イズカサゴ

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標準和名:イズカサゴ
学名:Scorpaena neglecta Temminck and Schlegel,1843
属:カサゴ目フサカサゴ科フサカサゴ属
宮崎地方名:?

撮影者:あらら
撮影場所:門川町
撮影日:2008年7月
写真の魚のサイズ:約30Cm

禁断の鮮魚店購入物なんだけど、まあ宮崎獲れというのは間違いない店なので、とりあえず魚種を増やすというか、宮崎にいる魚ということで記録したいと思う。

実は同定にあまり自身がない。この種の同定はとても難しい。

写真を見て、一発で判断できるとすれば、尾鰭・背鰭・胸鰭部分に中心が黒い赤色円班があること。細かく見たら背鰭12棘(きょく)8~9の軟条、臀鰭(しりびれ)3棘5~6軟条、胸鰭17~20軟条、頭と体に多くの皮弁があること。胸鰭の上腋部に1枚の皮弁があること。などで判る。写真を見て数を数えてみるけど、まあだいたいそんなもん。

世間でオニカサゴと言われるのが一般的にこの魚だけど、標準和名の「オニカサゴ」は極めて判断が難しく、さほど大きくならない。(20~25Cm程度)

このイズカサゴはよくフサカサゴとも混同されがちのようだが、慣れてくれば、最初の判断基準の赤色円班で区別できるようだ。フサカサゴの尾鰭にはこの斑点がほとんど無い。

鮮魚店で見たカサゴ類だが、標準和名「カサゴ」や「アヤメカサゴ」と共に陳列棚に並んでいた。並べてあると容易に別魚だと判るのだが、このイズカサゴは特に大物が多い。4~5匹はいたんだけど購入した30Cm程度の魚が一番小さくて、あとは35~40Cm程度。かなり高いだろうと、最も小さいのを手にした。
ちなみにこの魚は深場(水深100~150m)に生息し、成長も遅くこのぐらいのサイズになるには数十年かかるようだ。調査された35Cm程度の魚が推定年齢42歳という記事も見つけた。購入した30Cm程度のものでも10年ぐらいのものだと思われる。そう思うと大事に食べなきゃと思う。

購入した魚は重量にして500gちょっと。そして価格も500円ほどだったんだけど、この価格が高いかというと、とんでもなく安いよう。WEBで相場を調べてみたら、ストアー価格だと500gで1500円程度という記事を見つけた。
そしてとても美味な魚だと至るところで見かける。実際美味しかったけど、これはお得な買い物だったと思う。

ハチ

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標準和名:ハチ
学名:Apistus carinatus (Bloch and Schneider,1801 )
属:カサゴ目フサカサゴ科ハチ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年4月
写真の魚のサイズ:9.5Cm

特徴など:
本州中部以南。~インド・西太平洋。浅海の砂泥底にすむ。成魚で15Cm程の小さな魚。
背鰭の棘に毒があるそうで刺されると危険。その痛さはアイゴやオコゼ以上ということで、名前の由来は、昆虫の蜂からのようだ。

毒があるし小さいため流通してないが、白身が奇麗で美味しいという記載も見た。

イヌカサゴ

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標準和名:イヌカサゴ
学名:Scorpaenopsis ramaraoi Randall and Eschmeyer,2002
属:カサゴ目フサカサゴ科オニカサゴ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は山渓「日本の海水魚」に記載されていない。
学名を見てのとおり、ランドール博士らによって2002年にできたばかりなのだ。和名が提唱されたのが2004年だから、実に4年前に名が付いたばかりの出来立ての魚だ。
この魚はWEB魚図鑑にて同定していただいた。

ではそれまで何だったのかと言うと、オニカサゴだ。

眼隔域は浅く、体側面から見て目の上方の約4分の1が頭部の輪郭から突出するのがオニカサゴでこれは、写真では判りずらい。
上顎前部に、涙骨隆起が突出するが触らないと判りにくい。
では写真で判断するなら、黒、あるいは茶色っぽい体色で、体側に黒い小黒点が散在していない個体はオニカサゴ似の魚はイヌカサゴであることがほとんど、なんだそうだ。

以外と防波堤の足元に居るし、最近流行のロックフィッシュゲームでも対象魚となりそうだが、きちんと調べたら、もっと面白い結果になるのかもしれない。

アヤメカサゴ

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標準和名:アヤメカサゴ
学名:Sebastiscus albofasciatus (Lacepède,1802 )
属:カサゴ目フサカサゴ科カサゴ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ほとんどカサゴそのものの姿なんだけど、見た目で違うのは色合いだ。写真のごとく黄色い虫食い斑が目立つ。アヤメカサゴは眼の下に棘があり、カサゴにはないという違いもあるようだ。

一般的なカサゴよりちょっと深めの場所に生息するそうだ。(30~300mの水深の岩礁)
写真の魚も沖の船釣りだった。
味はカサゴにちょっと劣るという情報も見たことがあるが、多分区別が付かぬほど美味しい。

大きさは標準的なもので25Cm程度。

カサゴ・ウッカリカサゴとこの種は間違われやすい。この記事の記載現在、ウッカリカサゴは見た事がないけど気が付いていないだけかもしれない。だたポイントを抑えておくと逆に魚の名が何なのかがとても楽しくなる。

カサゴ

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標準和名:カサゴ
学名:Sebastiscus marmoratus (Cuvier,1829 )
属:カサゴ目フサカサゴ科カサゴ属
宮崎地方名:ホゴ・ガガラ

カサゴという魚はいつでも何処でも相手してくれる。沖でも岩場でも防波堤でも。釣りに行って1匹2匹と相手してくれることがしばしばだけど、数を釣る事は期待できない。
ただ、沖の釣りだと小型が同じ場所でまとまる時がある。
宮崎の釣具店には18Cmだったかな?それ以下のサイズは放流しましょうと案内されている。カサゴはとても成長が遅く、釣魚として馴染みは深い魚だけど、だんだん数も減っているようなので、できれば幼魚は逃がしてあげたい。

カサゴと行ってもその仲間は多く、とても似ているのがウッカリカサゴとかアヤメカサゴという種などあるが、宮崎で、多分釣れても区別されない。ストアーでもカサゴで売っているものが実は違う種である事も多い。

だけど釣れるほとんどはカサゴである。
宮崎では「ホゴ」と呼ばれる。鹿児島や熊本では「アラカブ・ガラカブ」と呼ばれる。
鹿児島の長島周辺だと、海峡が多く、岩場が多いので専門に狙って釣られているし、専門の料理店もある。また鹿児島の錦江湾でも特に桜島の周辺は海底が溶岩礁で凸凹しており、カサゴがとても住み着きやすい環境のようだ。簡単に釣れる。

カサゴは数が少ないので、大前提で生息しているかいないかで釣果が変わるけど、居れば釣れる確率はとても高い。底を狙って餌は何でも良いので誘いをかけてあげれば釣れる。
また最近はロックフィッシュなどと命名されて、もともとルアーを楽しんでいた釣人が、ブラックバス釣りがだんだん肩身の狭い環境になる中で、海に向かい、手軽に楽しめる対象魚としてワーム(擬似餌)などで狙う。

カサゴの仲間で有名なのが「メバル」。メバルの仲間にカサゴがあるとも言えるほど釣魚としてはメジャー魚だけど、残念ながら宮崎には居ない。南限が大分ぐらいまでなんだろう。九州の西部の熊本・浅草などだと生息するのかも知れないが定かではない。

とにかくこの魚の仲間は食べても美味しい。
だからカサゴの場合は市場値で1Kgが2000円以上というような高値で取引されるようだ。ただカサゴだと大きくても30Cm程度。沖で釣れやすい近似種の「ウッカリカサゴ」の場合はなんと60Cmほどまで成長するようだ。

宮崎では味噌汁に入れて、とても良い出汁になるとのことで重宝される。刺身でも美味しいがちょっと淡白な感じもする。から揚げも美味しくて、しっかり揚げれば鰭の部分もコリコリとして美味しい。

WEB検索していて見つけた面白ネタとしては、このお魚は卵ではなく稚魚を産み落とすとのこと。これはメバル・クロソイなども一緒で卵胎生というらしい。

沖で釣れると赤色が強い。これが岸からだとどす黒い赤みなんだけど、生息場所で随分色が違う。カサゴに限らず深場だと赤が強くて、浅いと岩のようなどす黒になるのは保護色という事だろうけど、なぜ深いと赤いのだろうか?多分、深い=暗いという事だけど赤は暗い場所では目立たない色なんだろうなと思う。沖の夜釣りでも、ヒメジ・チカメキントキ・マツカサといった魚達は真っ赤である。