ホロヌメリ

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標準和名:ホロヌメリ
学名:Repomucenus virgis (Jordan and Fowler,1903 )
属:スズキ目ネズッポ科ネズッポ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年5月
写真の魚のサイズ:9.3Cm

特徴など:
若狭湾~長崎、小名浜~高知、東シナ海。水深40~100mの砂泥底にすむ。10Cm程度。
写真は雄型のよう。
写真の通り、第1背鰭の軟条が著しく長く伸び、尾鰭の後端が鋭くとがっている。また第一背鰭が白っぽいことなどが特徴のよう。

ネズミゴチ※青斑変異

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標準和名:ネズミゴチ※青斑変異
学名:Repomucenus curvicornis (Valenciennes,1837 )
属:スズキ目ネズッポ科ネズッポ属
宮崎地方名:メゴチ

特徴など:
ネズミゴチという魚はシロギス狙いの外道として釣れる。
ネズミゴチと言うより「メゴチ」と宮崎では一般的に呼ばれる事が多い。子供の頃に親父からそう習った。メゴチとはネズッポ科ネズッポ属の魚の総称に成るんだと思うがWEBさかな図鑑で見る限りネズッポ属には8種がある。でも「ネズッポ」という魚はいないし「メゴチ」とはまったく別のお魚だ。

ネズッポ科の魚を見分けるのはかなり難しそうだ。ネズミゴチの身体的特徴はWEBさかな図鑑を引用すると
「雄は第1背鰭の縁辺が黒く、臀鰭の下半部が黒くなり、体側下半部に多くの暗色斜線があり、頬部には黄色地に暗色で縁取られた青色波状斑がある。雌は第1背鰭に白で縁取られた黒斑があり、臀鰭は白く鰭膜に黄色斑がある。また未成熟の雄の第1背鰭にも白で縁取られた黒色斑がある。」ということなんだけど、写真のネズミゴチはちょっと違う。

ネズッポ科の魚は背鰭を広げた際の模様に特徴があるのだが、写真の魚はネズミゴチの雌に近い。ただ第1背鰭の黒色斑が黒ではなくメタリックブルーで白で縁取られてもいない。

この魚は1999年、私の知り合いでもある宮崎在住の「WEBさかな図鑑」「釣りフォーラム」の管理人、JUNさんが発見。その後宮崎からは発見例が相次ぎ、それが全国に波及していった。つまり昔からいたんだけどそれまで意識されてなかったが、気にする全国の魚好きが、釣れた魚を調べて「いるじゃん!」って事である。

この魚の特徴は第1背鰭だけではない。唇が黄色いのである。一般的なネズミゴチは白い。だから釣れてもすぐに「アオハンだっ!」って判るし嬉しくなる。
この魚の写真を初めてまともに撮影したが、体高がないので、ホワイトのボードに体の形の穴を開けて体を固定する。それから鰭をボードに貼り付けるように広げるのだが適度な水分が無いとちょっと暴れるとすぐに鰭は閉じてしまう。なんどもなんども鰭を広げる作業を繰り返し、やっと魚が落ち着いたところでパシャッと写す。完成した写真がデジカメなら直ぐに確認はできるが細部の確認は難しい。パソコンに取り込んでやっと正体が分かるのだが、これが思っていたよりもなんとも味わいある模様なのだ。

私はまだ経験したことが無いが、同じネズッポ科の「ヤリヌメリ」という魚はとても臭いらしい。クーラーボックスに入れてしまうと一緒に入れていたシロギスなどは食べられなくなるほど。クーラーボックスも使いたくなくなるほどだそうだ。その魚を手に持つと、数日間はその匂いがこびりついて気分が悪くなるらしい。姿だけでは判断できないので釣れたらすぐに匂いを嗅ぐ。大丈夫だと思ったら上記のような撮影作業に入る。
WEBさかな図鑑に投稿している猛者達の中には、その匂いにもめげず果敢に撮影に挑み、しっかりと撮影している。
魚種は増やしたいがあまり出会いたくない魚だ。

ネズミゴチはかなり美味しい。食感としてはシロギスより好まれるかも知れない。ただグロテスクな姿と釣れて体から出る体液の粘りで嫌われてしまう魚である。
釣れてもリリースされてしまうんだけど、見た目で嫌われ捨てられてしまう魚達って、ある意味それを生存の武器にしているのかも知れないなと思う。遠い未来に海の中の砂浜地帯を占有している魚はこの手の魚なのでは無いかと思っちゃう。ヒラメやマゴチといったフィッシュイーター(魚を捕食する魚たち)もネズミゴチなどはその身体的特徴の顔の横から飛び出す棘(前鰓蓋骨棘)が邪魔になり食べられにくいと思う。
食べて美味しい魚は、食べられて種が絶滅するのを防ぐために姿を醜くしたり棘を持ったりという進化をしているのかも知れないな。
nezumigoti.jpg●ネズミゴチ(雄型)一般種 ※Photo Umizaru