、九州だとワカナゴ → ヤズ → ハマチ → メジロ → ブリ → オオウオ というらしい。
だけど宮崎だと釣人が意識している名前は、ヤズ・ハマチ・ブリぐらいかな?
サイズにより呼び名の意識も変わるけど、ヤズは40Cm未満・40~60Cmがハマチで、それ以上がブリという感覚かも知れない。私はそう思っている。
宮崎だと、北上・南下の中継点なので、釣れるサイズも中間サイズなんだろう。

秋口(10月前後)に船釣りでは対象魚として狙われ、また初冬に門川の沖磯などで集中的に釣れることがある。サイズはハマチサイズで40~60Cm程度だ。

写真の魚だが、これまた写りの悪い写真で申し訳ないけど、船釣りで釣れたものだ。
これが釣れたのは宮崎の沖、黄金の瀬の、実は狙いはメジナで、その仕掛けに数匹釣れた。
メジナの仕掛け(ハリス2号程度)だと、簡単に勢いで糸を切られてしまい、持ちあわせていた4号ほどのものでやっと釣れた。
その時の状況だが、3名ぐらいで入れ食い状態となった。
また、1人が便意をもよおし、船尾にて垂れ流す羽目となったが、そのタイピングでまた釣れだした。コマセ状態となったんだろう。思い出しても漫画のような展開だったけど、そして釣れた魚がそれを食べてると思ったら「・・・・」なんだけど、まあすぐに身に染みるわけでもないし。その時は忘れる事にしてしっかり食べた。

ブリとヒラマサはかなり似ているので見分けずらいけど、実際には雰囲気で判る部分もある。

①上顎後端の上角は丸いのがヒラマサで、角ばっているのがブリ
②胸鰭と腹鰭は、腹鰭が長いのがヒラマサで、ほぼ同じ長さなのがブリ

だけどヒラマサはスリムで、鰭の黄ばみも濃いし、鰭全体が大きく見えて泳ぐ姿もスピード感があると想像される。まあ上の2つで概ね解決だろう。

ブリとヒラマサは基本的に生息している場所の違いもあると思うのだが、ブリは近海沿岸部のちょっと沖目を大群で回遊し、ヒラマサは更に岸に違い場所を小さな群れで動いているのではなかろうか?
だけど、ブリ狙いで有名な門川の沖磯「ブリ礁(バエ)」などでは混在する。

オキアジ

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標準和名:オキアジ
学名:Uraspis helvola (Forster,1775 )
属:スズキ目アジ科オキアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
沖にいるアジだから「オキアジ」なんだろうか?確かに岸辺からは釣れない。そこそこの水深がある場所で釣れる。サビキ釣りなどで釣れるサイズは30Cm前後ぐらいで数匹まとめて釣れる時があるので、そこそこの群れで動いているんだと思う。

写真の魚のサイズは48Cmだった。普段見かけるオキアジとは体高もちょっとスリムで、顔も勇ましい。30Cm前後のものだと横帯模様が目立つけど、写真の魚は釣り上げてすぐに撮影したものだけど筋は目立たない。またこの魚は写真写りがとてつもなく悪い。
実際にみるとこれほど汚れた感じではないのに写真ではひどい。

口の中を覗くと、真っ白なのが印象的だ。ペンキ塗りたてと言う感じの真っ白。

この魚は汚れて見えるだけに市場の取引も安値なんだそうだ。でも実は味はよく、つまり買い得な魚だ。関東でもあまり流通してないらしい。特に夏時期の新鮮な魚の刺身は絶品なんだそうだ。

ヒシヨロイアジ

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標準和名:ヒシヨロイアジ
学名:Carangoides chrysophrys (Cuvier,1833 )
属:スズキ目アジ科ヨロイアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
あまりにも特徴などを紹介しているWEBサイトが少なく、また私の品祖な文献でも特徴を伝えられる情報がなくて困ってしまうのだが、吻端が鈍いとうかちょっと出張っている事とエラの上部に割りと大きめな鈍い黒斑があるのが身体的な特徴かも知れない。

この魚は私が沖釣りを始めた1999年の冬に知人の釣師匠から土産にもらったものだ。宮崎市の沖で釣れたとの事だった。
大きさは40Cmほど。
その時はさほど魚の種類について興味があったわけでもなく、なんとなく捌く前に写真を残しとこうという気持ちだったので、とても見にくい画になっている。

割と大きくて刺身も期待したんだけど、一緒に頂いたマアジの方がよっぽど美味しかった。
無知識なことに、なんの根拠もなくこの魚が「ギンガメアジ」なんだと思い込んでしまったので、今でもギンガメアジは美味しくないという印象のままで、逆にきちんとギンガメアジを食べた事がない。

クロヒラアジ

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標準和名:クロヒラアジ
学名:Carangoides ferdau (Forsskål,1775 )
属:スズキ目アジ科ヨロイアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この記事を書いている私は、現在釣り暦・約9年。ここ1~2年はあまり行ってないので魚との出会いは少ないんだけど。

アジ科の魚は現在20種以上と出会っている。びっくりだ。
それぞれの魚の紹介はいずれぼちぼちと。

写真はクロヒラアジと言う。(そうだ)
今から5~6年前に釣れたもので、最近までイトヒラアジだと思っていた魚である。

私がいつも魚鑑定で利用させてもらっているサイト「WEB魚図鑑」にて、最初はイトヒラアジとして同定頂き登録していたのだが、修正を受けた。宮崎からは投稿が2件あるので、生息はそこそこにしている魚なんだと思われるが、そんなに釣れない。

分布 ■南日本。インド・太平洋域。珊瑚礁などの沿岸浅所にすむとある。
この魚は宮崎市・堀切峠の岩場で釣れたんだけど、基本的には内湾にはあまり入ってこず、開けた場所を好み、群れで生息するようだ。

この手のアジ科の魚では、イトヒラアジ・テンジクアジなどが良く似ていて区別しずらいと思うが、特徴を押えたらさほどでもない。

クロヒラアジは生時には8本の横帯がある。でも石鯛のようにはっきりとは出てない。尾鰭・背鰭の鰭先が長いのも特徴。吻(くちさき)が丸っこい。との事。

イトヒラアジ

011015itohira.jpg標準和名:イトヒラアジ
学名:Carangichthys dinema (Bleeker,1851 )
属:スズキ目アジ科イトヒラアジ属
宮崎地方名:?

写真のお魚のサイズ:25Cm
釣場:日向市白浜港前

特徴など:
尾鰭・背鰭の鰭先が長く、吻(くちさき)がちょっと尖っている感じの魚だ。この魚はちょっと珍しいらしい。WEBさかな図鑑を見ても、投稿されている写真は私の上の写真を含む2つだけだ。

この魚は船のシロギス狙いの釣りで釣れたもので、キスを釣る条件としてはかなり濁っていて、波もあり、仕掛が浮いていた状態でなかなか厳しい状況下、たまたま釣れたものだ。
本命のキスは条件が悪すぎでまったく釣れなかった。

場所の条件として、底は砂地なんだと思う。

印象として、とても綺麗で美しい顔のアジ。

アジ科イトヒラアジ属の魚として日本で報告があるのは、この魚とテンジクアジという種があるが、残念ながら、テンジクアジは釣ったこと・見た事がない。

ギンガメアジ

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標準和名:ギンガメアジ
学名:Caranx sexfasciatus Quoy and Gaimard,1824
属:スズキ目アジ科ギンガメアジ属
宮崎地方名:幼魚はエバ

特徴など:
この魚の名を初めて知ったのは、ある写真集でこの魚が相当なる群れで泳ぐ姿だったが、50~60Cmほどに成長しても大きな群れで動くようだ。

そんなギンガメアジは秋口に宮崎の河口でたくさん釣れる。
※宮崎に限らずだろう。

宮崎では「エバ」と呼ばれる。ヒラアジの幼魚を総称してエバと呼ぶが、実際には、カスミアジ・ロウニンアジの幼魚も混じる。

判ってしまうと区別は簡単で、エラの上部に小さな黒斑点があることと、若魚・成魚になるほど、アジ科特有のゼンゴの後方(中間から尾びれ間)が黒くなる。

最初に河口から始まって、だんだん川を上る。これは捕食のためだが随分登るようだ。ある程度登ると、また下ってくるが、その期間は秋口の約1~2ヶ月。

ある程度の大きさまで河口から周辺の海の際に居るが、その後大きくなると南下していくようだ。
宮崎でも南の地域の方が大型が釣れる。

時期になるとストアーに煮付け用の食材としてこの魚が並ぶ。

釣りはルアーで面白い魚。魚の姿が見えれば誰でも釣れる。荒食いする魚なのだ。

ロウニンアジ

009143.jpg標準和名:ロウニンアジ
学名:Caranx ignobilis (Forsskål,1775 )
属:スズキ目アジ科ギンガメアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
河口で釣れるヒラアジの1つ。

ロウニンアジは大きくなる。その大きさは180Cmとも2mとも。重量も80Kgだって。

GT(ジーティー)と呼ばれ、トカラ列島・沖縄列島では対象魚として大型を狙うのが盛んだけど、ハワイの南・クリスマス島は大型が釣れる場所として、その名を轟かせる。

さて宮崎だと5~25Cmほどがメインだが、50~60Cmまで釣れる場所はあるようだ。

体高があり、小さくても貫禄がある顔。尾鰭の下先が黄色い。

時々、防波堤でサビキ釣りをしていて、この幼魚5~10Cmが入れ食いする時がある。釣った方に「ロウニンアジですね」なんて言うとビックリされる。私もこれがロウニンアジの幼魚って知った時は驚いた。今では結構釣れる事を知ってるけどね。

夢とロマンの釣り
これがGT狙いである。釣り番組で時々見るGT狙いは、腕の太さほどもあるルアー(ホッパー)をめいっぱい投げて魚を誘う。掛かるとまさに死闘である。

写真の魚も25Cm程度なんだけど、これもビックリだった。
キビレチヌを狙おうと、マハゼ生餌を付け、置き竿にしてたが、結構な引き。生きた10Cmほどのマハゼを丸呑みしていたのだ。
獰猛な魚だと思った。

イトヒキアジ

002452.jpg標準和名:イトヒキアジ
学名:Alectis ciliaris (Bloch,1788 )
属:スズキ目アジ科イトヒキアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
アジ科の魚の中でも最も体高があるイトヒキアジは、幼魚・若魚の内は鰭先が異様に伸びている。(写真の如く)

鰭が長い訳は、幼魚時代は、その体型から動きが遅いものの、自分の姿を大きく見せ威嚇しているという説もある。

大きなものは1m近くにもなるが、それぐらいだと鰭も短い。
幼魚のうちは、面白い魚だという印象だが、大きくなるとロウニンアジと見間違うような勇ましい顔立ちだ。

この魚。宮崎ではジギングで大型が釣れる。
しかも釣れ出したら入れ食いになることもある。
大きな群れで生息しているのだろう。

岸からも時々釣れる。大きさの割りに体高のせいか引きが強く感じる。

この魚もストアーでずらっと並んでいる時もあるが、大きくはない。20~30Cm程度のもの。

カスミアジ

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標準和名:カスミアジ
学名:Caranx melampygus Cuvier,1833
属:スズキ目アジ科ギンガメアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎で釣れるヒラアジ幼魚の中で、割と数は少ないけど、時々釣れるのがカスミアジ。
河口で釣れるのがギンガメアジやロウニンアジの幼魚なのだが、この魚の幼魚は浅い磯場で釣れる。

大型は離島でルアーにて狙われるけど、宮崎だとそんな大型は生息してないだろう。50~80Cm程度には成長すると思われる。

大型は全体像が黄緑色で、黒い斑点が混じり、ちょっと汚れた感じだが、幼魚の内は写真の姿で、区分けできる特徴としては胸鰭が黄色い事。

刺身・塩焼きでとても美味しい(らしい)実は意識して食べてない。

シマアジ

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標準和名:シマアジ
学名:Pseudocaranx dentex (Bloch and Schneider,1801 )
属:スズキ目アジ科シマアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
シマアジは美味しい魚の代名詞。高級料亭魚として有名だ。
確かに美味しい。そのお味を評価すると、カンパチの旨味とマアジの食感を合わせ持つ上等な味とでも言うべきか?

釣りとしては、とても難しい部類の釣りである。
とても引きが強い魚なのに吻(くちさき)が弱いのでハリが外れてしまう。思いっきり飲み込ませるのが良いが、岩根周辺を動き回るのか道糸を切られてしまう。強引でも駄目。弱腰でも駄目・・・とほほなのだ。

沖の専門の釣りでは1mサイズなんてのも釣れ、オオカミと呼ばれるようだが、恐らくそのサイズは宮崎では厳しい。私が釣ったサイズはせいぜい40Cm程度で、普段岸から釣れるサイズも20~30Cm。
これも、ある釣場では6月には15Cm→8月25Cm→9月30Cmという感じで成長して面白い。

2型があるようで、簡単には黄色い横筋が目立つものと目立たないもの。
写真は目立っているが学術的にはB型と言うそうだ。

マアジ

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標準和名:マアジ
学名:Trachurus japonicus (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科マアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
しっかりした写真を写せてない事に今更ながら後悔だ。もっとも馴染み深い魚なのに。
そんなアジ科の代表種マアジについて。

ストアーでも、釣り対象魚としても、お魚としてはもっともポピュラーな魚。
美味しいから人気も衰えず、さばきやすく、防波堤からはサビキでファミリーフィッシングの目的魚、なんとも都合のよい魚だ。

アジは一般的に出回っているサイズが25~35Cm程度だろう。釣り対象としては、豆アジ(5~10Cm)アジ子(10~15Cm)コアジ(15~25Cm)中アジ(25~30Cm)アジ(30~35Cm)良アジ(35~40Cm)大アジ(40~)と勝手に判断してる。そんなもんじゃない?かな。

60Cmにも達するマアジが居るそうだ。釣れる場所は限られるよう。宮崎だといままで見た(聞いた)サイズは43Cmで自分で釣った魚としては42Cm。50Cmが釣れたと聞いたものの、マルアジだった。

アジにはキアジ型とクロアジ型と呼ばれ区別されているが、宮崎ではキアジ型を「シロアジ」と呼んでいる。遺伝子は一緒らしい。
居付き型アジがキアジ型で、回遊型がクロアジ型だそうだ。
居付き型は一定の場所で生活するから、大きく動かず太ってくる。割と浅瀬で生息するから体表も明るく白っぽいんだろう。

東シナ海の特定の場所で産卵し、海流に乗って春に日本の海岸沿に大量に稚魚が近づくらしい。日本の漁獲高を考えると、それはそれは凄い量だな。

ちなみにその名の由来も味が良いから「アジ」と言われている。地域によっては、このマアジ以外でも、美味しい魚はアジと呼ばれていたそうだ。
(最近は情報化が進み、そのような習慣も廃れているようだけど)