ゴマモンガラ

gomamonngara.jpg
標準和名:ゴマモンガラ
学名:Balistoides viridescens (Bloch and Schneider,1801 )
属:フグ目モンガラカワハギ科モンガラカワハギ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年10月
写真の魚のサイズ:6Cm

特徴など:
60cmになる大型の魚です。たった一度しか見ていませんが、淡く白いからだには黒ゴマのような斑点がたくさんあって、目の周りとその下に続く黒い模様で判断しました。
また背中の後ろ側から背鰭にかけても黒い模様がついているのも特徴です。

大きくなると全く違う色になってきます。歯が硬くて丈夫なのでウニや貝類を砕いて食べます。子守をしている親は大変凶暴で近づかない方が良いと言われます。沖縄では食用にされるそうです。南日本から太平洋・インド洋にかけて棲んでいます。(H.Tanaka)

キヘリモンガラ

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標準和名:キヘリモンガラ
学名:Pseudobalistes flavimarginatus (Rüppell,1829 )
属:フグ目モンガラカワハギ科キヘリモンガラ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8~9月
写真の魚のサイズ:3Cm

特徴など:
60cmになる大型の種ですが、サン・マリーナでは幼魚しか見ていません。成長すると全く違う色になりまます。今までに3尾見ましたがいずれもまだ2~3cmの赤ちゃんで、白いからだに黒い模様が背中についた愛らしい魚です。
約2ヵ月で15mm成長し、9月下旬まで何度見ても同じ場所を離れようとしませんでした。普段はゆっくり岩の周りを泳いでいますが動きはとても速く、何かが近づくと勢いよく穴に逃げ隠れます。背鰭と腹鰭にはそれぞれ強いトゲがあって一度穴に入り込むと少々引っ張っても採れません。子育て中の親は非常に攻撃的で近づかない方が良いと言われます。餌はウニやカニの仲間そして貝類などで、その強い歯で噛み砕いてしまいます。南日本から太平洋・インド洋に広く分布しています。(H.Tanaka)

アミメハギ

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標準和名:アミメハギ
学名:Rudarius ercodes Jordan and Fowler,1902
属:フグ目カワハギ科アミメハギ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:6Cm

特徴など:
淡い茶色のからだに小さな白点が無数にあるのでこれと判断しました。
色が変わりやすく濃い緑や薄茶色になったりします。またこげ茶色の模様が浮き出る事も多いのです。
サン・マリーナでは船底近くにいた1尾しか見ていません。アミメハギは8cmになります。青森から南の日本沿岸、朝鮮半島にいます。(H.Tanaka)
amimehagi42.jpg撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年4月
写真の魚のサイズ:5.3Cm

ミナミハコフグ

minamihakohugu.jpg
標準和名:ミナミハコフグ
学名:Ostracion cubicus Linnaeus,1758
属:フグ目ハコフグ科ハコフグ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:3Cm

特徴など:
40cmになります。写真は幼魚で、からだについている斑点はハコフグの幼魚のそれと比べると細かです。
サン・マリーナではやや珍しい魚で2度しか見ていませんが、小さくて見つけにくく、意外に逃げ足も速いのです。人気があってよく飼育されますが皮膚から粘液毒を出すので、死ぬ直前から他の魚に悪影響を与えます。
小型の甲殻類、ゴカイ、貝類などを食べています。房総半島から南の西部太平洋やインド洋に広く分布します。(H.Tanaka)

サザナミフグ

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標準和名:サザナミフグ
学名:Arothron hispidus (Linnaeus,1758 )
属:フグ目フグ科モヨウフグ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:2Cm

特徴など:
45cmにもなる大きな魚です。成長すると全体に褐色であったり緑がかったりと、色彩に変異が見られますが、幼魚でも目の後ろにある大きな黒い斑点が目印となります。
大きくなると細かな白点が無数についてきます。

サン・マリーナでは海面近くを漂う数尾を見ています。脅かすと意外に動きが速くスーッと逃げてしまいます。雑食性でウニ、貝類、ヒトデ、海草、カイメンなどを食べます。皮膚と内臓は有毒です。南日本から太平洋・インド洋に分布しています。(H.Tanaka)
sazanamihugu225.jpg
撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年4月
写真の魚のサイズ:22.5Cm

ヒメツバメウオ

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標準和名:ツノダシ
学名:Monodactylus argenteus (Linnaeus,1758 )
属:スズキ目ヒメツバメウオ科ヒメツバメウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:5Cm

特徴など:
14cmになります。ツバメウオとは関係ありません。
内湾に棲む小型種で汽水域や川でも見つかり、淡水でも飼える人気のある丈夫な魚です。
成長すると頭にある2本の黒い横縞は消えてしまいます。からだは銀白色で鰭は黄色く、シリ鰭の前の部分には黒い縁取りがあります。
サン・マリーナでは2007年の9月9日の朝、初めて見ました。1尾のみ海面近くを活発に泳いでいましたが、我が国では宮古島より南からしか報告が無く九州では初記録で、瀬能博士に報告後すぐにData Baseへの登録依頼がありました。飼育個体が放流されたのかも知れませんが、その後岩槻教授から宮崎では結構見つかっていると聞かされました。宮崎沿岸、及び宮古島から南の琉球列島、西部太平洋、インド洋、紅海に分布します。(H.Tanaka)

ツノダシ

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標準和名:ツノダシ
学名:Zanclus cornutus (Linnaeus,1758 )
属:スズキ目ツノダシ科ツノダシ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:9Cm

特徴など:
25cmになる、ハギの仲間に近縁の魚です。よくハタタテダイと間違われますが、からだの中央が黄色く、また尾は黒い事で簡単に見分ける事ができます。ツノにあたる背鰭の一部はよく伸び、全長(口先から尾鰭まで)の3倍に達する事があります。外海では時に100尾以上の群を成します。人気がありますが飼育しにくい魚のひとつとして知られます。サン・マリーナでは滅多に見ないのに、一度に3尾現れた時には少し驚きました。ほぼ同じ大きさのハタタテダイと一緒に行動している姿も見ています。南日本から太平洋とインド洋に広く分布します。(H.Tanaka)

コクテンサザナミハギ(?)

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標準和名:コクテンサザナミハギ
学名:Ctenochaetus binotatus Randall,1955
属:スズキ目ニザダイ科サザナミハギ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:5Cm

特徴など:
サン・マリーナではただ1尾のみ見ています。
顔には無数のオレンジ色の斑点がついていて、からだにも細いスジが縦にたくさん走っています。背鰭と腹鰭には青いスジが見えます。尾の根元はやや白くなっています。恐らく本種で良いと思われますが、背鰭には黒い縁取りがあり、また背鰭とシリ鰭が丸いので自信がありません。
顔と頬についた斑点は類似のサザナミハギと異なります。コクテンサザナミハギは全長20cmに達し、南日本から西部太平洋・インド洋に分布します。(H.Tanaka)

クロハギ

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標準和名:クロハギ
学名:Acanthurus xanthopterus Valenciennes,1835
属:スズキ目ニザダイ科クロハギ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:2.5Cm

特徴など:
35cmになります。幼魚は内湾や河口付近に多いとされます。
成長すればからだは灰色に、また尾の根元は白くなってきます。主に藻類を主食としています。食用になる魚です。サン・マリーナでは幼魚だけ一度しか見ていませんが、恐らく見落としているのでしょう。南日本から西部太平洋・インド洋にいます。(H.Tanaka)

クツワハゼ

kutuwahaze.jpg
標準和名:クツワハゼ
学名:Istigobius campbelli (Jordan and Snyder,1901 )
属:スズキ目ハゼ科クツワハゼ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年9月
写真の魚のサイズ:4Cm

特徴など:
10cmになります。目の後ろに黒いスジを持ち、からだの緑や赤の斑点がなかなかおしゃれです。底でじっとしている事が多い魚で、サン・マリーナでは割合多く見られますが、海底の色にまぎれているのでよく見ないと分かりません。1枚撮影したらすぐに隠れてしまいました。
水槽の中では少々気の強いハゼだそうです。本州中部から中国沿岸、台湾まで分布します。(H.Tanaka)

ニジギンポ

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標準和名:ニジギンポ
学名:Petroscirtes breviceps (Valenciennes,1836 )
属:スズキ目イソゴンポ科ハタタテギンポ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年9月
写真の魚のサイズ:5~6Cm

特徴など:
11cmになります。サン・マリーナではあまり多くはありませんが、比較的若い個体から成長した個体まで見る事ができます。幼魚はやや黒っぽい帯を持ちカモハラギンポに似ています。
早朝から活発に泳ぎ回り、甲殻類などを食べて生活する雑食性の魚です。下北半島から南の日本沿岸の太平洋側や西部太平洋に棲んでいます。(H.Tanaka)
nijiginpo93.jpg撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年5月
写真の魚のサイズ:9.3Cm

テンクロスジギンポ

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標準和名:テンクロスジギンポ
学名:Plagiotremus tapeinosoma (Bleeker,1857 )
属:スズキ目イソゴンポ科テンクロスジギンポ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年7月
写真の魚のサイズ:6Cm

特徴など:
10cmになる種類です。綺麗な魚ですが、肉食性で他の魚の肉を引きちぎって食べるハンターの一つです。朝早くから出て獲物を探して泳ぎ回ります。からだをくねくねと曲げ、おまけに逃げ足も速いので撮影には苦労します。海面近くまで上がってくる事はあまりしません。
2006年は6月からたくさん見たのですが、何故か2007年はほとんど見ていません。南日本から西部太平洋・インド洋に広く分布します。(H.Tanaka)

スジブダイ(?)

sujibudai.jpg
標準和名:スジブダイ
学名:Scarus rivulatus Valenciennes,1840
属:スズキ目ブダイ科アオブダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:4Cm

特徴など:
断定できませんが恐らく本種でしょう。2度しか見ていませんが小型で地味な魚なので見落としもあるのでしょう。
稚魚では濃い灰色のからだに4本の横縞が見えますが、幼魚や雌はオウムブダイやダイダイブダイとの鑑別が困難だそうです。スジブダイは藻類を主食とし、成長すれば40cmになり高知県から南の太平洋、オーストラリアまで分布します。(H.Tanaka)

ホンソメワケベラ

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標準和名:ホンソメワケベラ
学名:Labroides dimidiatus (Valenciennes,1839 )
属:スズキ目ベラ科ソメワケベラ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年7月
写真の魚のサイズ:7Cm

特徴など:
12cmになります。海のお掃除屋さんとして有名で、他の魚の表面についた寄生虫などを好んで食べてくれる有難い魚です。
サン・マリーナでは一度しか見ていませんが、大きめのチョウチョウウオのからだをクリーニングしている様子が観察されました。
他の魚にとってこの白地に口から伸びる黒い帯はある種のシグナルに見えるようで、掃除して欲しい時はこのベラのそばに寄っていきます。
ハタやウツボといった大きく貪欲な魚でさえ、このベラが近づくと身動きせずに掃除してもらい、決してこのベラを襲ったりしません。時には相手の口やエラの中にまで入ってクリーニングします。水族館や水槽でも人気の魚ですが人工餌を拒否する事が多くて長生きせず、また自然環境保護の観点からこの仲間の採集を禁止しようとする動きも活発です。
南日本から太平洋・インド洋にかけて広く分布します。この魚がいない海には別にクリーニングする種類がそれぞれ棲んでいます。(H.Tanaka)

カミナリベラ

kaminaribera.jpg
標準和名:カミナリベラ
学名:Stethojulis interrupta terina Jordan and Snyder,1902
属:スズキ目ベラ科カミナリベラ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年7月
写真の魚のサイズ:7Cm

特徴など:
14cmになります。雄は全体に緑色で青いスジが目立ちます。雄、雌ともに胸鰭の近くにある赤い斑点が目印になっています。

雄を見た事はありませんし、雌もそう多くは見られません。泳ぎは速く活発で岩場から離れて行動する事もあります。この属では唯一温帯に適した種で本州でもごく普通に見られます。南日本から西部太平洋にかけて分布します。(H.Tanaka)

スズメダイ

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標準和名:スズメダイ
学名:Chromis notata notata (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目スズメダイ科スズメダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年9月
写真の魚のサイズ:8~9Cm

特徴など:
14cmになります。スズメダイの中でも最も温帯に適した種類で南日本には多い魚です。
サン・マリーナでは2~3尾見ています。
日本海側にも棲み10度の低水温にも耐える事ができます。
大変地味な魚ですが、背中の後ろにある白い斑点でこの魚だと分かります。干したものは北九州でアブッテカモとして有名ですが、他ではあまり食用にはしていません。
飼育する人もいませんが丈夫です。
千葉県・秋田県から南、東シナ海まで分布します。(H.Tanaka)

シマスズメダイ

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標準和名:シマスズメダイ
学名:Abudefduf sordidus (Forsskål,1775 )
属:スズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:5Cm

特徴など:
18cmになります。全体に灰色で、磯では普通に見られる種類ですが、サン・マリーナではそう多くありません。
2007年9月12日には14~15cm位の大きな個体を見ていますが、動きが速くて写真に撮れませんでした。岸壁に近い場所や船底で見られます。活発に泳ぎ回り他のスズメダイと一緒に行動する事もあります。
雑食性で藻類もよく食べています。背鰭の黄色い模様と尾ヒレ前の黒い斑点が目印です。房総半島から南の西部太平洋からインド洋にかけて分布します。(H.Tanaka)

シチセンスズメダイ(?)

sitisensuzumedai.jpg
標準和名:シチセンスズメダイ(未同定)
学名:Abudefduf septemfasciatus (Cuvier,1830 )
属:スズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:5Cm

特徴など:
よく分からないスズメダイです。スジがやや細いので、ベンガルスズメダイかも知れません。5cmで尾が黒い種類は図鑑で見当たりません。
サン・マリーナで見たのは2尾だけで、他のスズメダイと一緒に行動していました。

シチセンスズメダイは18cmになり、静岡沿岸から太平洋・インド洋にいます。(H.Tanaka)

イチモンスズメダイ

itimonsuzumedai.jpg
標準和名:イチモンスズメダイ
学名:Chrysiptera unimaculata (Cuvier,1830 )
属:スズキ目スズメダイ科ルリスズメダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年7月
写真の魚のサイズ:2Cm

特徴など:
ただの1度、わずか数秒間しか見ていません。岩陰から出てこようとせず全体像が分かりませんが、この魚で良いと思われます。
幼魚は頭の青いスジと背中の青いリングが目印です。
イチモンスズメダイは7cmになり、和歌山県から西部太平洋・インド洋にまで分布を拡げています。幼魚のうちは人気のある観賞魚ですが、成長するとほとんど見向きされない地味な色になってしまいます。(H.Tanaka)

タテジマキンチャクダイ

tatejimakintyaku.jpg
標準和名:タテジマキンチャクダイ
学名:Pomacanthus imperator (Bloch,1787 )
属:スズキ目キンチャクダイ科サザナミヤッコ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:20Cm

特徴など:
40cmになる大型種で、一目でこの魚だと分かるほど特徴的な魚です。
2007年9月10日の午後1時半頃発見しましたが、ここで初めて見たキンチャクダイの仲間でした。宮崎の海でも外洋に出ればダイヴァーたちが多数見ていますが、まさかここで見られるとは予想もしていませんでした。
はじめ水深2mにいたところを見つけ、そのすぐ後に50cmのところまで上がって来ました。ゆったりと泳いでいましたが私が少しからだを移動させると、それに気がついて深みへ逃げました。その間わずか5分の夢のような出来事でした。
ただ顔に傷があり、ここは外洋からやや離れた場所で、普段は数m~数10mで見られるので湾内で放たれたものかも知れません。瀬能博士からは放流個体かも知れないが観察が必要とのコメントを頂きました。太平洋産の個体は大きくなると背鰭から1本の糸状のフィラメントが伸びてきますが、まだその兆候がありません。幼魚とは姿がまるで異なります。
幼魚同様、大変人気の高い観賞魚ですし、沖縄では食用として市場で売られています。南日本から西部太平洋・インド洋、紅海にかけて広く分布します。(H.Tanaka)

ハタタテダイ

hatatatedai.jpg
標準和名:
ハタタテダイ
学名:
Heniochus acuminatus
(Linnaeus,1758 )
属:
スズキ目チョウチョウウオ科
ハタタテダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:
H.Tanaka
撮影場所:
宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:
2006年8月
写真の魚のサイズ:
8Cm

特徴など:
25cmになるチョウチョウウオの仲間です。背鰭の一部がハタのように長く伸びています。からだの中央が白いのでツノダシとは簡単に区別できます。
サン・マリーナでは7~8cmの個体が一度に3~4尾見られる事もあれば、ペアを組んでいるように見える事もありました。次のムレハタタテダイとは実によく似ていますがハタタテダイの場合、黒い部分がシリ鰭の角までは下りず、ムレハタタテダイの場合はその隅まで広がっています。しかし両者の中間のような個体も見かけますし、鰭を広げないと分かりづらい事が多いのです。大きな群を成しません。大変人気のある観賞魚です。下北半島から南の日本沿岸から広く西部太平洋やインド洋に棲んでいます。(H.Tanaka)

フウライチョウチョウウオ

huuraichou.jpg
標準和名:フウライチョウチョウウオ
学名:Chaetodon vagabundus Linnaeus,1758
属:スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:1.5Cm

特徴など:
23cmになります。南日本では普通種のひとつで岩礁域にもたくさんいます。白いのでよく目立ち、幼魚のうちは背鰭に黒い斑点がついていますが成長とともに消えていきます。
小動物や藻類を食べて生活します。サン・マリーナでは5月終わり頃に顔を出し始め秋の終わりには姿を消します。一度に3尾位の幼魚を観察できることもしばしばです。人を見て岩陰に隠れる事もあればさっさと逃げ回る事もあります。
採集者にも人気のある観賞魚です。南日本から西部太平洋・インド洋と広く分布しています。(H.Tanaka)

トゲチョウチョウウオ

togetyou.jpg
標準和名:トゲチョウチョウウオ
学名:Chaetodon auriga Forsskål,1775
属:スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:
写真の魚のサイズ:

特徴など:
23cmになります。後半のオレンジ色がとても目立つ美しいチョウチョウウオです。腹鰭は光線の具合で青緑に光って見える事もあります。サン・マリーナでは大きいものは5cm以上の個体が見られる事もありますが、2~3cmの幼魚が最も多いのです。
6月初めには幼魚がちらほら見られるようになり、2尾一緒に行動しているのを観察できる事もあります。成長すると背鰭の後ろから次第に糸状に伸びてきますが、鰭の黒い斑点は消えません。海藻類や小型の動物を主食としています。
南日本から沖縄、西部太平洋やインド洋にいます。大変人気のある観賞魚です。(H.Tanaka)

チョウハン

tyouhan.jpg
標準和名:チョウハン
学名:Chaetodon lunula (Lacepède,1803 )
属:スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年11月
写真の魚のサイズ:5Cm

特徴など:
25cmになるやや大型種です。南日本では普通種でよく潮溜まりにも入ります。サン・マリーナでは5月の終わり頃から顔を出し始め、秋の終わりには姿を消します。
チョウチョウウオと似ていますがからだの周りがやや黄色く、尾の付け根にも黒い点がついている事で区別されます。餌は小動物で岩肌を盛んにつついています。ここでは幼魚もそれほど多くはありませんが11月には5cm位の個体も観察されました。
成長すると頭の後ろに太く黒い帯が伸びてきて、背中の黒点は消えていきます。南日本から琉球列島を経て西部太平洋・インド洋と広く分布します。人気のある観賞魚です。(H.Tanaka)

セグロチョウチョウウオ

segurochou.jpg
標準和名:セグロチョウチョウウオ
学名:Chaetodon ephippium Cuvier,1831
属:スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:
写真の魚のサイズ:

特徴など:
20cmになります。白みを帯びた灰色で上品な色をしています。背中の大きな黒い斑紋が目印です。からだの回りと腹鰭が濃い黄色で、サン・マリーナでは最も美しいチョウチョウウオです。
やや成長しても内湾を好みますが、太いロープの周りに棲みついた幼魚と岩陰にいた幼魚しか見ていません。水深約1~2m付近で活動し、海面近くまで上がってくる事はありませんでした。4cmの個体は2006年の9月に現われてからその場所から離れようとせず、11月の半ばには姿を消してしまいました。15mmの個体は2週間後の9月下旬に2mほどの深みへ移動しました。小動物などを主食とします。南日本から西部太平洋・東部インド洋にいます。(H.Tanaka)

アケボノチョウチョウウオ

akebonochou.jpg
標準和名:アケボノチョウチョウウオ
学名:Chaetodon melannotus Schneider,1801
属:スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年7月
写真の魚のサイズ:2Cm

特徴など:
18cmになります。サンマリーナでは毎年5~6月になると顔を出し始めます。からだが白くて周りが黄色いのですぐに見つかります。
幼魚のうちは尾の付け根に大きな黒い斑点がついています。また目を通る黒いスジがあり、どこに目があるのか分かりにくいようになっています。これらは位置をごまかして大事な目を敵から守るためなのです。最初2cm位だった幼魚は次第に大きくなって秋の終わり頃には4~5cmほどに成長しますが、冬には姿を消します。
藻類を主食とします。サン・マリーナでは岩肌からあまり離れる事はなく、岩陰から岩陰へと移動しながら岸壁の餌を盛んにつついているのが観察されます。他のチョウチョウウオと一緒に行動する姿もよく見られます。
アクアリウム・フィッシュとして大変人気がある魚です。南日本から沖縄、西部太平洋・インド洋まで広く分布します。(H.Tanaka)

クエ

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標準和名:クエ
学名:Epinephelus bruneus Bloch,1790
属:スズキ目ハタ科マハタ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年8月
写真の魚のサイズ:12~13Cm

特徴など:
130cmになる大物です。サン・マリーナで最初に見た12~13cmの個体は岸壁をゆっくりと移動していたので撮影は割合楽でした。しかし2尾目の7cmの個体は岩陰からなかなか出てこようとせず大変苦労しています。しかも一度隠れてしまうとなかなか姿を見せようとしないので用心深いのでしょう。
縞模様があるのは若いうちだけで、大きく成長すればこの模様は消え去り、全体に黒っぽい色になります。15cmの若魚はここで見つけた時には驚いてシャッターを2回押しました。岸壁に沿って悠々と泳いでいましたが1度しか見ていません。その個体は当初マハタではないかと思っていましたが、WEB魚図鑑の方に指摘されました。
からだに付いた縞模様は斜めに走っているので、これらがまっすぐなマハタと区別できます。他所ではこれら2種の交配個体が採集された事があるそうです。
サン・マリーナでは30cmほどの個体も1度目の前で見ましたが撮影できませんでした。美味で特に冬が旬の高級魚です。南日本から東シナ海にかけて棲息しています。(H.Tanaka)

ヤマトイトヒキサギ

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標準和名:ヤマトイトヒキサギ
学名:Gerres microphthalmus Iwatsuki, Kimura and Yoshino,2002
属:スズキ目クロサギ科クロサギ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:15Cm

特徴など:
30cm近くになるものと予想されます。2002年に名前がついたばかりのサギの仲間で、ここでは波打ち際からやや浅い場所に数尾群れていました。はじめは興味が湧かなかったのですが、全種類を収めようと考えてから撮影しました。しかし見当がつかないのでこの仲間に詳しい宮崎大学の岩槻幸雄教授に尋ねたところ、名付けられたばかりの種である事を初めて知ったのです。
しかも教授(Y. Iwatsuki, S. Kimura & T. Yoshino, 2002)が記載したと聞いて驚きました。それまでイトヒキサギ(Gerres filamentosus)とされていたものが2つの異なる種類に分けられたのです。2種類とも背鰭の一部が伸びていますが本種は目が小さい事などから分けられました。
からだは銀灰色でややずんぐりしています。このビーチでは普通に見られる魚で、50mより浅い場所での定置網でも採集されています。かなり大型の種類で、日南で最初に得られた個体は体長が189mmありました。からだに高さのある魚です。
宮崎の他、種子島、四国南部沿岸、紀伊半島からも知られます。ビーチ以外に河口付近にも多く棲んでいる種類です。(H.Tanaka)

オキナメジナ

okinamejina.jpg
標準和名:オキナメジナ
学名:Girella mezina Jordan and Starks,1907
属:スズキ目メジナ科メジナ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:8Cm

特徴など:
45cmになります。幼魚ではからだの中央に横に走る黄色い帯を持っていますが、成長すると消えていきます。サン・マリーナではまだ1尾しか見ていませんが実際はもっと多いのではないかと思われます。
水槽で飼っていると大変よく馴れて手から餌を求めるようになり、時にはジャンプして餌を捕るほどまでになります。食べられますが味はあまり良くありません。千葉県から東シナ海にまで分布します。(H.Tanaka)

スズキ

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標準和名:スズキ
学名:Lutjanus argentimaculatus (Forsskål,1775 )
属:スズキ目スズキ科スズキ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:50Cm

特徴など:
全長1mに達する大型魚類です。ヒラスズキに大変よく似ていますがスズキより体高があります。斜め上からの撮影で全体像がはっきり分かりませんし背鰭の形もよく分かりませんが、本種ではないか?とWEB魚図鑑の方から教わりました。正確には判断できません。
口、顎や目が大きく、スズキではからだの中央に縦に走る細長い白いスジが見られます。鰭は灰色で、胸鰭はやや長めで黒みを帯びています。肉食で小型魚や甲殻類を食べており、成魚は磯で生活します。小さいうちは沿岸や内湾にもすみ、汽水域でも見られます。

美味で、洗い・刺身・塩焼きにされます。サン・マリーナでは正午過ぎに桟橋の真下を3尾で非常にゆっくり移動するところをとらえました。3m目の前を横切りましたが、その桟橋から離れようとしませんでした。昼間は探せば割合よく見かけますが、早朝だと滅多に見られません。北海道から日本沿岸、朝鮮半島南部に分布します。(H.Tanaka)
suzuki85.jpg撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年3月
写真の魚のサイズ:85Cm

ニセクロホシフエダイ

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標準和名:ニセクロホシフエダイ
学名:Lutjanus fulviflamma (Forsskål,1775 )
属:スズキ目フエダイ科フエダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:10Cm

特徴など:
30cmになります。黒い点を持つのでクロホシフエダイ(Lutjanus russelli)に似ていますが、縦に走るスジは平行で黄色く細いので区別できます。サン・マリーナではあまり多くは見られません。
防波堤などでよく釣れる魚で、肉食でエビ・カニ、魚類などを主食とします。南日本から太平洋・インド洋にかけて分布しています。(H.Tanaka)

ゴマフエダイ

gomahuedai.jpg
標準和名:ゴマフエダイ
学名:Lutjanus argentimaculatus (Forsskål,1775 )
属:スズキ目フエダイ科フエダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年8月
写真の魚のサイズ:40Cm

特徴など:
70cmになる大型種です。若い個体は全体に黒っぽくて白いスジが多数ありますが、成長すると全体がやや赤みを帯びたるか、あるいは白くなってきます。若魚では赤い腹鰭が目立ちます。
サン・マリーナでは10cm前後の若い個体がほとんどですが、この40cmもの大きな個体の出現には驚いたものです。腹鰭は淡い赤で、からだにはまだうっすらと横縞があったのでこの魚だと考えます。背鰭が黒く縞模様のはっきりしたわずか1cmの個体は岸壁を非常にゆっくりと移動していました。口が大きいのもこの仲間の特徴的です。河口域から沿岸にかけて見られますが、大きな個体は生活の場を水深100mにまで広げています。南日本から西部太平洋、インド洋までと広い分布域を持ちます。(H.Tanaka)

クロホシフエダイ

kurohosihuedai.jpg標準和名:クロホシフエダイ
学名:Lutjanus russellii (Bleeker,1849 )
属:スズキ目フエダイ科フエダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:15Cm

特徴など:
55cmになります。からだの後半に丸くて黒い斑点があります。若いうちには目の周りから伸びてくる放射状の目立つ縦に走る縞を4本持っています。口に入る小動物なら何でも食べてしまうどう猛な魚です。
サンマリーナではかなり多い魚で、大きな個体ほど銀白色の魚に見えます。食用になります。
よく似たニセクロホシフエダイはからだのスジが放射状に伸びていないので区別されます。分布は南日本から西部太平洋、インド洋にまで広がっています。(H.Tanaka)
kurohosihuedai23.jpg
撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年5月
写真の魚のサイズ23Cm

オキフエダイ

okihuedai.jpg
標準和名:オキフエダイ
学名:Lutjanus fulvus (Forster,1801 )
属:スズキ目フエダイ科フエダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年8月
写真の魚のサイズ:8Cm

特徴など:
45cmになります。尾が黒く、若いうちはからだに黄色いスジが目立ちます。稚魚や未成魚は河口に多く、小魚やタコなど何でも食べるハンターです。サン・マリーナでは割合普通に見る事ができます。
よほど注意しないと発見できない1cmほどの小さな個体を見た時、最初はこの魚だとは思いませんでしたが、途中段階の異なる個体を見ているうちに本種ではないかと気がついたのです。背鰭の上の部分が黒くなっているのは成長してからも同じです。南日本から琉球列島、太平洋・インド洋と広く分布しています。(H.Tanaka)

タカベ

takabe.jpg
標準和名:タカベ
学名:Labracoglossa argentiventris Peters,1866
属:スズキ目タカベ科タカベ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:10~12Cm

特徴など:
25cmになります。ここでは海面近くを数尾~20尾ほどの集団でスイスイと泳ぎ回っています。
とても泳ぎが速いので撮影は難しい魚ですが、春から秋にかけて、大体いつ行っても見られる普通種のようです。
からだは青くて背中には綺麗な黄色のスジが入り、尾も黄色いので目立ちます。特に太陽光線の下では青と黄のコントラストが美しい種類です。
脂肪が多く美味しい魚だと言う人もいます。本州から九州の太平洋側にしかいない魚です。
よく似たタカサゴ(タカサゴ科、Pterocaesio diagramma)は背中に黄色いスジが多いことと、尾ヒレの上下の先端に黒い斑点が付くことでタカベと区別できます。(H.Tanaka)

オニカマス

onikamasu.jpg
標準和名:オニカマス
学名:Sphyraena barracuda (Walbaum,1792 )
属:スズキ目カマス科カマス属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:30Cm

特徴など:
160cmを越します。右の2cmほどの幼魚は海面近くで見ましたが、縞模様がはっきりしているのでオニカマス(バラクーダ)と判断しました。一直線に獲物に突進するので、ダイヴァーにはサメよりも恐れられているそうです。東太平洋を除く全ての海に広く分布します。左の個体はやはり海面近くで泳いでいたもので、その判定は'WEB魚図鑑'でして頂きました。(H.Tanaka)

アリアケトビウオ(?)

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標準和名:アリアケトビウオ(?)※未同定
学名:Cypselurus starksi Abe,1953
属:ダツ目トビウオ科ハマトビウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:約2~3Cm

特徴など:
黒い個体は鰭も黒かったのでアリアケトビウオ?としましたが、日本魚類学界の瀬能宏博士に問い合わせても断定はされませんでした。若いうちは鑑定が非常に困難なのだそうです。ここで見たものは5個体で、うち茶色の個体はツクシトビウオかも知れませんが、これもよく分かりません。
彼らはほぼ一直線に海面をスイスイと泳ぎ、時々スピードを落としてはまた先を急ぎ、常に行動を共にしていました。時々30~50cmの間隔で2~3m先まで海面を飛んでいるのを見ています。こんなに小さい頃からおとなの真似をしているのだと感心させられました。この光景は台風が上陸した翌日の出来事です。多分強風に飛ばされた?のでしょうが、5尾一緒に泳いでいたのは不思議です。あるいは、まさかとは思いますが風雨を避けるために一緒に湾内に入ってきたのでしょうか。たった一度、しかも数分間しか見ていませんが、この5尾は片時も離れようとしませんでした。成長したトビウオはいずれも30cmを越しますが、こんな赤ちゃんトビウオにもおとなとほぼ同じ姿で生き抜くたくましさが備わっていたのです。全世界の熱帯から温帯の海に棲んでいます。(H.Tanaka)

ベニカエルアンコウ(?)

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標準和名:ベニカエルアンコウ(?)※未同定
学名:Antennarius nummifer (Cuvier,1817 )
属:アンコウ目カエルアンコウ科カエルアンコウ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:
写真の魚のサイズ:約8Cm

特徴など:
(宮崎サン・マリーナで)真っ赤な魚を発見した時には驚きました。この仲間は実際に様々な色彩を持った種類が多く、どれも似ているので正確な判断は避けています。
ほんの少し岸壁から離れる事もありますが、からだを横にしたまま岸壁を這いながら歩いていたところを写真に収めました。2日間観察しています。小魚を狙って移動するのですが、時々背中が海面から出ていました。

ベニカエルアンコウは9cmになるハンターで、この仲間はすべて頭にあるエスカという道具を使って他の魚を引き寄せ、大きな口で丸呑みします。南日本から太平洋・インド洋、そして遠く離れた大西洋の東部にもいる種類です(H.Tanaka)

ハナオコゼ

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標準和名:ハナオコゼ
学名:Histrio histrio (Linnaeus,1758 )
属:アンコウ目カエルアンコウ科ハナオコゼ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:約12Cm

特徴など:
最大で14cmと言われますが、実際には沖縄で20cmほどの個体が採集されているそうです。流れ藻についている事が多く、一種の擬態を演じて自分を目立たなくしています。直接計測したわけではないのですが、明らかに17cmを越す個体を見ました。
それは桟橋と船をつなぐ太いロープの上でゆっくり動いていたのです。そのロープは一面緑の藻に覆われています。時々海面から背中が出ていました。黄色い個体が多いのですが黒いものも見られます。その黒い個体は桟橋からこちらの岸壁まで泳いで来ました。決して速くはないけれど海面のすぐ下で泳げる事を初めて知りました。
頭についたヒラヒラのリボンを動かして他の魚を誘い、一気に丸呑みする能力があります。時には自分と同じ位の大きさの魚を飲み込みます。全世界に分布しますが中部及び東部太平洋からは見つかっていないそうです。(H.Tanaka)

オオスジイシモチ

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標準和名:オオスジイシモチ
学名:Apogon doederleini Jordan and Snyder,1901
属:スズキ目テンジクダイ科テンジクダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
千葉県以南に生息する比較的に多い種のようだが、縦縞模様がはっきりしていて尾丙部の黒色斑が尾鰭に掛からないことでコスジイシモチと区別できるようだ。

大きさは成魚で約11Cm。

アカハタ

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標準和名:アカハタ
学名:Epinephelus fasciatus (Forsskål,1775 )
属:スズキ目ハタ科マハタ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚は若魚で、宮崎で釣れた魚でもない。ないのだが、宮崎にこの魚は居るので紹介しておこうと思う。
初夏のフエダイ(シブダイ)釣りで、外道として釣れる夜の魚だ。

大きさは成魚で30Cm程度のようだが、成魚ならそれなりの風格だ。写真の魚はちょっと眼が飛び出していて品祖な感じでもある。

知人が釣って食べたときの話だが、フエダイより美味いと感じたそうだ。情報では、味評価としてはまあまあと言う程度だった。時期もあるのだろうか?
基本的にはハタ科の魚は全般、美味しいものが揃っている。

クロホシイシモチ

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標準和名:クロホシイシモチ
学名:Apogon notatus (Houttuyn,1782 )
属:スズキ目テンジクダイ科テンジクダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
本州中部以南に生息している。ネンブツダイに良く似ているが、体側に縦帯がなく頭頂部に1対の黒点がある。これが名の由来だろう。

6月ほどだろうか。子アジ狙いのサビキ道具を準備して、釣れた魚をその場で揚げて食べるという企画があった。
ところが期待していた子アジはほとんど釣れず、代わりにこの魚が何匹か釣れた。

もちろん子アジのほうが美味かったけど、この魚も特に問題なく食べることができた。味付け次第では充分な食材となりえるのかもしれない。

私が行く釣り場だと、ネンブツダイよりこの魚のほうを良く見かける。

ギンイソイワシ

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標準和名:ギンイソイワシ
学名:Hypoatherina tsurugae (Jordan and Starks,1901 )
属:トウゴロウイワシ目トウゴロウイワシ科ギンイソイワシ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真でみて、トウゴロウイワシとどう違うか判らないぐらいだと思うが、肛門部の位置が違う。
この魚はその部分のアップ写真も写しており、それを持ってWEB魚図鑑上でギンイソイワシと断定して頂いた。

トウゴロウイワシの際に書いたが、この両魚は、群がっていたらとにかく釣りの邪魔者で、どっちでもいいからあっち行って!と叫びたくなるような群れだ。

ちなみに肛門が腹鰭の長さの途中にあるのがトウゴロウイワシ、腹鰭より後方に肛門があるのがギンイソイワシだ。

クサビハゼ

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標準和名:クサビハゼ
学名:Bathygobius cotticeps (Steindachner,1880 )
属:スズキ目ハゼ科クモハゼ属
宮崎地方名:?

特徴など:
結構何処にでも居るような魚なのに以外と情報が少ない。
何気なくタイトプールで魚採取していて、何気なく写真を写して調べてみたら魚名がまったく判らない。しかたなくWEB魚図鑑にて同定依頼して、研究者の方の手もお借りした結果このクサビハゼなる魚名にいきついた。2420種の魚が収録されている山渓発刊「日本の海水魚」でも、この魚の名は見当たらない。

写真の魚は小さくて6Cmぐらいだから、普段は気にもされない魚かもしれない。

ハゼの仲間は種類が多くて複雑なのだ。

ホシギンポ

010662.jpg
標準和名:ホシギンポ
学名:Entomacrodus stellifer stellifer (Jordan and Snyder,1902 )
属:スズキ目イソギンポ科スジギンポ属
宮崎地方名:?

特徴など:
体に細かい白斑点が一面にあるのが特徴のイソギンポ科の魚だ。
この魚もタイトプールで捕まえた。波当たりの強い岩礁性海岸に生息するようだが、まさにそのような場所だ。大きさは12Cm程度と図鑑にあるが、写真の魚もその程度。

三浦半島以南の南日本、マリアナ諸島に分布しているようだ。普通に見ることができるよう。

ナンヨウツバメウオ

009307.jpg
標準和名:
ナンヨウツバメウオ

学名:
Platax orbicularis
(Forsskål,1775 )

属:
スズキ目
マンジュウダイ科
ツベメウオ属

宮崎地方名:?

特徴など:
ちょっとこの魚の画像表示は、スペースが勿体ないのでこのような形にした。

この魚は45Cmほどになるようだが、写真の魚は10Cmにも満たない幼魚だ。
この魚を見つけたのは南郷町大島の防波堤で、木の葉がふわふわと浮いている感じだったが、良く見たら魚。
これは写さねばとタモ網を取り出して、掬ってみたが簡単だった。逃げる様子もなし。多分泳ぐ速度も遅そうだ。

成魚は琉球列島だけに生息しているようで、宮崎で見かけるのは写真のような幼魚だけらしいので、成魚らしき魚を見つけたら常識が覆されると言うわけだ。

この幼魚は観賞用として喜ばれる魚だそうだ。

オキザヨリ

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標準和名:オキザヨリ
学名:Tylosurus crocodilus crocodilus (Péron and Lesueur,1821 )
属:ダツ目ダツ科テンジクダツ属
宮崎地方名:?

特徴など:
身体的な特徴として、隆起線が、はっきりある。臀鰭起部は背鰭起部のほぼ下。前鰓蓋後端に横帯があるなどの特徴から容易にダツ科の中では区別できる。また尾鰭の中心部が膨らんでいて二重湾入でもある。

オキザヨリも他のダツ科の魚同様に骨が青いそうだ。しかし刺身だったら美味しいという情報もある。

釣ったイメージとしては、他のダツ科の魚より獰猛な印象だ。あくまでもイメージ。

ダツ

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標準和名:ダツ
学名:Strongylura anastomella (Valenciennes,1846 )
属:ダツ目ダツ科ダツ属
宮崎地方名:?

特徴など:
約1mほどになる。ハマダツの若魚との区別は悩むところだが尾柄の隆起線がないから、ハマダツかダツで、暗黒横帯があるような無いような、(薄っすらと見える感じ)の60Cmほどの魚。
WEB魚図鑑では「ハマダツは幼魚では背鰭の後部が高くなり黒色素胞が密にちらばる。」と解説されていて、が、これが無いので私的結論はダツかな?と思っていて一応同定して頂いてダツとして紹介する。

骨が青緑で気持ち悪い。食べられない事はないが、この骨を見ただけで私が食欲が失せてしまった。大型のダツ科の魚はだいたいそんな印象だ。

ハマダツ

009277.jpg
標準和名:ハマダツ
学名:Ablennes hians (Valenciennes,1846 )
属:ダツ目ダツ科ハマダツ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ハマダツは沖磯など、ちょっと潮通しのよい岸に近い場所で釣れ、ダツの仲間としては大型になる魚だ。
特徴は体の中心部から尾鰭手前まで、薄っすらと横帯が見えるが14本なんだとか。だけど不鮮明。
背鰭と尾鰭は暗青色。胸鰭と腹鰭は白色で臀鰭前部は暗青色。

写真の魚は私自身ではきちんと同定できずWEB魚図鑑に頼った。「隆起線がしっかりせず、臀鰭起部が前にあり、体側の斑紋から、ハマダツでいいと思われる」と言う返事だった。

カエルウオ

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標準和名:カエルウオ
学名:Istiblennius enosimae (Jordan and Snyder,1902 )
属:スズキ目イソギンポ科カエルウオ属
宮崎地方名:?

特徴など:
タイトプールで捕まえた魚だが、直感的にこれがカエルウオか?って閃く魚だった。
とにかく撮影しようとしてもすばしっこくピョンピョン飛び跳ねるのだ。まっすぐにもならず、写真のように体が仰け反ったようにしか写せない。

大きさは15Cmほどになるようだが、写真の魚は12Cm。
釣りでは難しいけど、タイトプールで普通に見られる種のようだ。

アカエソ

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標準和名:アカエソ
学名:Synodus ulae Schultz,1953
属:ヒメ目エソ科アカエソ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は見る回数は少ないものの普通にいるのではないかと思う。
写真の魚は南郷町大島で釣ったもので、体長は31Cm。図鑑記載のサイズが33Cmとのことだからほぼ成魚だ。

近似種にミナミアカエソがあるが、背鰭軟条が13~14本でアカエソ。10~13でミナミなんだそうだ。その名の通りミナミアカエソは琉球半島からインド・太平洋域にいるそうで、本土では少ないのかもしれない。

マエソ

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標準和名:マエソ
学名:Saurida sp.2
属:ヒメ目エソ科マエソ属
宮崎地方名:?

特徴など:
オキエソほど体表面の色合いもカラフルでもなく、ちょっと大人しい感じなので始めてきたときは不気味な感じも受けなかった。
だけどエソはやはり獰猛な印象。

この魚は日向工業港の先で釣れたものだが、随分昔の話だけど、チリメン漁を営む知人から、バケツいっぱいのこの魚を頂いた事がある。
チリメン(カタクチイワシ幼魚)漁の際に、この魚が追いかけてくるようで相当獲れるそうだ。

その魚は結局実家にて処分してもらったが、私の目論見としてはすり身団子で食べたら美味しいだろうと思っていた。(時間が許さず実現できず)
実際食味としては評価が高く、すり身を天ぷらとかハンペンにしたら美味しいと言う意見がかなり出回っている。

マエソにはSaurida undosquamis という学名があったが、尾鰭上縁に暗色点列をもっているのが特徴であるのに対し、日本のマエソはそれが無くて別種と言う扱いになったようだ。
つまり、マゴチと一緒で標準和名はあるけど、きちんとした学名がないという魚だ。

まだ研究のしがいがある魚だとも言える。

ヘラヤガラ

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標準和名:ヘラヤガラ
学名:Aulostomus chinensis (Linnaeus,1766 )
属:トゲウオ目ヘラヤガラ科ヘラヤガラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
南郷町大島の防波堤で、釣りをしていると、だんだん足元に小魚が撒餌につられて集まりだし、その後この魚が姿を見せる。釣りたいと思っていたけど簡単ではない。

いつも姿を見せるのに、釣るのは諦めていたある日、イカを狙うために、その辺に泳いでいたトウゴロウイワシを捕まえて、それを餌にしていたら釣れた。

私はヤガラは「アカ」と「アオ」ぐらいの認識しかなく、この魚は「アオ」なんだと信じていたが、自宅で調べたら「ヘラヤガラ・・・?」

写真では判りにくいが大きさは70Cmほどある。1mほどにはなる魚だそうだ。

この魚を水中図鑑などで見たら実にその生息地により体表の色が変わっている。変幻自在と言う感じだ。また他の魚に寄り添って泳ぐ行動も知られているそうだ。不思議な行動だ。

世界中にいるこの仲間は1属4種で、日本に居るのはこのヘラヤガラのみ。

身は渋みがあり、食用にはされないそうだ。

イヌカサゴ

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標準和名:イヌカサゴ
学名:Scorpaenopsis ramaraoi Randall and Eschmeyer,2002
属:カサゴ目フサカサゴ科オニカサゴ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は山渓「日本の海水魚」に記載されていない。
学名を見てのとおり、ランドール博士らによって2002年にできたばかりなのだ。和名が提唱されたのが2004年だから、実に4年前に名が付いたばかりの出来立ての魚だ。
この魚はWEB魚図鑑にて同定していただいた。

ではそれまで何だったのかと言うと、オニカサゴだ。

眼隔域は浅く、体側面から見て目の上方の約4分の1が頭部の輪郭から突出するのがオニカサゴでこれは、写真では判りずらい。
上顎前部に、涙骨隆起が突出するが触らないと判りにくい。
では写真で判断するなら、黒、あるいは茶色っぽい体色で、体側に黒い小黒点が散在していない個体はオニカサゴ似の魚はイヌカサゴであることがほとんど、なんだそうだ。

以外と防波堤の足元に居るし、最近流行のロックフィッシュゲームでも対象魚となりそうだが、きちんと調べたら、もっと面白い結果になるのかもしれない。

ツマジロモンガラ

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標準和名:ツマジロモンガラ
学名:Sufflamen chrysopterum (Bloch and Schneider,1801 )
属:フグ目モンガラカワハギ科メガネハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚はメガネハギと良く似ている、
サンゴ礁では最もよく見られるモンガラカワハギ科の魚のようだが、私の経験ではメガネハギが20匹釣れる中で1匹ぐらいの割合だ。というか釣れて区別できてなかったかもしれない。

名前の通り、尾鰭後端が白く見分けることができるが、写真では白いボードの上で撮影しているためにそこが判りにくい。

繁殖期にすり鉢型の巣をつくり、卵が孵化するまで親が保護するそうだが、その行動もメガネハギと似ている。
幼魚のうちは、体中心部から下の部分が白っぽい。これまたメガネハギも同様で、尾鰭を見ないと区別がつかないと思われるが、かなり近い種であることには違いないと思う。

テリエビス

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標準和名:テリエビス
学名:Sargocentron ittodai (Jordan and Fowler,1903 )
属:キンメダイ目イットウダイ科イットウダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
イットウダイ科の魚は「アカマツカサ属」と「イットウダイ属」が魚種が多い。
沖のちょっと深場に生息していて、赤い色で、夜釣れる魚だというイメージがある。昼間見たことがない。初夏のイサキ狙いの夜釣りで釣れるがナミマツカサとセットで釣れるイメージもある。
ほとんど同じ場所で、同じような生態系なんだと思う。

テリエビスは背鰭棘条部鰭膜前部に1黒色斑があることで区別できるそうだ。写真ではちょっと確認できないが、WEB魚図鑑上でとりあえずテリエビスとして同定してもらったものだ。だけどちょっと微妙。

ヤミハタ

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標準和名:ヤミハタ
学名:Cephalopholis boenak (Bloch,1790 )
属:スズキ目ハタ科ユカタハタ属
宮崎地方名:?

特徴など:
大きくても20Cmほどの小型のハタ科の魚だ。
マハタやクエの幼魚のような風貌を持ち合わせているが、期待はずれのハタだ。

宮崎市内海地区の防波堤で釣れた。外洋向きではなく内側で釣っていて釣れたが、ちょっと興奮した。その分調べて正体がわかりがっかり。

サンゴ礁域の浅所に溜まっているそうで、場所によってはこの魚ばかりが釣れるらしい。南の離島の話だ。
宮崎ではそれほど見かける魚でもないと思われる。

ウツボ

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標準和名:ウツボ
学名:Gymnothorax kidako (Temminck and Schlegel,1847 )
属:ウナギ目ウツボ科ウツボ属
宮崎地方名:?

特徴など:
磯場で最もよく見かけるのが「ウツボ」だ。ウツボの仲間は数あれど、やはりこの魚が代表格。
ただ琉球半島にはいないらしい。
ウナギ目は体は前後に細長い円筒形で、腹鰭が退化し、背鰭・尾鰭・尻鰭が一繋がりになっている。そしてウツボ類は胸鰭も退化している。
毒はないが歯は鋭く顎の力も強いので、咬みつかれると深い傷を負うことになる。扱いには注意が必要だ。
釣れてしまうとハリスにぐるぐると巻きついて気味悪い。糸を切ってリリースするのが良いが写真を写すなら氷水に漬けると弱まるので、シャッターチャンスを作れることを最近知った。
まだ試せていない。

この魚もかなり美味しいそうだ。

ウルメイワシ

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標準和名:ウルメイワシ
学名:Etrumeus teres (De Kay,1842 )
属:ニシン目ニシン科ウルメイワシ属
宮崎地方名:?

特徴など:
25Cmほどになる世界中の暖海に生息する魚だ。
宮崎だと25Cm前後が普通にいるが、もっと大きなものも見かける。本州だともう少し小型のよう。

味の評価はとても良いが、宮崎だと「メザシ」の材料としても使われている。(全国的にそうかな?)
新鮮なら刺身でもかなり美味しいそうだ。

目に脂瞼という透明な皮膜があり、潤んだような目をしていているのでウルメイワシという名がついたようだ。

宮崎市周辺の防波堤で普通にサビキ釣りなどで釣れる。
鱗がはがれやすいし弱い魚なので、釣れたらリリースはせず持ち帰えりたい。この魚を餌に大物狙いをしたことがあるが、身が崩れやすくて投げている途中で外れる経験をした。糸で括るなどの工夫が必要だ。

ホタテウミヘビ

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umuhebi1.jpg
標準和名:ホタテウミヘビ
学名:Pisodonophis zophistius Jordan and Snyder,1901
属:ウナギ目ウミヘビ科ホタテウミヘビ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ウミヘビと聞くだけで気味悪いが、長物で海面の表層などをゆらゆらと泳いでいるウミヘビって実は爬虫類もあり、魚類のウミヘビとは違う生き物なのだ。
逆にこの「ホタテウミヘビ」などは、魚類なのに見た目で蛇「へび」を称号され、何とも可愛そうな部類だ。ウナギ目なのに、ウナギやアナゴとは扱われ方がまったく違う。

魚類だと思うとちょっと怖さも薄れるが、胸鰭・背鰭があるので爬虫類ウミヘビとは区別ができる。

この魚は随分河口から1Kmほども入った河川で釣れた。(一ツ瀬川)
まだ汽水域ではあるが、内湾・汽水域の魚だと思われる。写真を写した後はリリースしたが、見た目は気味悪いというより、ウナギ似で食べてみたい欲にかられた。だけどわずかに危険な香りもして、逃がしてしまった。

食味情報も極端に少ない。
ウナギ・アナゴ・ウツボの食味を考えると不味くはないのではないか?いやきっと美味いはず。だと思ったけどハモと同様に小骨が多いので料理次第で食べられるという記事は見つけたが、微妙な言い回しだ。

テングハギ

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標準和名:テングハギ
学名:Naso unicornis (Forsskål,1775 )
属:スズキ目ニザダイ科テングハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎ではそんなに釣れる魚ではないと思われるし、私も実は見たこともなく、写真の魚は知人のANさんが、南郷町大島で釣ったものを、珍しいからとEメールにて画像を送って頂いたものだ。

以前、宮崎の地方新聞「宮崎日日新聞」にて、この魚が釣れて騒ぎとなった記載も見たことがある。それほど珍しいと思う。絶対数が少ないのかな?
何せその名の通り、眼の間から突き出した角が珍しい。

大きさは60Cmほどまで成長するようで、写真の魚も相当大きく50Cm前後だとのこと。

この魚の情報は少ないけど、食べたら絶品だったという記事も見た。でも一方でニザダイなどのような磯臭さがあるという紹介もあった。
つまり、時期や食べ方次第で食味が変わる魚なのかもしれない。沖縄では普通に食用とされるようだ。

タナバタウオ

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標準和名:タナバタウオ
学名:Plesiops coeruleolineatus Rüppell,1835
属:スズキ目タナバタウオ科タナバタウオ属
宮崎地方名:?

特徴など:
図鑑に記載してあるサイズも7Cmと、とても小さい魚だ。磯の外道でもあるが、よっぽどハリが小さい仕掛でなければ釣れる事もないだろう。タイトプールなどでも見かける魚だ。

雄は婚姻色として頬の部分が黄色くなるよう。

名前の由来を調べてみたが、タナバタウオだけに「七夕」と何か関連があるのかと思いきや、「海遊館」のサイトでちょっと記載があったけどほとんど判ってないそうだ。
見た目にも七夕との関連は感じられない。基本的にグレーベース色で、どちらかと言えばシーラカンスのお子様ようなイメージ(シーラカンスの幼魚を知っているわけではないけど)

ときにこのような小さい魚が釣れても、魚名を調べる目的があれば釣りが余計に楽しくなる。

マサバ

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標準和名:マサバ
学名:Scomber japonicus Houttuyn,1782
属:スズキ目サバ科サバ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚が「マサバ」なのか、はたまた「ゴマサバ」なのか正直判らない。とにかくまだ幼魚だ。
成魚の写真は釣魚として写したことはなく、宮崎産サバとしてストアーなどで出回っているものの、その写真だけはやめとこうと思う。市場で仕入れた魚の写真ならいいだろうけど、ストアーでの産地というのは信憑性がない。

マサバは大分で何度も釣っているが、ブランドとして確立されている「関サバ・関アジ」のサバもマサバだ。
冬時期の大分のマサバだと、刺身にしてもとても味が良く、またマサバが持つアニサキスという回虫もほとんど居ないとして生食される。

宮崎だと、マサバは重宝されてない。
その理由だが、基本的に漁業で安定的に捕獲されてないからだ。
私の経験では、2002年の秋ぐらいまでマサバは宮崎から消えていた。時々ゴマサバは釣れたと聞いていたが、マサバ情報はまったくなかった。
だけど2002年の冬から2003年に向けて、異常なほどにこの幼魚が沖でも磯場でも沸いた。
この軍団は餌取りとしては最悪で、表層から底まで居ついているし、どんな餌でも喰らい付いてくるので釣りにならない。

もちろん、ずっと前は普通に獲れていた魚で、その価値も低かったけど、漁獲量が減って高級食材に変わりつつある。また海外から「モドキ」の魚が入ってきて、その代わりに余計に値が上がっていたけど最近は微妙な状態だ。

きちんと成魚を写して写真を差し替えたいと思うが、とりあえず宮崎に居る(釣れる)魚として案内しておきたいと思う。

ホシササノハベラ

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標準和名:ホシササノハベラ
学名:Pseudolabrus sieboldi Mabuchi and Nakabo,1997
属:スズキ目ベラ科ササノハベラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚が話題になるのは、もともと、アカササノハベラと混同されていて、学名の後ろに表記してあるが京都大学の中坊博士らが1997年にきちんと分離されて学名を登録されるまでは一緒の魚として扱われていたのだ。今(2008年)からわずか10年ちょっと前の話。

この魚は宮崎では少ないと思っていた。
主に釣れるのはアカササノハベラで、これは西日本の磯場では普通にもっとも見られるが、ホシササノハはほとんど見ない。どちらかと言えば内湾傾向のようだ。
写真の魚が釣れたのは、日向工業港からちょっと出た内海で、キス釣りの外道として釣れた。
それなりに認識があったので写真に残したけど、18Cm程度。
図鑑での紹介サイズは22Cmとある。

眼の下を通る暗色帯が胸鰭基底の上端にとどかないということと、体に多くの白斑点があることで区別ができる。

アカ・ホシいずれも味はよいものの、リリースされてしまう可愛そうな魚だ。リリースされるのは魚にとっては良いことか。

クロアナゴ

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標準和名:クロアナゴ
学名:Conger japonicus Bleeker,1879
属:ウナギ目アナゴ科クロアナゴ属
宮崎地方名:?

特徴など:
釣り魚としては、東京湾などで巨大なクロアナゴをターゲットで狙われるテレビ番組を見たことがあるが、その大きさは1~1.5mと相当だし胴回りの太さも随分だ。
しかしそこまで成長するのは地域的なもので、一般的には1m前後なのかなと思う。

私はこの魚を宮崎では釣った事がない。
写真の魚は鹿児島県の佐多岬にて、フエダイ狙いの磯夜釣りで釣ったもので、宮崎に居ないのなら登録はやめておこうと思ったが、門川の「海猿」さんが「WEB魚図鑑」上に写真を残されていたので、宮崎にも居る種であると判断し紹介することにした。

さて写真の魚だが、持ち帰って蒲焼風に調理して食べた。
炭で焼いて、醤油タレで、焼きあがった後はとても香ばしかったのだが、口にして「うっ・・」って印象。小骨は多いし、身は独特の不味さ。がっかりで2度と持ち帰らないと誓ったけど、これは料理の仕方次第かもしれない。

スギ

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標準和名:スギ
学名:Rachycentron canadum (Linnaeus,1766 )
属:スズキ目スギ科スギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は沖で表層を泳ぎまわっているそうだ。普段釣りの場合は、特に沖であれば底から何メートルなどと棚取りして釣るから表層は狙わない。
つまりあんまり釣れない魚だ。

スギ科の魚はこのスギが1種だ。他に近い種がいないということだ。写真でも、なんとなくコバンザメに似ていることがご理解頂けると思うが実際に近縁と言われているそうだ。
大きさは1.5mほどにもなり、そこぐらいの大きさだと写真のような白線の縦縞模様は消える。

大分県にある水族館「うみたまご」でこの魚の成魚を見ることができる。
その巨体はなかなかの迫力だ。

ある日、宮崎市堀切峠という場所の下の地磯で釣りをしていた折り、目の前で1mは優に超すであろうという魚がジャンプした。一瞬だったがサメやイルカではない。
またその付近はヒラスズキも多いのだが、サイズが一回り大きいし、やはり違う気がした。
今考えると、このスギがもっとも近いと感じる。割りと近くに潜んでいる大物なんだと思う。

名の由来だが 杉の木のようにまっすぐに伸びたスリムな体型が由来だという記事を見つけた。
変な名だと思っていたけど、そのものなんだ。

オキエソ

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標準和名:オキエソ
学名:Trachinocephalus myops (Schneider,1801 )
属:ヒメ目エソ科オキエソ属
宮崎地方名:?

特徴など:
エソを初めて見たときは恐怖を感じた。そのグロテスクな顔立ちはエイリアンを思い出した。
エソって言葉が壊疽(エソ)にも結びつくし、とにかくこの魚が食べられるもんかという印象だった。

釣ってきたのは親父で、人に聞いたら食べられると言われ持ち帰ってきたのだそうだ。さばいてフライか何かで食べたと思うけど、私は箸が出なかった。

それから10年以上・・・
門川のキス釣りの際にこの魚が喰らいついてきた。体半分ほどのキスを丸呑みして、姿が見えても離そうはせず、余計に飲み込もうとする獰猛さだ。

40Cmほどに成長するそうだ。味の評価としては微妙な意見が多いが身が多く取れるため練物の材料にされるそうだ。

イシガキフグ

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標準和名:イシガキフグ
学名:Chilomycterus reticulatus (Linnaeus,1758 )
属:フグ目ハリセンボン科イシガキフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
体全体に針があるが短く、目・口ともにかなり大きい魚。
写真の魚は48Cmだが、70~80Cmほどには成長するとの事。
この魚、一度放流しても何度でも喰らい付いてくる。だからリリースするときは釣り場から離れた場所を選ぶ必要がある。
群れでは居ないようで釣れても単独。

以前、イシダイ狙いの仕掛で上げられた所を見たことがあるが、口が大きいのでかなり大きな餌も一飲みするだろう。
よく釣り人が、イシダイ釣りの仕掛やカゴ釣りで、鉛やカゴがグニャッと曲げられ、「イシダイに遣られた!」と口にするが、実はこの魚だとも聞く。随分噛む力が強いので、指など口に突っ込まないよう注意が必要だ。死んでいても危険と聞いた事がある。

ハリセンボンと比べて短い体に巻きついている針は立てて威嚇したりできないそうだ。

沖縄ではハリセンボン科の魚をアバサーと呼び、「アバサー汁」は高級料理として有名なよう。
情報では皮を剥いだ身を、姿のまま(内臓は肝臓だけ残し)味噌煮するようだが、肝から出る油が良い風味を出す。
普段はリリースするけど1度食べてみた。美味しかったが、他の魚に比べ処理がしにくく、また眼が大きくて愛らしい顔を見たら、ちょっと罪悪感も感じた。

ボラ

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標準和名:ボラ
学名:Mugil cephalus cephalus Linnaeus,1758
属:ボラ目ボラ科ボラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この記事を書くにあたり、初めて知った事実だが、ボラってスズキ目ではなくボラ目なんだ。(衝撃)そして更に調べてみたら、ボラ目に属する科はボラ科のみ。なぜそうなのかはよく判らない。
図鑑にはスズキ系魚類の中の原始的1派生群とある。これまたよく判らない。

冬の磯釣りだと、特に波の穏やかな日にそんな傾向があると思うけど、とにかくボラ・ボラ・ボラ・・
右も左も前も後ろもボラ・・・という時がある。
こんなときは釣りにはならないけど、その地帯がすべてボラ。

冬の時期なら1匹でも釣れてくれればそれなりの食材だけど、夏の防波堤なら逃がす。食べられるもんじゃない。とにかく匂いがきつい。
この魚は味に個体差があると思う。
生息地・環境で身に蓄えるものが違うのだろう。とにかく釣れたら体表の匂いを嗅いでみるといい。あまり匂わなければ、まあ食べられる。
更には、冬の磯場で、眼に白い膜があるような個体なら絶対持ち帰るべきだ。これは刺身でも絶品だ。何度か試したけど外れはない。

大きくなるにつれ呼び名が変わる「出世魚」でもあるが、その呼び名は地域によって変わる。
ハク→オボコ→イナッコ→イナ→ボラ→トド(約80Cm程度)が割りと一般的と聞いたけど、そんなに宮崎では分けてないと思う。私が子供の頃に聞いた20Cmほどのサイズの魚は、親父は「ツクラ」と呼んでいたので私もそう呼んでいる。小さいのはツクラで大きくなればボラ。トドも呼ばれているのを聞いたことはない。

ボラを見て、この魚に種類があると意識した事はないが、結構メナダも多いよう。
ボラと見分けるには、胸鰭基底上半部に青色斑を持つのでそこを見たら区別可能。青くなかったら写真を残して調べる価値もあると思う。

ゴンズイ

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標準和名:ゴンズイ
学名:Plotosus lineatus (Thunberg,1787 )
属:ナマズ目ゴンズイ科ゴンズイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
背鰭に1本、胸鰭に1本ずつ、計3本の大きな棘があり、この棘には毒腺がある。刺されると非常に痛む。また体表粘液にも毒がある。体質によって死に至るほどの毒なんだそうだ。(要注意)

ナマズ目魚類はほとんど淡水魚で、また日本ではハマギギ科のハマギギと、このゴンズイの2種のみが海産種とのこと。ハマギギという魚は見たこともないが、このゴンズイは馴染み深い魚だ。
春先から夏に向けて防波堤で夕刻になると釣れだすイメージの魚だが、テトラの奥で群がっていることもある。とくに幼魚のうちは数十匹の群れが団子状態で動き回り、ゴンズイ玉と呼ばれているが水中を眺めていると楽しい。

釣れても触りたくないが、実はとても美味しい魚なんだそうだ。
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ゴンズイの群れの様子

ヒイラギ

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標準和名:ヒイラギ
学名:Leiognathus nuchalis (Temminck and Schlegel,1845 )
属:スズキ目ヒイラギ科ヒイラギ属
宮崎地方名:モチエバ

特徴など:
釣り上げて触ると体表にヌメリ(粘液)があり嫌われるが、食べては小アジ以上に美味しく料理次第。キス狙いのゴカイ餌などに反応するようで、口先がストローのように伸びる形状から、底に生息する小動物を捕食するものと思われる。

唐揚や煮付けで美味しい魚だが、サイズも10Cm程度が多く、表面に粘りがあるので、ビニール袋などで分けておき、塩を入れてヌメリ取りをする必要がある。

河口でよく釣れるし、河川の汽水域まで生息している。よく見かける魚の1つだ。

チョウチョウウオ

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標準和名:チョウチョウウオ
学名:Chaetodon auripes Jordan and Snyder,1901
属:スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
宮崎地方名:?

特徴など:
餌取りの代表格で、海水の観賞魚としてもポピュラーなチョウチョウウオだが、撒餌を打って魚影が見えると、どんなカラフル魚もチョウチョウウオと決め付けて言われるような傾向があるようだ。

だけど本主は写真の魚で、釣り開始約3年で釣り上げたのは1匹のみ。餌取りがかなり上手だ。
釣れて嬉しい魚ではないけど、見た目はかなり綺麗。

テトラ周辺では一般的に見られる魚だが、同類多種も多く、また南に行くほど種類が増えるよう。
専門には狙わないがテトラのフカセやサビキ釣りでたまに針掛かりする。

チョウチョウウオの仲間の特徴は、眼を通る黒帯と背鰭の後部に眼点があり、成長するとともに後部の眼点は消えていくそうだ。本来の眼の位置を隠す効果があると考えられているとのこと。

このチョウチョウウオとシラコダイが、最も北方に適応している。普通に見られるが繁殖生態は知られていないそうだ。

マハゼ

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標準和名:マハゼ
学名:Acanthogobius flavimanus (Temminck and Schlegel,1845 )
属:スズキ目ハゼ科マハゼ属
宮崎地方名:?

特徴など:
私がマハゼを初めて釣ったのは2001年9月。狙ったことが無かったので、それ以前にジギングや磯釣りしているのに、マハゼを釣ったことも見たこともないのが自慢でもあった。
(たいていの人は子供の頃にそこそこに釣ってるようなので)

初めての釣りは河口の橋下で、ゴカイを餌にちょっと引きずるとカパッと喰ってきてそれはそれは楽しい釣り。入食いとなり、釣った魚は天婦羅で食べたのだが、数日前にカサゴを数釣りしており、その天婦羅があまりにも美味しかったせいか食味はイマイチだと感じたものの、淡白で臭みなどはまったくなかった。この時のサイズは型揃いの10Cm程度。

秋口がもっとも釣れる時期で、内湾や河口の何処でもポイント。仕掛もウキと針を付けただけの簡単なものでも釣れ、向う合わせで釣れるので初心者にはもってこい。でも実際には上級者になるとポイントを探ったり、食わせの誘いをしたりで数にも差がでるのがこの魚。秋口は荒食いの時期で活発に食べるのでもっとも適してると言われているが、産卵時期の初冬の落ちハゼ釣りも、大型で人気があるそうだ。

天婦羅でよし。新鮮ならば刺身でもよいよう。

サッパ

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標準和名:サッパ
学名:Sardinella zunasi (Bleeker,1854 )
属:ニシン目ニシン科サッパ属
宮崎地方名:?

特徴など:
コノシロより内湾性が強いと思われるが、河口・汽水域の砂泥底に多いよう。
冬は深みに移動するそうだが、宮崎は水温が暖かいせいか、初冬が一番の釣り時期。

ママカリと呼ばれるのは瀬戸内海で、料理もいろいろ重宝される魚。もっともポピュラーに釣れる魚のようだ。ただし大きくても15Cmぐらい。
宮崎で釣れるサイズは8~22Cm程度で他の地区よりかなり大きいよう。そのサイズだとママカリには不向きで食べにくい。

一ツ瀬川の河口では遠投サビキ釣りが盛んだが、撒餌などは入れず魚の形をした集魚板を付けて投げ込み、後は底を引きずるように誘いをかける。専用サビキとして「ママカリ・サビキ」なる名で販売されているが、竿は2号ぐらいの磯竿が適当。

腹の皮が硬いので、料理の際は頭から腹の上をバッサリ落として下ごしらえした方が簡単。
素焼きでも食べられるが、一般的には酢漬けして食べるようだ。
1時間ほど塩漬けして、洗い、その後酢に漬けて2時間~数日が食べ頃なんだとかで、酢に漬け込んだ時間で食感が変わるそうだ。
焼いてから酢漬けしても美味しい。ただし小型(10Cm程度)ぐらいが食べやすそう。

コノシロ

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標準和名:コノシロ
学名:Konosirus punctatus (Temminck and Schlegel,1846 )
属:ニシン目ニシン科コノシロ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年3月
写真の魚のサイズ:20Cm

特徴など:
大きくて25Cm程度の魚で、10Cm弱ぐらいはコハダと呼ばれ寿司ネタとして重宝されている魚。
魚体の特徴は、鱗に小黒点があり縦筋のように目だって見えていること・背鰭の最後の軟条が糸状にのびていること(写真は特徴が判りずらい)
エラの後方にちょっと大きめの黒斑点があること。防波堤のサビキ釣りで群れで釣れることがあるが、最近数釣りしている姿を見たことがない。

大きな群れで防波堤回りを回遊しているときがあり、サビキ釣りで釣れるが、25Cm級が数匹釣れると結構重たくて面白い釣りとなる。アジ狙いの釣りのときは外道としてリリースするけど、最近釣れてない。(私に限ってかな?)

以前、クーラーボックス一杯に釣れたことがあり、持ち帰って腸を抜く作業で腰を痛めたことがあって、それ以来狙って釣ったことがない。宮崎では小型のものを南蛮などで食べる。

オキトラギス

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標準和名:オキトラギス
学名:Parapercis multifasciata Döderlein,1884
属:スズキ目トラギス科トラギス属
宮崎地方名:?

特徴など:
オキトラギスの名の通り、沖の30m~ぐらいから深い場所(200mぐらい)に生息するようだ。
トラギスよりは可愛いかな?
サイズは20Cm弱。

写真の魚は沖の船サビキ釣りの底にキス天秤を着ける、釣れない時の必殺技で釣れた。底魚・根魚が釣れる確立が高い仕掛なので、この魚も普段は底にべったりとしているんだろう。

意外と美味しいと言う評価もあるそうだが、大量に釣れたら練ものの材料となる魚のよう。

写真の通り、体に9本の赤褐色横帯がある。また眼の後ろに2本の黄色横帯と、尾鰭基底に1黒色斑がある。

トラギス

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標準和名:トラギス
学名:Parapercis pulchella (Temminck and Schlegel,1843 )
属:スズキ目トラギス科トラギス属
宮崎地方名:?

特徴など:
キス釣りの際の外道として釣れるよう。顔の周りのブルーの模様から写真の魚がトラギスであることは明確だが、クラカケトラギスという魚のほうが生息数が多いとも聞いた。
10~20mの深場の砂地ベースにて障害物があるようなポイントで生息しているよう。
別名でトラハゼとも呼ばれるよう。

体は円筒形で20C弱ぐらいで成魚。上品な白身で美味しいようだが、数が上がらす市場での取引はほとんどないようだ。

ネンブツダイ

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標準和名:ネンブツダイ
学名:Apogon semilineatus Temminck and Schlegel,1843
属:スズキ目テンジクダイ科テンジクダイ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年3月
写真の魚のサイズ:9.5Cm

特徴など:
キンギョと呼ばれ、防波堤の小アジサビキなどで底に棚合わせすると入食いとなる魚だ。とにかく餌取りとしてはかなり邪魔な魚の1つだけど、ウロコも硬く食べるのもいかなものか?
でもよく見ると模様が様様。名前を知っておくと面白いかも。鹿児島・錦江湾には特に多いようで、これを餌にミズイカ・ハナイカ(※アオリイカ)を釣っている姿も見受ける。

とにかく大きな群れで生息しているようで、魚探で群れを見つけて仕掛を入れると、この魚ばかり釣れるときもある。防波堤の深めの場所から、岸寄りの船の20~30m程度が生息域と思われる。サビキで釣れてしまうことが多いが、口が大きく貪欲な魚。

食べたことはない。でも特に毒があるわけでもなく小型なので、姿のまま佃煮などでは食べられるかも・・・。そんなわけでいろいろ調べてみたら、やはり美味いらしい。
頭とはらわたをとり、トントンと叩いてみそ汁にする。まただんごにして揚げる。もしくは唐揚げにする。干物にしてもうまいという「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」の情報があった。

タチウオ

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標準和名:サワラ
学名:Trichiurus japonicus Temminck and Schlegel,1844
属:スズキ目タチウオ科タチウオ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年6月
写真の魚のサイズ:114.5Cm

特徴など:
タチウオの名の由来は普通の魚と違って立った姿で生息しているからだと思うが、太刀(タチ)のような姿から名付けられたとも聞く。秋(9月~10月)は深さがある防波堤での夜釣り対象魚。
防波堤サイズは50~80Cm程度だが、小さめは小骨が多く捌き難いので料理には不向き。
沖の船釣りだと大きいもので1.5mほどまでに成長するようだが私の知合いから聞いた話では人の高さほどのサイズ(1.8m?)で胴回り(幅)も30Cm程度というビッグサイズが釣れ、市場でも1匹でかなりの高額で取引されたと聞いた。

防波堤の釣りでは、キビナゴを餌に、ワイヤーハリス針で釣る。
口歯が鋭いため針をはずすときに注意。タチウオの引きは、最初にジワーッとウキが沈み、途中位置でジッとしたまま。時には4~5分もそのままの時もあるが、また横や下に動きだしたときが掛けどき。とにかく忍耐が必要で早や合わせは禁物。でも最近はルアー仕掛で狙う方も多く手返しも早いので効率も良いのかもしれない(サイズも良いよう)
船でもルアー釣りが流行となりつつあるよう。ところでチリメン(カタクチ鰯の幼魚)の漁では、タチウオが網に入る事も多く、私も土産で何度か頂いたことがあるが、群れで生息しているため釣れる時は数釣りできる。

輪切りで塩焼きが一般的だが、新鮮なうち(大型)なら刺身で食べるのがお奨め。また醤油も酢醤油が合うようだが、それ以外の料理では食べたことがない。ポロッと取れる身なので何にでも合いそうだ。

サワラ

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標準和名:サワラ
学名:Scomberomorus niphonius (Cuvier,1831 )
属:スズキ目サバ科サワラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
サゴシと言うほうが馴染みがある魚だが、Wikipediaの紹介ではサゴシ(サゴチとも・40-50cm)、ナギ(50-60cm)、サワラ(60cm以上)と呼び名が変わる出世魚でもあるとのことだ。大きくて1mを超す。
写真の魚はナギ(サイズ)ということになるが、宮崎ではサゴシ・サワラの呼び名が普通だろう。

初めて見たのは船サビキ釣りで落とす途中で喰らいついてきたもの。その後、宮崎港の防波堤で釣れる噂を聞いて、狙って2匹60Cm程度のものが釣れたことがある。群れで動く魚で、時には餌を求めて河口まで来たり、近場の沖で大型が釣れるときもある。
有名なのは瀬戸内海で、内湾に生息する傾向の魚かも知れない。
そんなサワラが宮崎で入食いだった1999年はちょっと特殊な年だとも聞いていた。

沖のアジ狙いの船サビキ釣りでは仕掛をもつらし、時には鋭い歯で引きちぎってしまうのでちょっと嫌われぎみ。
防波堤でこの魚を釣り上げるとヒーローだ。仕掛は大型ウキにワイヤーハリス・餌はキビナゴ。磯4号竿でもかなり強烈な引き込みで楽しませてくれる。また喰い渋りなどまったくなく、餌が目元にあれば喰らいついてくるようで獰猛。

パサッとした身は同類のサバと近い食感だが、尾に近いほど美味しいようだ。私は焼いて食べたことしかないが新鮮ならば刺身でもよし。また味噌漬けが美味しいそうだ。魚偏に春と書いて「鰆」※サワラと言うことで、春の魚だと思われがち。水揚げがもっともあるのが春なのかもしれないが旬は冬だとも聞く。

スマ

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標準和名:スマ
学名:Euthynnus affinis (Cantor,1849 )
属:スズキ目サバ科スマ属
宮崎地方名:ヤイトガツオ

特徴など:
シルエットというか、容姿はかなりヒラソウダに似ており区別しずらいが、胸鰭下方にやいと跡のような数個の斑点がある。

この魚も宮崎沖の黄金の瀬などで大きな群れがあるときがあり、餌の無いハリにでも喰らい付いてくる貪欲な魚であり、居れば数が釣れる。

WEB魚図鑑への投稿は宮崎より以南ばかりで、各種図鑑記載でも南日本・太平洋の熱帯海域に生息してるということなので、南方系魚とも言えるのかもしれない。

刺身はカツオに勝るとも劣らず。大量に捕獲されないので出回る機会も少ないのだろうが釣人は口にしている。この魚がスマと呼ばれなくても「ヤイト」とは認識され美味しいと評判だ。

コロダイ

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標準和名:コロダイ
学名:Diagramma pictum (Thunberg,1793 )
属:スズキ目イサキ科コロダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
小さな群れで生息しているようだが、鹿児島などでは最近この魚を狙っての釣りも盛んなよう。グレーの体表面に黄・茶っぽい小斑点があるのが特徴で大型はこの模様が消えるようだ。また幼魚はまったく姿が違い黄色と黒の縦筋模様。成長するにつけて模様が変化する魚でダイバー向きなのかも。
写真の魚は成魚といえるが、サイズは56Cm。大きなもので90Cmぐらいまで成長するようだ。岩礁から砂地に生息。

引きが強く、釣り対象魚として鹿児島では専門に狙って釣られるが、宮崎ではあまり聞かない。海底の小生物を捕食するようで投げ釣りが一般的。

イサキ似の食味で美味しい魚。40~50Cm級が食べ頃なのかも。
山渓「日本の海水魚」には宮崎では「ハンタゴ」、串間で「カワコデ」という呼び名が地方名として紹介されている。

メアジ

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標準和名:メアジ
学名:Selar crumenophthalmus (Bloch,1793 )
属:スズキ目アジ科メアジ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年5月
写真の魚のサイズ:21Cm

特徴など:
眼が大きく、体の中心に黄色い帯が走るのが特徴。大きくても25Cm程度だと思われる。

写真の魚はクロダイ狙いで浜の端にある小さな波止から釣ったもので、マアジの子供と一緒に釣れた。大きさも15Cm程度。眼が大きい以外はマアジに似ていて区別されない(できない)かもしれない。

鮮度が落ちるのが早く、市場などでの取り引きはほとんど無いようだ。もっぱら加工品(餌など)に利用される魚だそうだ。アジ科なので新鮮ならばそれなりに美味しいと思うのだが・・・

マルアジ

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標準和名:マルアジ
学名:Decapterus maruadsi (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科ムロアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
マアジ釣りの際、外道として釣れる機会が多い魚だが、パッと見た目マアジと良く似ているので注意。何度か意識して見る機会があれば違いが判る。ムロアジに近い魚でマアジとの身体的な大きな特徴の違いは尾鰭の前上下に小離ヒレがあること。また名前の通り上から見ても肉厚があって丸いという印象。ちょっと青っぽい雰囲気もあるが宮崎でアオアジと呼ばれるのも、見た目の雰囲気からだと思われる。

夏から秋にかけて釣れる機会が多いが、ほぼマアジと同じ場所に生息している。ところが大分・佐賀関では冬場サバ狙いで一緒に釣れるアジがほとんどマルアジ。私の経験ではマアジと同じ場所で釣れるマルアジはちょっとサイズが大きく、釣れだすと数も上がるので群れも大きいのかなぁと思う。防波堤などでアジ子を狙って釣っていても、良く観察するとちょっと大きめはマルアジである場合が多い。釣れるサイズは40Cm程度がポピュラーで楽しめるし、時に50Cmほどのサイズも釣れる。

新鮮なうちは、充分刺身で食べられる。味もマアジと比較しても遜色なく市場ではマアジより高値で取引されることもあるようだ。一般的にはマアジと比べると甘みがイマイチで、持ちが悪いとも聞くので、数が釣れた時は早めに干物などを作って長期保存できるようにした方が良いかも。

カンパチ

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標準和名:カンパチ
学名:Seriola dumerili (Risso,1810 )
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ジギングでもっとも人気のカンパチは、サイズも2m以上(30キロ以上)とかなり大きくなり、味も良し。ブリが回遊魚であるのに対し、カンパチは大きく移動しないようで、沖の岩礁地帯で急な駆け上がりの場所を好んで生息しているよう。(ベイト※エサが多いからか?)
昼間は15~20m程度の地形を泳ぎ回り、かなりの浅場にも姿を見せるが、ジギングの際は釣れた魚と一緒に数匹くっ付いてくる。
食べて良しで、腹身は最高。上から魚体を眺めた姿は目の上から頭部背中に向かって『八』模様があり幼魚ほどくっきりとしている。これが名前の由来。

小アジの泳がせ釣りやジギングが一般的な釣り方だが、鹿児島南端から離島に向けては相当なビッグサイズが生息しているようで盛ん。錦江湾では養殖も盛んだが、宮崎でも場所次第。初夏の頃は20~30Cm程度が活エサで数釣りできるも、その食味はイマイチで40Cmオーバーを狙いたい。テンビン仕様で中アジを付けた仕掛がもっとも食わせやすい気がするが、活性が高ければジギングが手返しが早い。

刺身でベスト。残った骨をアラ煮しても良く、ブリ同様に照り焼きも良い。30Cm以下は逆にどうにか味付けして食べられると思うが、グシャッとした食感はあまりお奨めできない。
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宮崎ではショウゴと呼ばれる30Cm程度の若魚

ヒラメ

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標準和名:ヒラメ
学名:Paralichthys olivaceus (Temminck and Schlegel,1846 )
属:カレイ目ヒラメ科ヒラメ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎で釣れるカレイ目の魚は、ヒラメ・ガンゾウヒラメ・ウシノシタ科・テンジクガレイなどのようだが一般的にストアーに並ぶカレイの仲間は生息していないと思われる。

ヒラメはかなり大きく成長し、1mほどにはなる。私は60Cmを超え、3Kg以上のヒラメを始めての沖釣りで釣って、その後釣りにはまった。
宮崎では放流が盛んで、小型は割と釣れるが、最近は大型が少なくなったと聞く。また、天然のヒラメもほとんど居ないのではないかと聞く。放流魚の特徴として、白い斑点が目立つということだし、詳しい方だと結構簡単に判るらしい。

ちなみに放流して水産資源を増やすという行為は一見正しい行為に思えるが、同じ種(つまり兄弟)が同じ地域に一斉に放たれることが果たしてよいことなのか?
これが普通の動物で考えると血が濃くなると言うことだ。奇形・異変というリスクを持つことになるわけで、できれば別の方法で魚を増やすことをこれからの時代考えないといけない。
この魚も今後考える必要のある魚だと思う。

左ヒラメ・右カレイと言われる通り目を上に向け左に上向きになるのがヒラメ(例外あり)

アジの生餌などで狙う釣りもあるが、宮崎だとサビキ釣りの嬉しい外道で、案外初心者が釣れてしまう話を聞く。
※サビキ釣りでアジのアタリが解からずそのまま放置してたら、巻き上げる時異様に重いということで・・・。私もそうだった・・・

サビキ仕掛に細工する方法もあるが、ヒラメだと直感的に判るのであれば、しばらく飲み込ませるように待ってる方が確実。ほとんど引き込みはないけど、水面に浮くタイミングが難しく、急に暴れて針外れすることもしばしば。

刺身は薄造りにポン酢で美味しいが、釣魚としては最高級。もちろん寿司ネタとして、縁側は最高。料理店でもヒラメの活造りなどはちょっと割高だけど魚専門ならかなりの所で扱っている。
そんなヒラメはほとんど養殖で、だいたい30Cm程度で出荷される。

マゴチ

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標準和名:マゴチ
学名:Platycephalus sp.2
属:ガサゴ目コチ科コチ属
宮崎地方名:?

特徴など:
マゴチの1つの見分けの基準は双方の目の感覚が広いか狭いか。目が広くて背中の斑点が不明瞭であればマゴチで、違えば別のコチ科を疑ってみたい。
大きなものは1m近くまで成長する魚で、キス釣りなどの外道として釣れ、キスを餌にしたノマセ釣りで狙われる事もある。

写真の魚は河口(海から300mほど入った場所)で釣れたもので、マハゼ狙いの仕掛に付いてきたものだが、釣れたハゼに食いついてきたものだと思われる。大きさは35Cmほど。

夏の釣りが盛んで、味もその時期が美味しいよう。
このお魚はきちんとした学名が無いそうだ。いろいろ訳ありで、和名だとヨシノゴチというそっくりな魚と混同されていたものを、分ける必要があり学名もきちんと研究し決めるそうで簡単に名をつけられない状態なんだとか。ちなみにヨシノゴチが「Platycephalus sp.1」である。

普通に釣れる魚の学名がきちんと決められていないという事実。これがなかなか興味深い。

シロサバフグ

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標準和名:シロサバフグ
学名:Lagocephalus wheeleri Abe, Tabeta and Kitahama,1984
属:フグ目フグ科サバフグ属
宮崎地方名:キンフグ

特徴など:
シロサバフグは、私が知る限り唯一の普通に食べられるフグ科の魚だ。宮崎では「キンフグ」と言われ普通に売られている。
尾鰭が湾入し上後端と下縁が白いのが特徴だが、良く似る「クロサバフグ」と区別するためには、この部分をきちんと見分けられる事が必要だ。(ドクサバフグは東シナ海やインド洋にいる魚で、普通には見られないが時々は意外な場所で出るらしいのでくれぐれも注意)

食べては塩焼き・鍋もの・フライ・ムニエル、天ぷらなど何にでも合う。ただ、トラフグなどの食感を期待すると、それほど粘りがある身でもないのでがっかりするかも。モツ煮なども美味しいらしい。
私はいくらこの魚でもモツだけはちょっと抵抗あるけど。

2000年前後までは普通に見ることができたし、結構な大群で沖の釣りの際に見ることができた。しかしここ数年は減っているようだ。おちょぼ口に見えるけど、この魚はかなり獰猛で、以前ジギングの際にもこの魚が追ってきて、目の前で喰らい付いてきた記憶がある。普段小さい口がエイリアンのようにガバッと開いたのだ。それはそれは恐怖の瞬間だ。

ナンヨウカイワリ

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標準和名:ナンヨウカイワリ
学名:Carangoides orthogrammus (Jordan and Gilbert,1882 )
属:スズキ目アジ科ヨロイアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ある日、知人から携帯メールで写真を送ってきた。40Cmほどの変わったアジが釣れたとのことだったが、それが上の写真だ。釣れた場所は南郷町大島。

瞬間「ナンヨウカイワリ」の名がでてきたが、実際私自身は1度も見たことがない。
その後図鑑などで調べたが、まあ間違いないだろうと思っている。しかしこの写真をきちんと同定してもらったこともないので間違いかもしれない。もっと綺麗な写真を入手できるとよいのだが。

全長80Cmほどになる大型のアジ科の魚だ。黄色の小斑点があるのが特徴。
成魚は沖合いの深みを好むらしいので釣れた魚はまだ若魚という事だろう。

ちなみにカイワリとは漢字だと「貝割」だ。つまり貝類など砂を掘って食べる食性からの名と考えられるが実際には甲殻類・魚類などを食べる様子が観察されているようでとにかく肉食性ということだ。アジ科の魚ってほとんど肉食だな。

カンムリベラ

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標準和名:カンムリベラ
学名:Coris aygula Lacepède,1801
属:スズキ目ベラ科カンムリベラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚が釣れたときはびっくりした。2002年3月末、60Cm3.5Kgの大きな変な魚が釣れた。(釣ったのは同行者のSさんだけど)とても不気味で触るのもためらわれた。

図鑑を調べ魚名は判ったものの詳細が判らずWEBで検索。
なんとなく魚名が判り、再度深く調べるために検索すると、そこには写真の魚とは似ても似つかぬ白ベースに黒斑点・真ん中に赤い大斑点があるお魚。そしてほとんどの紹介ページがダイビング関連ページ。
このお魚、成長するにつけて黒っぽくなるようだ。大きいものは1mに達するよう。
頻繁に釣れる魚ではない。ちなみに大型のベラ科の魚には、この魚やコブダイなどがあり、私はこの日のことを超大型ベラが釣れたとして自慢げに人に話している。ベラ科には違いないのだ。

写真でも真っ黒にも見えるけど、よく見ると体の中央にちょと幅のある横帯が見える。
水中写真だと黒というより深い緑色の体色だ。

その様子から、知人の釣人はドラキュラというあだ名をつけているが、これが地方名とは言えず、また釣りでそんなに出会うこともないだろう。

ニシキベラ

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標準和名:ニシキベラ
学名:Thalassoma cupido (Temminck and Schlegel,1845 )
属:スズキ目ベラ科ニシキベラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
防波堤などの釣りでは、ごく普通に見られる魚で、壁際に仕掛を入れると簡単に釣れる。
その名の通り、錦模様のカラフルなベラで、本州中部以南から朝鮮半島や台湾に分布するとのことだが、琉球列島ではめずらしいそうだ。
ベラの仲間にしては雄・雌の体色差は少ないようで、写真の魚も区別不能。
大きさは図鑑上は20Cmとなっているが、見たことがあるサイズはだいたい15Cm程度。

その姿から食べる気はしないけど、食べた方の評価では、まあ不味くもなく普通に食べられるそうだ。まあだけど、この模様だから鑑賞用として楽しんだほうがよいかも。

ヒラマサ

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標準和名:ヒラマサ
学名:Seriola lalandi Valenciennes,1833
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ブリと酷似しているが、口元の上後端が丸いのが特徴。(ブリは角張っている)
また胸鰭よりも腹鰭が長いのも特徴。私が感じるのは鰭が黄色いことも特徴だけど、これは固体により差があるみたい。ブリより南方系で旬は晩夏から秋。姿・形はそっくりだが、ヒラマサの方が動きが鋭いのか引きも強く、味も極上

肉食で生小魚やイカで釣るが、ルアーでも狙われる。最近は磯場で釣果が少なくなったとも聞く。
専門に狙う方が少なく撒餌寄せをしなくなったから少ないとも聞いている。ブリより数段引きが強いとのこと。

ルアーで釣った方が、記念撮影してリリースしてしまい周囲の人がびっくりしたという笑い話もあるが、この魚だけは釣れたら食べなきゃ。それほど美味しく、どんな食べ方もできる。ブリ同様に照り焼きなどにも適しているそうだが、私は料理屋で刺身とカマ煮を食べたことがあり、いずれもとても美味しかった記憶がある。

写真の魚は6月ぐらいに、船釣りでメジナを狙っていて釣れた。大きさは50Cmほどだが、その場所はかなり浅所で岸に近い宮崎市内海の沖。
この魚を狙って門川町のビロー島(ブリ礁)に行ったこともある。私は釣りきらなかったけど知人に釣れた。サイズは70Cmほど。その引きたるや磯用4号竿が折れ曲がるほど。
その時のシーンは今でも頭から離れない。朝方、そこには大きな群れが、川の流れのように泳ぎ、海の偉大な事を感じたりした。

ムロアジ

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標準和名:ムロアジ
学名:Decapterus muroadsi (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科ムロアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
アジの一種とはすぐに判るけど、かなりスマートな体系で、大きな群れで沖合いの中層周辺に生息している。
群れの周囲にはこの魚をエサとして狙う大型魚が一緒に移動してくるようで、一般的には大型魚狙いの釣り餌として使われるよう。

私が釣ったときはかなりのサメの群れと一緒だった。

サイズは40Cm程度までとのことだが、私が釣ったサイズは約30Cm。群れも夏場の沖の浅場に寄りやすいよう。
群れが近寄ると追われているのかナブラが立ち、船下を覗き込むと、集団で動く姿を見ることができる。
釣り上げてすぐには目立たないが、しばらくすると写真の通り、横縞1本の黄色い筋が体の中心に浮き上がる。

新鮮なら刺身でも行けるが鮮度が落ちるのは早いようだ。私の経験上、黄色い筋が出る魚ってなぜか美味しい。

クサヤモロ

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標準和名:クサヤモロ
学名:Decapterus macarellus (Cuvier,1833 )
属:スズキ目アジ科ムロアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
釣ったときはムロアジだと思っていたが、姿は似ているものの、体の縦に入る筋の色が違ってムロアジは黄色。クサヤモロは青い色。
「クサヤ」って独特のタレに漬け込んだ干物で有名だけど、1度頂いたその味たるや・・・
匂いはひどいけど食べてみるとなんとなく癖になる感じは判る気がした。
このクサヤモロは、「クサヤ」を作る材料としてはもってこい(一番美味しい)魚のよう。独特のタレって「くさや汁」とも言うようで、これは伊豆諸島で干物を作るときに同じ塩水を繰り返し使ったもので、長年の独自の魚の臭味が染み付いた汁だとのこと(臭そう・・・)。
クサヤの材料もインターネットで見た限り、ムロアジ類以外にマアジ・トビウオなども使われるみたい。珍味としてマグロとかサメのクサヤもあるようだ。

宮崎沖「黄金の瀬」で、フカセ釣りで釣れた。表層に大きな群れが見え、相当な数で動いていた。サビキでも入れ食い。

生ではマアジには劣るもののその日のうちなら刺身でも食べられるそうだ。

カイワリ

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標準和名:カイワリ
学名:Kaiwarinus equula (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科カイワリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
これまた綺麗な写真がない。残念だ。

このカイワリも釣りを始めて船釣り経験も2・3度目に釣れた魚で、ポイントは宮崎市の沖のタイヤ漁礁と呼ばれる人口魚礁だ。確か釣ったのが1999年。その後はそのポイントに行くこともなく出会っていない。

シマアジに負けないほど美味で市場でも高値で取引されるようだが、宮崎ではそのサイズが理由かあまり重宝されてないような雰囲気。
一般的なサイズは25Cm程度だが、たまに40Cmオーバーも出るよう。シマアジと同じような口の形状で、ドロ底などに生息する小生物をエサとする。大きな群れでもなさそうで狙っても難しい魚。

タマガシラ

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標準和名:タマガシラ
学名:Parascolopsis inermis (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目イトヨリダイ科タマガシラ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年7月
写真の魚のサイズ:16.3Cm

特徴など:
イトヨリダイ科の魚で、成長して35Cmほどになるようだ。
だけど私は15Cm前後のサイズのものしか見た事がない。小型の魚という認識だ。
浅所から深くて210mにまで生息するとある。私が釣ったことがあるのは鹿児島の錦江湾で、水深も80mほどの場所。だから深い場所に居る認識もあったけど正直宮崎では見たことがない。

写真も残しているが、このサイトに投稿できないと思っていた。(宮崎魚限定なので)
ところが、写真をお借りしている「海猿」さんがお持ちだった。そんなわけでしっかり宮崎で写された魚の掲載だ。

白ペースの体に、赤い横筋(幅は様々)が3~4本(4本かも)。これも個体により薄かったり濃かったり。
和名の由来は前頭部が大きく丸いことからなんだそうだが、聞いた話だけど、祝いの席で大人にはマダイ・子供にはタマガシラが出されることがあるそうだ。味は良く煮る・焼く・いずれでも美味しい。

ダイミョウサギ

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標準和名:ダイミョウサギ
学名:Gerres japonicus Bleeker,1857
属:スズキ目クロサギ科クロサギ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年6月
写真の魚のサイズ:21.5Cm

特徴など:
私(あらら)が写した写真を掲載しようと思っていたが、あまりにも状態が悪いので知人の「海猿」さんの写真をお借りする事にした。特徴がきちんと出ている写真だ。

私が始めて見たクロサギ科の魚はこの魚で、結構普通に居るんだと思っていたけどそれ以来見ていない。私が釣ったのは宮崎市青島の目の前には水産試験場がある防波堤。
その防波堤でも随分と内寄りで、魚なんて釣れそうにもない場所。
正直その頃はチヌ(クロダイ)すら釣ったことがなくて、これがチヌなんだと思っていたぐらい。写真を写して持っているが、夕暮れでぼけていて公開するには厳しい。だけどダイミョウサギとはなんとか理解できる。

クロサギに比べ、はっきり体高がある。胸鰭・腹鰭・尻鰭がはっきりと黄色い。(クロサギはそうでもない)
背鰭が10棘9柔条ということで区別ができるそうだ。

ところでクロサギはそこそこに日本の各所からWEB魚図鑑に投稿があるが、このダイミョウサギは無い。案外貴重な魚なのかもしれない。

クロイシモチ

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標準和名:クロイシモチ
学名:Apogon niger Döderlein,1883
属:スズキ目テンジクダイ科テンジクダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
テンジクダイ科の魚って、体表面がピンク色のものが多く、口が大きくてさほど可愛いとも言いがたいけど、小さくて弱い印象だ。
だけどこの魚は、見た目テンジクダイの様相ながら、目を見たら透き通っていて(黒くなく)古代魚という印象だ。体全体も黒っぽいが尾鰭だけは透明。基本的に模様はないが、ときには体側に数本の細横帯が現れるそうだ。

船を利用したキス釣りの折りに釣れた事が何度かある。
内湾の転石の多い砂泥地に生息しており物陰に潜んでいるそうだ。
先に書いたように、眼を見ると吸い込まれるようで宇宙が見えるという感じ。私が知るこのような眼を持つのは他にアカメぐらいだ。アカメは透明だけど赤い。

約10Cm程度で成魚と思われる。もう少し大きいサイズも釣れたような気がする。

トウゴロウイワシ

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標準和名:トウゴロウイワシ
学名:Hypoatherina valenciennei (Bleeker,1853 )
属:トウゴロウイワシ目トウゴロウイワシ科ギンイソイワシ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚はなぜか情報が極端に少ない。山渓発刊「日本の海水魚」でも取り扱っておらず、トウゴロウイワシ目の紹介もわずかだ。日本には3属6種いるらしいけど、群れで行動するというぐらいの情報。

トウゴロウイワシとギンイソイワシはとても区別がしずらいし、感覚的にはどっちでもいいというぐらい、秋口の防波堤などでは餌取りとして群がっている。私は網で掬ってイカ釣りの餌にしたりしている。ちょっと撒餌を投げるととんでもない数で集まってくれるので掬いやすい。

これが食べられる魚なら嬉しいのだけど、鱗が硬くて料理には不向き。でも刺身だと美味しいという評価もきく。問題なのはこの15Cm程度の小さな魚をいかに刺身にするべきか。根性がなければ無理かも。

淡水魚のペヘレイという魚と同じ科になるが、ウィキペディアの記事によると、日本には1966年に神奈川県淡水魚増殖試験場にアルゼンチンから持ち込まれ、その後丹沢湖や相模川などへの放流が行なわれた。また、霞ヶ浦の試験場でも1985年に養殖実験が行なわれ、現在では霞ヶ浦に定着していることが確認されている。また、最近は埼玉県でも養殖が行なわれているそうだ。

そして私が見たことがあるのが、宮崎県の小林にある「出の山淡水魚水族館」でのペヘレイの群れ。確かに巨大なトウゴロウイワシのようだった。その大きさは50Cmほどである。

それにしても、淡水って、このような魚も入りこんでいるんだと思うと、もう崩壊しきっている感じだ。ちなみにペヘレイは恐らく食材としての研究で持ち込まれており、煮る焼くで充分美味しく食べられる魚のようだ。

トウゴロウイワシよりペヘレイの話になってしまった。

クサフグ

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標準和名:クサフグ
学名:Takifugu niphobles (Jordan and Snyder,1901 )
属:フグ目フグ科トラフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
浜の投げ釣りでキス釣りの外道として釣れる。浅海の磯際などでも釣れる。河口の釣りでも姿を見せる。ときにはこの魚ばかり。とにかくもっとも馴染みがあるフグだ。

宮崎県北の浜で5月初旬からクサフグの産卵が始まる。波打際で満潮の夕刻に無数のクサフグが産卵する光景を7月下旬まで観察できるらしい。
魚の産卵ってすごい。以前、ヘラブナの産卵を見た事があるが、それはそれは凄い数の魚が集まる。
とにかく数万という魚が一斉に波打ち際に押し寄せるので新聞沙汰となる。一度見に行きたいもんだ。

成長してもだいたい15Cmぐらい。
内臓のキモや卵巣などには猛毒があるのはフグ科の魚の常識だし、この魚も例外ではない。しかしフグ調理師に頼めるなら、食べてみるととても美味しいらしい。
随分前の話だが、この魚を釣っては食べてみるというサイトがあった。チャレンジャーというか真似はするべきでもないのだが、そのサイトの紹介では、毒は水には弱くて充分に洗い流すといいとの記載があった。
だけど、フグが持つ毒はテトロドトキシンといい、300℃以上に加熱しても、分解されないので注意が必要。人の経口摂取による致死量は2-3mgで、経口摂取では青酸カリの850倍の毒性を持つ。とのことだから、簡単に食べてはいけない。
ちなみに早いうちなら毒を口から吐き出させるなどの処置で助かることもあるが、解毒方法は見つかってないらしく、処置が遅れた場合には舌や唇がしびれ、指先のしびれに繋がる。頭痛・腹痛・嘔吐などを起こし、歩行や発声が困難になる。重度の場合、血圧の低下などが起き、呼吸困難・意識障害になり死亡に至る。まれに仮死状態に陥ることがあるとのこと。

小さくても怖い魚だとも言えるなぁ。とても馴染みもあるのに。

シイラ

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標準和名:シイラ
学名:Coryphaena hippurus Linnaeus,1758
属:スズキ目シイラ科シイラ属
宮崎地方名:マンタ・マンビキ

特徴など:
この写真もあまり綺麗でなく、また綺麗にとれるチャンスもない。とても水中で美しい色なのに空気に触れたとたんに色が変わるし、傷が目立つ。

シイラとは沖の釣りシーンではとても楽しませてくれる魚で、世界中の暖海に広く分布しているそうだ。沖の表層を複数の群れで泳いでいるが、時には岸近くに押し寄せてくる。
釣りをしていて撒餌に呼び寄せられて表面に数匹姿が見えるということもあるが、この魚は食欲旺盛で船のまわりを離れることもなく警戒もしない。
だから目の前に餌をちらつかせて簡単に釣れる。釣れるけど釣ってしまうと大変だ。それからはジャンプして応戦してくれるので複数の仕掛がある場所では危険だし迷惑をかける。

大きなものは2mにもなる。
それほどだとジギングでも釣れるのだが、金属のジグを折り曲げてしまうほど。迫力満点だ。
私も船下を悠々と泳ぎ回る巨大なシイラを見たことがある。自分が持つ仕掛ではとても太刀打ちできないと一瞬に悟った。

大型のカンパチなどを狙うジギングだと外道扱いにされるが、この魚を対象とした大会もあるようだ。南の地域ほど食材として重宝されるし、ハワイなどで「マヒマヒ」料理という名で通っているので馴染みはあるかと思う。新鮮なら刺身で充分に美味しい。

1mを超す成魚ともなれば、雄は頭が張り出して迫力ある姿となる。写真の魚は60Cmほどだが、まだ雄・雌の区別は付かない。

ロクセンスズメダイ

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標準和名:ロクセンスズメダイ
学名:Abudefduf sexfasciatus (Lacepède,1801 )
属:スズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ぱっと見た目にはオヤビッチャと見分けずらいけど、オヤビッチャの場合はだいたい背中が黄色いので、この黄色を背負ってなければこの魚であるとも想像できる。
そして、尾鰭を見たら一目だ。上下の両葉に黒色帯がある。
その名の由来になると思うが、体側に6本の黒い横帯があり、その内の1本は眼を通る。

オヤビッチャの群れはとても大きいけど、それに混じって釣れる事がある。とても間際らしいし、基本的にリリース魚なので、あまり良く見ずに逃がされてしまうかもしれないが、違いが判っていればそれなりに楽しい。

スズメダイの仲間はサンゴ礁帯や磯の浅所にいるので、釣人の魚というよりダイバーに認知されていて、WEB検索してもダイバーの方が作られたサイトがとても多い。この魚もそんなサイトでよく登場する。

サビハゼ

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標準和名:サビハゼ
学名:Sagamia geneionema (Hilgendorf,1879 )
属:スズキ目ハゼ科サビハゼ属
宮崎地方名:?

特徴など:
約15Cmほどの、時々防波堤などでポツンと釣れる魚だ。
浅海の砂底に生息するが、下顎から咽頭部にかけて多数のヒゲがあることが特徴。
また胸鰭上部に遊離軟条があることでも他魚特別できるという。ヒゲについては水中写真なら確認できるけど、陸に上がった写真だと難しいかも。

鉄が錆びたような印象の模様が名の由来だと思われる。割りと一般的な魚で、「WEB魚図鑑」への投稿数は多い。

体の模様だけだと「ヒメハゼ」「ミナミヒメハゼ」などは良く似ているので、上のキーを確認したほうがよい。

メイチダイ

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標準和名:メイチダイ
学名:Gymnocranius griseus (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目フエフキダイ科メイチダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
「WEB魚図鑑」の投稿を見ると、このメイチダイは千葉・静岡から奄美ぐらいの投稿があり、また投稿数も多いので釣魚としてそこそこに釣れるし、さほど南方系の魚とも言えない。
言えないけど写真の魚が釣れたのは夏場だった。宮崎で夏の条件と言えば、奄美などとさほど差はないと思う。その時期に意外な南の魚を見かけるのも少なくない。
近い魚にシロダイなどがあるが、これは南方系とされ、鹿児島県以南とされている。石垣島で写した綺麗な写真があるんだけど、このサイトでは使えないな。生息情報を探さねば。(情報求む・・・シロダイ)

メイチダイは美味しい魚だと聞いていたので、持ち帰って食べた。サイズは25Cmほどだったので微妙に刺身を取るには厳しいと思ったが、とりあえず基本は刺身でしょう・・・と食べてみた。
絶品ともいえずまあ、期待していたほどはなかったけど、美味しく頂けた。
ちなみに料理するさいに目を傷つけたらとたんに味が悪くなると聞いたことがある。どのようなメカニズムなんだろう。他の魚でも見かけるけど、横帯の模様がこの魚の場合は目の中心部を通る。模様と連携するこの暗黒帯のメカニズムも不思議。

大きくて45Cmほどになるよう。

オジサン

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標準和名:オジサン
学名:Parupeneus multifasciatus (Quoy and Gaimard,1825 )
属:スズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
30cmになります。ひげが長く黄色から白色をしています。からだの黒い横縞が幅広いので区別できます。宮崎サン・マリーナではよく3尾で行動を共にしていましたが、成長すれば単独で生活します。ムードによって色を変える事が知られています。本州沿岸では稀とされますが南日本から太平洋・インド洋にかけて分布しています。(H.Tanaka)

写真の魚は宮崎産ではなく、管理者「あらら」が石垣島の船釣りで釣ったものだ。宮崎ではまだ写したことがない。しかしH.Tanakaさんから預かっている資料から、宮崎に生息するのは間違いないので掲載することにした。

標準和名は疑いもなくその容姿からで、オジサンも「叔父さん」で間違いないと思う。釣人も、この種を「オジサン」と呼ぶ。ヒメジは馴染みがないけど「オジサン」ならほぼ判る。オキナヒメジもウミヒゴイでも皆オジサンなのだ。つまり写真の魚はオジサンの中のオジサンだ。なんとなく髯の様子が仙人のようにも見え、びったりだ。(あらら)

アカヒメジ

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標準和名:アカヒメジ
学名:Mulloidichthys vanicolensis (Valenciennes,1831 )
属:スズキ目ヒメジ科アカヒメジ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年8月
写真の魚のサイズ:約12~13Cm

特徴など:
40cmになります。からだに縦に走る黄色いスジが1本あるので見分けがつきます。尾も黄色く目立ちましたが1度しか見ていません。夜間に活動し餌を求めています。餌は主に砂の中にいる小動物で、顎ひげで探ります。成長すれば珊瑚の外側などで数尾から数十尾の大群で行動します。南日本から太平洋・インド洋に広く分布します。(H.Tanaka)

アカメ

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標準和名:アカメ
学名:Lates japonicus Katayama and Taki,1984
属:スズキ目アカメ科アカメ属
宮崎地方名:マルカ

特徴など:
自分の撮影写真を整理する目的がもっともだったけど、だんだん面白くなって、宮崎の魚を出来るだけ集めたいと思っている。
そんな中で、やはり宮崎の魚の代表という魚を紹介したい。それがこのアカメだ。

とはいえ、写真の魚は近くにある大淀川学習館という県が運営している淡水魚水族館を含む施設で写したもので、それ以外で釣ったことも見たこともない。
ちなみにこの大淀川学習館には、約10匹ほどのアカメが養われていて、特に1匹は1mほどのサイズだ。また捕獲されたアカメの魚拓も展示されているが1.2mほどのものがある。とても見応えがある。
まず紹介したいのは、宮崎大学の岩槻教授が書かれているWEB上の文書だ。
「知られざる宮崎県の巨大魚アカメ(マルカ)」

南日本太平洋岸の宮崎県の日向灘と高知県の限られた水域にのみ分布する魚だということだが、宮崎県の複数の河川河口で捕獲されていて、その大きさも記録では2mを超えるということで、なんともロマン性がある魚なのだ。宮崎県人にとっては宮崎の魚という認識。
岩槻教授の文書によると、2006年宮崎県の条例で捕獲及び売買が禁止になったという事だし環境省の絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト)(2007年)に絶滅の恐れのある希少種に指定されている魚である。

つまりこれからも簡単に見ることができないし、釣れたら新聞沙汰にもなるほど少ないのだろうけど、どの程度残っているのかとても気掛かりだ。

魚の印象としては、その名の通り目が赤い。
その眼球を眺めているだけでも吸い込まれそうな美しさだ。透明でルビーのような印象。
とても勇猛な顔立ちで大きな口だけど、体の割りに目・鼻・口の部分がグッと凝縮されている。変なのにかっこいい。
アフリカのナイルパーチとオーストラリアのバラマンディがアカメ科(Latidae)に属するが、日本だとこのアカメとアカメモドキの2種。
アカメモドキを調べてみても情報が少なく、宮古島や沖縄などで時々出るぐらいの感じだ。

まぐれでも、自然な環境で出合ってみたいものだ。もちろん写真を写したらリリースするけどね。

ヤマトカマス

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標準和名:ヤマトカマス
学名:Sphyraena japonica Cuvier,1829
属:スズキ目カマス科カマス属
宮崎地方名:?

特徴など:
カマスは姿形がどの種も酷似していて見分けにくい。
写真の魚がヤマトカマスという根拠だけど、背鰭起部と腹鰭起部が、ほぼ同じで、体側鱗が細かく、暗色縦帯がないということでヤマトカマスと「WEB魚図鑑」にて同定頂いている。

正直釣ったときにその区別はできない。カマスはカマスだ。世の中の釣り人のほとんどがそういう見識だろう。

そんなわけでカマスのことだけど、私が写真の魚を釣ったのは初秋で、時折大きな群れが防波堤などで釣れだす。釣るのは比較的簡単で、とにかく動く餌なら喰らい付くので餌釣りであっても引きずってやると釣れてくる。大きさは25Cm程度で、ハリを外すときには気をつけないと危ないけど、そんなに手強い相手ではない。
ちょっと気になるのは、クーラーボックスに入れておくと結構な臭みがあること。
だけど一夜乾しにして焼いて食べるのは美味で、宮崎だと土産店でもよく置いてある。生だとちょっと水っ気があり美味しいとはいいずらいそうだ。

ウメイロ

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標準和名:ウメイロ
学名:Paracaesio xanthura (Bleeker,1869 )
属:スズキ目フエダイ科アオダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚を撮影したのは1999年10月の宮崎市の沖で、その後沖の深場の釣りに行ってないので、今でも釣れるのか定かではないし、写真は陸に上がってからクーラーボックスの中の魚を撮影したもので鮮度も感じないけど、浅場では釣れないので一定の深場で釣れる魚だと思われる。
私が釣ったのも水深が60m程度だったけど、図鑑記載では200mほどの深さでも生息しているそうだ。
食用としては適していて、白身で美味しいとされている。私が釣った魚は若干淡白(無味無臭)な感じがした。

体長は50Cmほどに成長するようだが、写真の魚のサイズは30Cm弱。数匹立て続けで釣れたので群れで動くと察する。

アイゴ

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標準和名:アイゴ
学名:Siganus fuscescens (Houttuyn,1782 )
属:スズキ目アイゴ科アイゴ属
宮崎地方名:バリ

特徴など:
宮崎だと、釣魚としても水産資源としても軽んじられる魚だけど、磯釣りではメジナ狙いの上物釣りの外道としてよく釣れる。夏時期に釣れやすくて夏の魚だと思われがちだけど冬も釣れる。
ただ冬時期の魚はいささか痩せ気味な感じを受ける。

その呼び名だけど、標準和名の「アイゴ」はまったくと言っていいほど浸透していない。WEB上で検索してみても、アイゴの由来って不明だという記事を見る。自分なりに連想してみても・・・?
ただ、一般的に使われるバリは想像しやすい。釣り上げると尾鰭・腹鰭を思いっきり立てて威嚇する。その棘には毒があり、これが刺さるとかなりキツイらしいが、私はまだ経験がない。
その威嚇した様子が威張っている(イバリ)という印象がある。

ちょっと興味深いのが「アイゴ」と「シモフリアイゴ」の行く末だ。
アイゴにはシモフリ型とそれが目立たない(体に白斑点があるかないか)種類があり、私が持つ山渓「日本の海水魚」には区別して乗せてある。
図鑑上の紹介では、胸鰭がやや大きく白斑点の差で区別されているが、遺伝子的には極めて近く同種内地方集団にあたる可能性があるとされている。
私が写した写真でも目立つもの、そうでもないものがある。もっと研究が進むと2種に分かれるのか微妙な魚だ。

さてこの魚は九州でも熊本などではしっかりと釣りの対象魚で、トーナメントが行われるほどだ。
この魚はとても美味しいという意見と不味いが2分される。その理由だが、とても磯臭いのだ。ただしその臭さとは、貝類が持つ臭みと似ていて、臭み=旨味という関係だ。
私の場合は自分で釣り、自分でさばいたものが不味くて、人にさばいてもらったものが美味しい。内臓の処理をする際にかなり匂いがこびりつくので、1~2日間はその匂いに悩まされる。

一時期、この魚をしっかり持ち帰ってよく食べた。
磯場で釣れた際に、頭と内臓を落として身の部分だけを残し、自宅で3枚におろした後は氷水に1分ほど漬けておく。
すると、油分が浮いてきて、そのまま刺身にして旨味だけがほどよく残って美味しい。
似ても焼いてもよい。だけど匂いが気になってしょうがなかった。最近はその匂いのせいでリリースする。

タテガミギンポ

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標準和名:タテガミギンポ
学名:Scartella emarginata (Günther,1861 )
属:スズキ目イソギンポ科タテガミギンポ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真は水中ではないので、その名と由来と思われる「タテガミ」が目立たないが、水中写真は頭部に馬のタテガミのように毛のようなものがある。専門的に言えば頭部正中線に房状の皮弁があるということなんだそうだ。

釣魚もだんだん狙いの魚が釣れるようになると、逆にそれ以外の魚との出会いが少なくなって、ついには磯の潮溜(タイトプール)で遊んでみたくなったりする。
そして、そこに魅惑の魚達が集まっている。
小型種だけど、餌を小さくして誘うと何がしか釣れる。この魚もそんなタイトプールの魚の1つだ。

この魚は宮崎市と日南市の境ほどの地磯のタイトプールで捕らえたものだ。これ以外にも数種獲れた。時にそのような時間を過ごすのも面白い。

ウグイ

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標準和名:ウグイ
学名:Tribolodon hakonensis (Günther,1880 )
属:コイ目コイ科ウグイ属
宮崎地方名:イダ・ハヤ

特徴など:
この魚は淡水魚だと思われがちだが、いや淡水魚だけど海でも見かける。
海といえど汽水域だけど、あまり川が流れ込まない防波堤などでも見かけた事がある。でも渓流域にもいるし河川全域に生息している。
そんな魚はなかなか居ない。とてつもなくいろんな領域に順応できる魚というわけだ

私の出身地えびの市では「イダ」と呼んでいた。宮崎市あたりだと「ハヤ」とも言われるが全国的にハヤは馴染まれた呼び名のようだ。
子供の頃から釣りは好きで、鯉を狙う仕掛けでこの魚が釣れたし結構大きく嬉しかった。
中学時代にはルアーフィッシングも覚え、むやみに当てもなく川に投げこんで、時々相手してくれたのもこの魚。
渓流釣りでもっぱら釣れる魚は3種で、ヤマメと、アブラハヤとこのウグイ。

そして海釣りでもキチヌ狙いの河口や川の下流では、かなり大型のこの魚が相手してくれる。
写真の魚のサイズは40Cmほどだ。50Cmを超えるという。
春に産卵時期のウグイはオレンジ色の縦筋が目立つ。近似種の「マルタ」とは、かなり区別が難しいけど、マルタは東京湾、富山湾以北生息とのことなので迷わない。

大きいと小骨が邪魔で食べにくく、食用としては人気はないが、宮崎でも山間部なら貴重なタンパク源としてきちんと料理される。小型なら煮付けて食べても臭みなどは感じない。
大きくなると個体差があって、雑食性だと思われるので匂いがきついのかもしれない。

アカカマス

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標準和名:アカカマス
学名:Sphyraena pinguis Günther,1874
属:スズキ目カマス科カマス属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2007年9月
写真の魚のサイズ:約15Cm

特徴など:
全長30cmの小型種です。単独から少数の集団で海面近くをゆっくり泳ぎまわっていました。鋭い歯を持つハンターで小魚を食べるのですが、獲物を捕まえる時には素早く行動します。南日本から東シナ海や南シナ海にかけていますが、琉球列島からの報告はありません。(H.Tanaka)

写真の魚はWEBサイトの「WEB魚図鑑」に同定依頼され、恐らく「アカカマス」という意見でまとまっております。(あらら)

ナミマツカサ

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標準和名:ナミマツカサ
学名:Myripristis kochiensis Randal and Yamakawa,1996
属:キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ属
宮崎地方名:?

特徴など:
学名はとりあえず記載しているが、日本魚類学会のサイトを見たらちょこちょこと変化しているようで、一般公開しているサイトのこのような場所でも置き換えしとかないとと思う。

この魚の学名を見て、ちょっと調べてみたくなり、日本魚類学会のサイトを見ることになった。そしてその感想が出だしの通りだ。

さて何を調べてみたくなったのかだけど、学名の後ろに表記してあるRandal and Yamakawa,1996とは、このお二人が学名の名付け親ということで、学名が登録されたのが1996年という事だ。
正直学者の方とはほとんど縁もない私が、ヤマカワという方には失礼だけど知る由もなく(いずれ判るだろう)、それでも Randal(ランドール)博士は聞いた事がある。そのお二人で命名されたこの魚だが、その歴史はなんと今から10年ほど前。つまりホヤホヤの和名なのだ。
だけど、この魚が新種発見されたという事でもなく、昔から普通に釣られていて、アカマツカサとして通っていた。「WEB魚図鑑」によると、1996年に鹿児島以北のアカマツカサは、ナミマツカサという新種と記載された。原記載者が「無用の混乱を避けるため、日本で普通のアカマツカサという意味でナミマツカサの和名を提唱する」と書いている。そうだ。

私が初めてこの魚を釣ったのがちょうど1996年ぐらいで、その時に詳しい方に聞いて、混乱が生じている魚だと知った。その時にナミマツカサの名は知ったが、手持ちの図鑑には記載がない。

赤い魚は美味しい!っていうのが私の持論だけど、正直この魚は食べた事がない。小型だし頭が大きいので逆に身の部分が少ないという事と、その時に釣れていた魚が良いほどこの手の外道達はリリースしてしまう。私は写真が写せてそれなりに満足してしまうのだ。
だけど、身は上品な白身で旨味もあるらしい。
この魚が釣れるのは沖の夜釣りだ。イサキ狙いの夜釣りの外道として釣れる。何度も釣ってはいるのでそこそこに豊富なんだろう。豊富なのに和名が新しいのは素人の私には不思議現象なのだ。もしかして私が名付けの魚なんてのも夢でもないかも。

ムレハタタテダイ

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標準和名:ムレハタタテダイ
学名:Heniochus diphreutes Jordan,1903
属:スズキ目チョウチョウウオ科ハタタテダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚の場合は体長よりも背鰭前なのか、よく写真を眺めると背鰭の第4棘となるのか定かではないが、角?が大きく伸びる。なんとも不思議な形だ。
写真に写しても、どうやって載せたらよいのか迷う。普通の表示だととても縦が長い画像になってしまう。

ハタタテダイとムレハタタテダイはとても似ている。酷似というべきか。
でもきちんと見分けるなら背鰭の棘が12本なのがムレハタタテダイで11本だとハタタテダイ。
生息の状態も違い、単独で動くのがハタタテダイで群れなのがムレハタタテ。それにしても和名というのは時に単純明快だな。

ハタタテダイも宮崎にも普通に生息しているのではないかと思われるが、残念ながら写真を写せていない。鹿児島錦江湾で釣れたものがあるが、その時の印象としては、結構引きが強くて姿が見えたときにはイシダイの幼魚かと一瞬思った。宮崎ではまだ釣った経験がない。

写真のムレハタタテダイは南郷町の大島で釣れたものだ。図鑑に掲載のサイズは15Cmとあるが、良く見かけるサイズはもう少し大きいように思う。だいたい20Cm前後だ。

モンガラカワハギ

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標準和名:モンガラカワハギ
学名:Balistoides conspicillum (Bloch and Schneider,1801 )
属:フグ目モンガラカワハギ科モンガラカワハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
とてもカラフルだが、この魚がモンガラカワハギ代表という魚で、結構普通に見ることができる。(よく釣れる)
単独か2尾で行動するのが普通で群れは作らない魚のようだ。

模様が模様だけにサンゴ礁で生息する事は間違いなし。図鑑記載では水深50m以浅に生息するとのことだけど、この模様が擬態となるのか、逆に威嚇する目的なのか不思議だ。
とにかく独特な色合いのため観賞用として人気がある。幼魚のときは白い斑点が体全体にあり、その斑点が大きくなり腹部に下がっていくような成長を遂げる。

さすがに食用とされないようだが、表面は硬い骨質の鱗に覆われていて調理もしずらそうだ。私も試した事はないけど、多分問題なく食べられる種なのではと思っている。

体長は30Cmほどまで。

ソウシハギ

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標準和名:ソウシハギ
学名:Aluterus scriptus (Osbeck,1765 )
属:フグ目カワハギ科ウスバハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は見た目不気味だ。体表のベースの色はカワハギと同じような焦げ茶色だけど青い鮮やかな虫食い斑が体中にある。
結構大きくもなる。図鑑記載のサイズは75Cmだ。
写真の魚はちょっと小さかったと記憶するが、それでも50Cm以上だった。(尾鰭を含む)

身体的な特徴としては、虫食い斑以外には背鰭第一棘が細長いがとても折れやすい。他のカワハギの仲間と比べ尾鰭が長いことなど。

サンゴ礁で生活するようで、擬態色が体の青班という事かもしれない。

ある防波堤での釣りの際の話だけど、その日は釣果が芳しくなく、いつもと違う仕掛をつくり攻めてみた。アミ海老とパン粉で作った団子を吸い込み針につける仕掛だ。
とても大きな魚が掛かった。水面に浮かんできた魚は引き込みの力はそれほどでもないが、とにかく大きく見えた。
随分近くによってきて、どても不気味な感じを受けた。(ちょっと恐怖すら感じた)
その魚は水面に浮かぶ前にハリスが切れてしまったが、数日後に知人が釣った。それがこのソウシハギだった。

食べたこともある。沖で釣れたこの魚をカワハギなどと一緒にから揚げにして食べた。カワハギとはまったく遜色ない味だった。しかしその後、図鑑などを見ると腸に毒を持つことがあるという記載があった。まあ内臓は他の魚でもほとんど食べる事はないが。
図鑑で評価は、味はあまりよくない・・・とある。

アオヤガラ

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標準和名:アオヤガラ
学名:Fistularia commersonii Rüppell,1838
属:トゲウオ目ヤガラ科ヤガラ属
宮崎地方名:?

撮影者:H.Tanaka
撮影場所:宮崎市・宮崎サン・マリーナ
撮影日:2006年9月
写真の魚のサイズ:約40Cm

特徴など:
アオヤガラは全長1.5mと大きくなる魚です。サン・マリーナでは50cmほどの大きいものもいますが、15cmくらいのまだ小さな個体も見られます。
彼らは他の魚を食べてしまうハンターで、朝早くからじっと身動きせずに獲物を待っていることが多いのです。よく頭を上にしてその場を動かずにいますが、逆に逃げ足もかなり速いのです。からだは細くて大変しなやかです。一度小さなチョウチョウウオを口から吸い込みくわえている場面に遭遇しました。小魚をあっという間に吸い込みます。
彼らは1尾で泳ぐこともあれば、数尾で一緒に行動することもあります。一度だけ許可を得て採集したことがありましたが、翌朝同じ場所で逃がしています。食用になりますがアカヤガラほど美味しくはないそうです。からだの青いスジと斑点がなかなか綺麗です。実はアカヤガラとの見分けが難しいのでここでの鑑定には自信がありません。アオヤガラは南日本から太平洋・インド洋にかけて広く分布しています。(H.Tanaka)

シマイサキ

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標準和名:コトヒキ
学名:Rhyncopelates oxyrhynchus (Temminck and Schlegel,1843 )
属:スズキ目シマイサキ科シマイサキ属
宮崎地方名:小型はスミヤキ(シマイサキ幼魚とも混同されている)

特徴など:
中部日本以南に普通にいる魚だけど奄美や沖縄には居ないそうだ。沿岸浅所や汽水域に多イトの事。私は完全な海水域では見たことがなく、淡水が混じる場所でのみ生息しているのではと思っている。
どちらかと言えば宮崎では良く見かける魚だけど、全国的には如何なものか。煮付け、塩焼きで美味しく珍重されているそうだが宮崎ではそうでもない。どちらかと言えば外道扱い。

大きさは25Cm程度。私が釣ったサイズも大きなものでそのぐらい。写真の魚のサイズもそれぐらいだ。

宮崎市と新富町を遮る川「一ツ瀬川」での釣果がほとんどで、キチヌ狙いの外道として何度か釣っている。釣れるときは数がまとまるので数匹の群れで動いているんだろう。

宮崎県北の北浦では「ジンキ」、宮崎県南の串間では「クンジュ」とも言われるそうだ。

コトヒキ

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標準和名:コトヒキ
学名:Terapon jarbua (Forsskål,1775 )
属:スズキ目シマイサキ科コトヒキ属
宮崎地方名:小型はスミヤキ(シマイサキ幼魚とも混同されている)

特徴など:
コトヒキという名前は高知県の地方名が発祥のようで、グーグーという泣き声を出す事が名の由来という記事があった。
また「ヤガタイサキ」という呼び名も使われていて、いずれが標準和名でもよいほど浸透している。

宮崎だとこの魚の幼魚は、河口でマハゼなどの釣りの外道として釣れたり、宮崎で盛んに行われている「海フライフィッシング」での対象魚として多く釣れる。
また鹿児島県では「イノコ」→猪子とも呼ばれる馴染みの魚だ。
宮崎では幼魚がキス釣りの外道として釣れるが、これは「スミヤキ」と呼んでいる。宮崎北部では「ミヅクリ」と呼ばれるようにも図鑑紹介されているが、それは聞いた事がない。
スミヤキとは、鱗が硬くて食べにくいので炭で焼いて食べる魚だからだと聞いた事がある。

シマイサキ科の魚は充分に食用にされるが、大きなコトヒキになると、その鱗の硬さ(小さくて硬い鱗)と骨の太さで捌きにくい。刺身は硬い身だが充分に美味しい。

釣魚としては小型のときの方が面白い。動くものに敏感に反応して、自分の体ほどの獲物でも追いかけてくる。勇猛というか獰猛な魚だ。
大きくなると内湾・河口域を離れて、ちょっと深場に移動するようだ。図鑑記載の長寸は25Cm程度ということだが、私は35Cmほどまでは釣った事がある。

イラ

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標準和名:イラ
学名:Choerodon azurio (Jordan and Snyder,1901 )
属:スズキ目ベラ科イラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
釣り魚写真を収集しだした当初に出会った魚で、「イラ」という名は結構自然に出てくる。いらいらする魚?などと語源を調べてみると、「イラ」の語源にたどり着く。
「イラ」という言葉は魚の背びれにあるトゲも意味し、うろこと形状の似た「いらか(甍)」も、この「イラ」に由来するとも考えられているそうだ。だけどトゲ(棘のことかな?)が発達している様子も伺えず、更に調べていくとその性質が苛々していることから「苛魚」の意味という説と、イザ(斑紋)の転訛という説があるようだ。

この魚は漁師も手を出さない。(私の知る人は)
毒がなくてそんな扱いの魚はよほど不味いのかと思われ、私も持ち帰った事はない。最初に出会ったときの情報がインプットされ、私にとっては微妙な感じを受けている部類だけど、その独特な姿は面白いと思っている。

ところが・・・な、お話だけど、私がお世話になっている「WEB魚図鑑」では、投稿の評価では5段階中の4とのこと。身はユルいが、味は良く、柔らかいタラのような感じだという記事を筆頭に、だいたいそんな意見だ。
基本的にベラ科の魚は美味しいけど、そのカラフルな容姿で敬遠されてしまう。昔からの定説としてまずいが前に出すぎた魚なのかもしれない。

身体的な特徴としては、成魚は体側に黒と白が接する斜走帯と頭の張り出し方が他魚との区別方法。

成魚で45Cmほどにはなるベラ科としては大型な部類だけど、写真の魚は35Cmほどで、斜走帯も目だってない。若魚だろう。もしくは、水中だと目立つけど陸ではぼけるのかもしれない。

ナガニザ

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標準和名:ナガニザ
学名:Acanthurus nigrofuscus (Forsskål,1775 )
属:スズキ目ニザダイ科クロハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真のサイズは15Cm程度で、図鑑記載サイズも20Cmほどと大きくはならない種だ。
頭部と胸部に橙色の小さな斑点が多数あることと、背鰭・臀鰭の基底後端にそれぞれ1黒斑があるのが特徴のようだ。

この魚を始めて釣ったとき、すでに紹介している「ニセカンランハギ」の若魚だと信じ疑わなかった。1度釣った魚はさほど写真を残していないけど、これがたまに失敗の元で、そっくりだけど別魚というものも多々ある。
そしてこの魚の場合は小さい個体の画を残しておこう・・・ぐらいの感覚で写した。
そして自宅にていろいろ図鑑を見てたどりつき、「WEB魚図鑑」にて同定して頂いた。

食用としての価値は少ないようだ。

イトフエフキ

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標準和名:イトフエフキ
学名:Lethrinus genivittatus Valenciennes,1830
属:スズキ目フエフキダイ科フエフキダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎で釣れる(触れる)フエフキダイの仲間といえば、ハマフエフキと、このイトフエフキが多い。
基本的に南方系の仲間で琉球列島や八重山だと種類も豊富で面白いけど、宮崎で散見できるのは2種がほとんど。

私が磯場で見かけるのはこの2種のみで、特にイトフエフキは冬期にも時々釣れる。ハマフエフキはどちらかといえば夏から初秋の水温が高い時期。
またエリアも宮崎県南から県北まで万遍に釣れる。

ハマフエフキが1m以上まで成長するのに対して、この魚はせいぜい25Cm程度で、私も見かけるサイズは大体そのぐらいだ。

特徴としては、体側に複数の黄色帯があるが、個体により薄くて判りずらい。背鰭の第2棘が伸びているのも特徴。
まあ、宮崎でスリムなフエフキダイ系統の魚が釣れればこの魚であることが多い。と私は思えるようになった。いつも期待して、結果これだという結論に何度か陥っている。

その味だけど、食べられるけど何かもの足りないという感想。食感しかり、味覚しかり。

イシガキハタ

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標準和名:イシガキハタ
学名:Epinephelus hexagonatus (Forster,1801 )
属:スズキ目ハタ科マハタ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ハタ科の魚は大きくて勇ましい。けどこの魚は写真のサイズが15Cmほどでハタ科?って感じの頼りない風貌。だけどハタ科なんだろうなという印象。
「はた」とは鰭(ひれ)の古名で、つまりハタの仲間は立派な鰭を持つグループだ。

山渓発刊「日本の海水魚」によると、分布としては琉球列島以南で波当たりの強いサンゴ礁外縁部に生息しているということだ。ちなみに基準の大きさは21Cm。

つまり宮崎では珍しいかもしれない。
私が釣ったのは沖の船釣りで、何度か記載しているが、「黄金の瀬」という宮崎市の沖5海里程度の沈島だ。陸はないがほとんど磯の条件を満たしている場所で、しっかり沖の条件もある。
そして釣れた時期は夏なので琉球列島ほどに水温も高い時期。
これこそ海はつながっていると言えることを証明する魚かもしれない。

オキゴンベ

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標準和名:オキゴンベ
学名:Cirrhitichthys aureus (Temminck and Schlegel,1843 )
属:スズキ目ゴンベ科オキゴンベ属
宮崎地方名:?

特徴など:
うなじに少しだけ毛を残して剃髪する髪型を権兵衛というのだそうだ。大正期まで幼児がそのような髪型をしていたらしい。
このゴンベ科の名の由来は、その髪型からのようだ。背鰭の棘の先が写真では判りにくいけど、タンポポの種が飛び立つ前のような毛のようなものがある。これが名前と結びつく。

オキゴンベは私も2~3度釣っている。磯釣りでの足元というか瀬際にいるようだ。
初めて釣れた印象は、変な形のカサゴが釣れたという感じ。ハオコゼのような印象もあったので毒持ちなのかなと触る事もできなかった。その後調べてオキゴンベという名を知るが、これまたゴンベって何ぞや?という感じだった。

ある磯釣り大会にて、メジナの部と他魚の部で審査されたのだが、釣人の1人が「イソゴンベ」を差し出しだされた。割と大きく25Cmほどのサイズだ。
皆、変な魚だとざわめいていたので、私は自信もなかったけど「ゴンベの仲間ですね~」と伝えた。気持ちとしては「イソゴンベです」って言いたかったんだけど。
すると皆「ゴンベ??」
大会に出るツワモノ釣人の誰もがゴンベという名前は意識した事がないのだ。それほどこの和名はマイナーであり、そして魚に触れる機会も少ないのだと思われる。

種類もそこそこに多いけど、小型(大きくても15Cmほど)で釣場でも簡単に釣れるわけでもなく出会う事は難しいかもしれない。この魚種を確認するのは水中に潜ることが必須だろうと思う。
ただしこのオキゴンベだけはたまに釣れるので、仲間で釣っていて見かけたら、その名を断定できればヒーローかもしれない。(ヲタクって言われるかも)

ちなみにイソゴンベは写真募集!(宮崎に生息していることは間違いなし)

ヨメヒメジ

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標準和名:ヨメヒメジ
学名:Upeneus tragula Richardson,1846
属:スズキ目ヒメジ科ヒメジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ヨメヒメジも宮崎では割と普通に見られる魚だ。東京以南の南日本~中国に生息しているそうだ。

この魚の模様もヒメジ科の中では判りやすい。(写真の通り)中央に1本の縦筋があるが、綺麗な1本線でもなく線の幅は乱れている。また尾鰭が虎縞模様があるが、このことから「トラヒメジ」という和名も提唱されていたようだ。現在一般的な標準和名は「ヨメヒメジ」

この魚は私は割りと大きめの固体を何度か釣っている。だいたい30Cm程度だ。図鑑記載の標準的な大きさも30Cm程度だけどこれが成魚サイズだろう。

そしてこの魚の特徴だけど、陸に上がるととても弱い。
撮影のためにボードに乗せると、見る間に体表面の色が変わる。とても不新鮮な色に変化する。
リリースしてもほとんど生還できない。
実は写真の魚は鹿児島の内之浦で釣ったものだ。しかし宮崎県南郷町大島の防波堤でも何度も釣っているので宮崎の魚として写真掲載した。
1度は持ち帰り食べてみたが、極めて不味く感じたのでそれ以降はリリースしている。なるべく早くリリースするように心掛けている。

最近よく参照させて頂いているWEBサイトの「ぼうずコンニャクの市場貝類図鑑」での紹介では、ヒメジ属の魚は身に水分が多く、大きな個体だと鮮魚として流通しているようで、皮下に旨味があり、口に含むと独特の風味が感じられて美味。とのことだ。
私は食べ方を間違っていたのかもしれない。また機会があればチャレンジしようと思う。

コバンヒメジ

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標準和名:コバンヒメジ
学名:Parupeneus indicus (Shaw,1803 )
属:スズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
赤いヒメジ科の魚と比べると、身体的特徴があるので割と見分けやすい魚だ。
その独特な特徴とは、背鰭の後方下ぐらいに大きな楕円形の黄色いボヤけた斑紋があることと、尾柄部分の中心よりちょっと上位置に黒褐色の大きめの斑点がある。(写真の通り)
大きさは40Cm程度にはなるようだ。(写真の魚のサイズは20Cm強)

割と浅瀬(20m以浅)の砂泥地帯などで普通に見られる種のようだ。写真の魚も砂地の混じる磯場で釣った。日向市南にある地磯だ。

味はホウライヒメジ・オキナヒメジなどと比べても遜色はないようで、私は刺身ではちょっと美味いとは感じられないけど、一般的に刺身・鍋類・天ぷらなどで普通に食べられるそうだ。

タカノハダイ

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標準和名:タカノハダイ
学名:Goniistius zonatus (Cuvier,1830 )
属:スズキ目タカノハダイ科タカノハダイ属
宮崎地方名:ヒダリマキ

特徴など:
この魚は磯釣りの外道として磯釣り師には馴染みが深い魚だろう。
タカノハダイという名はまったく浸透しておらず、代わりの名が「ヒダリマキ」だ。全国的にそう呼ばれると思うが、なぜその名が標準和名にならなかったのか。
肉は匂いが臭く不味いという評価が一般的だが、宮崎の釣人は持ち帰る人も多い。
鍋などのネタには問題ない味。
味に地域差と季節差があるようで、夏場だと臭いということのようだ。
割りと簡単に、近場で釣れる大物でもあるので、宮崎県で出ている釣本には、これを対象としたエリア分布図などの紹介もあるぐらいだ。
大きさは標準的なサイズで40Cm程度までだが、これまた50Cmほどの個体も見かけた事がある。
中華料理の食材としても使われているし、ストアーでも時折見かける。

磯釣り師が語るのは、この魚が釣れたときには潮が悪いという。
だいたい磯場の足元の根裏あたり(底周辺)でじっとしている魚だ。

同類に「ミギマキ」「ユウダチタカノハ」という魚もいるが、これは今だに見たことがない。

タカノハダイの名の由来は、その通り「鷹の羽」を想像させる模様から。
個人的にはなかなかスタイルの綺麗な魚だと思っている。

ヨコスジイチモチ

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標準和名:ヨコスジイシモチ
学名:Apogon cathetogramma (Tanaka,1917 )
属:スズキ目テンジクダイ科テンジクダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
テンジクダイ科の魚は釣人は割りと馴染みがある。しかしながら完全に外道扱いで手荒い処理をされてしまう。代表的なものがネンブツダイで、この仲間は一色単に扱われるし、可愛そうな部類の魚だけど、実は種類も豊富で研究したら面白い種類だ。

図鑑に掲載のサイズは12Cmだけど、意識して見だしてからは、15Cmほどには成長するようだ。(宮崎だけ?)テンジクダイ科の魚にしてはかなり大きめだと思われる。
また大きなサイズのものほど歪で老成魚といえるんだろう。写真の魚もそうだ。
もっと若々しく綺麗な同種の魚もいる。

ネンブツダイは群れで、サビキ釣りなどで数多く釣れるが、このヨコスジイシモチはさほど釣れることはない。どちらかといえば単発だ。図鑑での紹介でも単発生活とある。

身体的特徴としては黒褐色の横帯が2本だけど成魚では不明瞭となる。尾柄後端の中央に1つ黒斑がある。そして腹鰭の前縁が白いのも特徴なんだそうだ。

ヒガンフグ

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標準和名:ヒガンフグ
学名:Takifugu pardalis (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目フグ科トラフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
彼岸の頃によく獲れるからヒガンフグだという名の由来だ。
岸から釣れるフグの仲間には、宮崎だともっとも馴染み深いのが「クサフグ」で、次に「コモンフグ」そして「ショウサイフグ」も結構釣れるらしいが私はまだ身体験(写真ありません)

私が知る、食べてもよいフグの類は「シロサバフグ」だけで、当然このヒガンフグも毒持ちなので注意が必要だけど、実はトラフグよりも美味などという記事も見た。だけど小さくて、大きくなっても35Cm程度との事なので養殖向けではない。ちなみに写真の魚は20Cm程度。

私が釣ったのは日向の地磯でちょっと沖は砂場の場所だ。割とメイタ(クロダイの若魚)が釣れる場所で、時々は珍しい魚が釣れる。
その後姿を見たのもこの1度きりなので、そんなに個体数が多くはないと思われる。

写真のようにちょっと茶色掛かった全身像で、ぶつぶつと小さなイボのような突起物があり(カエルのようと言ったほうがよいかな?)危険な感じではないが、ちょっと触りたくない印象。
眼の人間で言えば白目にあたる部分が赤い充血したような眼だ。

山渓「日本の海水魚」によると、春の新月と満月の直後に沿岸のタイトプールや砂浜で産卵するそうだ。

クロサギ

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標準和名:クロサギ
学名:Gerres equulus (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目クロサギ科クロサギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
クロサギ科の魚は沿岸何湾域・河口域に生息しているが、案外知られていない魚かもしれない。
鹿児島(錦江湾)に釣りに行った際は多く釣れたが宮崎は少ない。生息の条件の問題かもしれない。

クロサギが話題になるのは、ミナミクロサギとの違いだ。
吻は二重になっていて目の前縁より前にあるのがクロサギで、前縁を越える(ちょっと大きめ)ならミナミクロサギなんだそうだ。

雑食性で、口を伸ばして砂の中のゴカイ類や藻類も摂餌するそうだ。口は結構な長さに伸びるので釣れたら、触ってみると面白い。伸び縮みするストローのような印象。

食べてないけど、食用として塩焼きや似付けで美味しいそうだ。
山渓発刊「日本の海水魚」には宮崎ではマケラという地方名が紹介されているが、私は聞いた事がない。というより自分で釣った以外に人が釣ったシーンを見たことがない。

ホンベラ

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標準和名:ホンベラ
学名:Halichoeres tenuispinnis (Günther,1862 )
属:スズキ目ベラ科キュウセン属
宮崎地方名:?

特徴など:
ちょっと存在感薄い魚だなぁ。なんて思っていたら、写真を整理しようとして探すけど出てこない。何年か経過して、その存在すら忘れていたけど、最近ここに自分の写した写真を整理しようとして出てきた。あったんだなぁ。

イトベラとインプットしてしまい、いろいろ調べていたけど、どうもピンとこない。そして図鑑を探っていたら、いました!ピンときた魚。そしてWEBさかな図鑑を見たら、ちゃんと登録もしてた。

この魚は四国・九州では普通に見られる魚だそうで内湾性、海藻が茂った岩礁付近に多いんだそうだ。若魚(稚魚)には背鰭の後方に大きな緑(縁が黄色)の斑点がある。ちなみに写真の魚は雌で、雄はキュウセンに似ている。

オニアジ

011015oniaji.jpg
標準和名:オニアジ
学名:Megalaspis cordyla (Linnaeus,1758 )
属:スズキ目アジ科オニアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
体調80Cmほどにはなる魚なんだそうだ。写真の魚は25Cmほどで、これも釣り魚写真を写し始めてからさほど経ってないときの写真なので見づらい画で申し訳ない。
でもその後一度も見ていない。

マアジのようだけど、ちょっと受け口でサバのような小離鰭がある。

たった1度見た(写した)だけで、他で見る機会が無いのは絶対数が少ないという事だと思うが、釣れた後2~3日後に、近くの魚料理店に行った際、焼き魚として出てきた魚もこれだった。
その時期に集中して居たのかもしれない。釣れた場所は日向工業港内だ。

焼き魚の味だが可もなく不可もなくという気がした。それがマアジとして出されたらそう思ってしまうだろう。焼いた身は食感もそっくりだ。ちょっと味は落ちるかなと思った。

あまり流通もしてないようだ。見た目でもちょっと違和感を感じた。マアジ?いやちょっと変って具合だ。多分売っていても買われないだろうなと思う。大量に水揚げされていて慣れていたら別だけど。

ミナミハタンポ

005581.jpg
標準和名:ミナミハタンポ
学名:Pempheris schwenkii Bleeker,1855
属:スズキ目ハタンポ科ハタンポ属
宮崎地方名:?

特徴など:
磯釣りを始めた頃、最初に釣れたのがこの魚で、冬の県南の海の釣場で明け方に足元を覗くとこの魚と思しき姿がそれほどは大きくもない群れで撒餌につられで寄ってきた。昼になると見えなくなったが、どうも夜行性だったようだ。
その後も沖磯にて夜釣りのアジ狙いの仕掛に何度か釣れた事がある。

初めて釣れたときは変わった魚だと思い写真を残し、それを手持ち図鑑で調べたけどなかなか載ってない。
やっと見つけたそれと思われる魚名が「ミナミハタンポ」で、この名はなかなか忘れない。
ただタンポ「TANPO」をタンボ「TANBO」を勘違いしていた。「たんぼ」って名の魚がいる事が面白いと思っていたのだ。

鱗は剥がれやすいし、見た目軟弱な感じでリリース(とうかすぐに死んでしまうけど)してしまうけど、この魚も結構美味しいらしい。

ヒメフエダイ

himehue.jpg
標準和名:ヒメフエダイ
学名:Lutjanus gibbus (Forsskål,1775 )
属:スズキ目フエダイ科フエダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
フエダイの仲間は宮崎だとさほど種類は多く居ないと思うのだけど、まあ本州や日本海側よりは随分多いのかも知れない。フエフキダイの仲間と比べて美味な魚が多いのはなぜか判らないけど、何であってもちょっと嬉しい。美味しいからという理由もあるが、やはりなかなか釣れないから。

写真の魚はまだ幼魚といえる。10Cm弱のサイズだ。
成魚は見た事がない。成魚が宮崎に生息するのか定かではないが、子供がいるんだから親が居るのか?はたまた黒潮に乗り卵・稚魚が宮崎までたどり着いたのだろうか。奄美大島まで行くと成魚というか若魚が釣れるようだ。50Cmほどには成長する魚のようだ。
成長すると全体が赤みを帯びているが、幼魚のうちは尾鰭の根元から中心あたりまで黒っぽく、そこから先の尾鰭端は黄色い。また成魚に成るに連れて尾鰭上葉と下葉の先端が丸まるようで、この尾鰭の形状でも区別できそうだ。

ハチビキ

010814hatibiki.jpg
標準和名:ハチビキ
学名:Trachinotus baillonii (Lacepède,1802 )
属:スズキ目ハチビキ科ハチビキ属
宮崎地方名:?

特徴など:
アオチビキと同じ語尾を持つので同じ仲間だと思っていたんだけど、ハチビキ科という科もあるのか・・・

写真の魚だが、釣ったものではなく知り合いの漁師から頂いたものだ。
だからどんな状態で捕獲されたのか定かではないのだが、宮崎沖にて獲れたのは間違いない。
水深が100m程度の海底で取れるそうだ。

見た目にとても美味しいそうで、実際味は良かったけど、あるサイトで紹介されていた記事としては、この魚の身は血が混ざったような赤と白の中間色の身で、刺身としては人気薄。
でも基本的に赤い魚は美味しいよね。
大きさは標準的なものが40Cmとなっており、写真の魚のサイズもその程度なんだけど、いろいろと検索してたら80Cm級のハチビキが釣れた!って記事もある。
沖釣りで釣れる場所もあるが、宮崎の沖で100mの水深は相当遠方になる。
だから狙われてないしそんなに見かけない。

コバンアジ

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標準和名:コバンアジ
学名:Trachinotus baillonii (Lacepède,1802 )
属:スズキ目アジ科コバンアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚を見たのは3回。一度は宮崎の南防波堤(現在は釣り禁止場所)と、宮崎市青島の白浜防波堤・そして県北の北浦の磯場だ。
つまり決して珍しいともいえないけど、そうそう釣れる魚でもない。

写真の魚が30Cm程度なんだけど50Cmほどまで成長するようだ。体の中心部に並ぶ数個の黒斑は成長するにつれて増えていくようだ。だけど個体差があるのかな?大型の水中写真でも写真でも目立たないのもあるし、25Cm程度でも4・5個の斑点がくっきりの魚もいる。

体は著しく側扁しているので「薄っぺら」な魚ではあるけれど、そのスタイリッシュな体型からは相当な高速な泳ぎをするのではないかと想像させる。釣れるとサイズとはかけ離れた引き込みでびっくりした。引きの割りに小さいのにびっくりだ。

ホウボウ

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標準和名:ホウボウ
学名:Chelidonichthys spinosus (McClelland,1844 )
属:カサゴ目ホウボウ科ホウボウ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ホウボウは釣り魚というより主に小型底曳網などで取れる漁の対象魚で、市場にはあって料理店でも多い。多いのだけど宮崎では少ない。ほとんど水揚げがないのだろう。九州でも福岡・博多などではこの魚の料理メニューを多く見かける。水深が25~615mの砂泥地帯と、かなり深い場所で生息するためか、遠浅の宮崎の海ではあまり取れないんだろうけど、写真の魚が釣れたのは門川の湾内で水深は5m程度。成魚で40Cmぐらいだけど写真の魚のサイズは25Cm程度ということで、まだ若魚なんだろう。
胸鰭が大きく円形に広がり、胸鰭の下部3柔条が鰭と分離していて虫の足のような動きをして底を歩く。その姿が方々歩くから「ホウボウ」という名の由来もあるようだが、別に「ボー・ボー」という泣き声を発するためこれが名の由来という説もある。
広がった鰭の模様が蝶々のようで美しいが、ホウボウの成魚の場合は濃緑のベースに、周囲を美しいブルー色が囲い、後方は黒い大きい斑点の中に小さい周囲を囲むブルー色の小さい斑点がまぶされているという感じかな?写真じゃないと難しいな。この模様のバリエーションで魚名(種類)見分けやすいけど、若魚の時はまだきちんと形成されてなくて混乱してしまう。
というか私は上の写真の魚で混乱した。結局同定してもらってホウボウとなったんだけど。

冬時期に沿岸に近づくので漁獲量が増えるようだ。幼魚(5~10Cm)は防波堤などでも時々釣れる。小さいホウボウは練り物(かまぼこ)の原料になるという情報も頂いた。
houbou.jpg

水中で羽を広げた様子(Photo H.Tanaka)

アカヤガラ

010710akayagara.jpg
標準和名:アカヤガラ
学名:Fistularia petimba Lacepède,1805
属:トゲウオ目ヤガラ科ヤガラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
トゲウオ目っていうのも、昔の図鑑を見たら「ヨウジウオ目」となっている。これも変わったんだろうな。このグループは10科71属267種なんだそうだ。※「日本の海水魚」より。
トゲウオ目で面白いのは「イトヨ」という魚は淡水魚だし、ヨウジウオ科にタツノオトシゴなどが居るが、おおよそ魚とは思えぬ体型。そして写真のヤガラ科とも同じグループっていうのが不思議だ。
このグループについては、スズキ目とかいろいろ分けて残ったものという感じだし独特な進化を遂げておおよそ変な魚となったグループとも感じる。

さて前置きが長くなったが、残念ながらしっかりした写真が残せておらず、暴れるのを足で踏みつけたような画で申し訳ないんだけど、この釣れた魚は体長140Cmほどもあり、この時は全体を写す術を知らなかった。今だったら構想もあるけど、これが釣れる釣りを最近はしてない。
釣った場所は宮崎の沖だけど、アジ狙いだったが結構遠方(深場)で水深60mほどの場所。
自分が持つ船舶免許では行けないポイントだ。

その独特の体型は、体の3分の1ほどを占める吻(ふん)があり、これがストローのような機能を果たし、小魚を吸い込いこむように捕食する。釣れたときは15~20Cm程度の小アジが群れていて入れ食いという中で、ときどきこの魚とマトウダイが同じぐらいの数釣れた。そのアジを捕食してるとすれば、ちょっとびっくりだ。

変な形だけど味はよいと見聞きして知っていたので、その時は吻(ふん)を切り落として身の部分だけ持ち帰って刺身で食べてみた。刺身だと微妙に淡白な感じだったし、臭みなどはまったく感じない。だけど吸い物ダシとしては絶妙で、また京料理だとカツラ剥きで身を取ると聞いた。宮崎だと流通しても、多分需要がなくて安値だと思われる。アマダイなども同じ扱いだ。まあこのあたりの魚も買い得品である。

トラウツボ

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標準和名:トラウツボ
学名:Muraena pardalis Temminck and Schlegel,1847
属:ウナギ目ウツボ科トラウツボ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎で、釣れてしまうウツボ科ではウツボがほとんどだけど、ときにこのトラウツボが混じる。山と渓谷社発刊「日本の海水魚」では、その種類の鮮やかで豊富なこと!
基本的には釣りの対象魚としないので、なかなかお目にかかれない。

万一釣れてしまっても、そのグロテスクで劣悪な顔立ちから、触る事もできずハリスを切って捨ててしまうのではなかろうか?

だけどウツボは狙う人もいる。聞いたら、その刺身はとにかく美味なんだそうだ。

このような蛇のような体系のものを「長物」として研究されてる方もいらっしゃるのだが、長物といえば科名のウナギに始まり、アナゴ・ハモなど美味な魚が多い。そういう意味でウツボが美味いというのは納得。

初夏の「シブ※フエダイ」狙いの外道としてもよく釣れる。夜釣りだけど、餌がオキアミなら確立は低いけど、キビナゴなどを使ったあかつきには、この魚を釣り尽くしてからフエダイを狙えという。
もわっと、ゆっくりと引き込んだらウツボ・・・

新鮮なら持ち帰ってみたいもんだけど、取り扱い注意魚だ。

ハリセンボン

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標準和名:ハリセンボン
学名:Diodon holocanthus Linnaeus,1758
属:フグ目ハリセンボン科ハリセンボン属
宮崎地方名:?

特徴など:
居酒屋に大きなハリセンボンの提灯などを見かける。大きさが30Cmほどだが海でそんな大きなものは見た事がない。せいぜい15Cm程度。

身を守るためにすぐに体をパンパンに膨らまして、硬い数ある棘を全身に張り巡らすので容易には握れない。写真を写すのも一苦労だし、ずっとそのままの姿なので穏やかな状態は水中じゃないと難しいかも知れない。青森以南にいる割とメジャーな魚なんだろうけど、数年前(2004年ぐらいかな?)晩秋だったと思うけど、恐ろしいほどのこの魚の死骸が海に浮いていた。
潮目部分に筋ができるけど、その境部分に、たぶん数万という数で。
新聞にもチラッと記事が載ったけど、これほどの大量の死というのは、突然の水温の変化なのかと思った。そこでWEB検索にて「ハリセンボン・大量死」をキーワードに調べてみると、かなり出てきた。いろんな地域で発生しているようだ。確信的な死の理由はわからないけど、それと同様に大量発生という記事も多く見かけた。これが網に大量に入り、一緒に獲れた魚が傷ついて売り物にならなくなるんだそうだ。
とにかく大量なんだな。

ヒレナガカンパチ

010421hirenaga.jpg
標準和名:ヒレナガカンパチ
学名:Seriola rivoliana Valenciennes,1833
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎の沖に「黄金の瀬」という、浅い所で水深5mという場所が3箇所ある。(黄金の瀬は総称で広い島のような場所で、細かくはそれぞれに名前がある場所だけど)
しかし傍目にはまったく海だ。海中に沈んでいる島があるわけだ。
随分以前の話だが、そこで巨大カンパチが釣れるとして、テレビなどでも紹介され、とにかく毎日のように遊魚船が20~30艘も行って釣り尽くした。だから今は巨大なものは居ない。釣りは時々残酷な行為をもたらす。魚の聖域を破壊してしまうわけだ。
それの罰で、はかなくも昔の栄華は話の種だけどなってしまったし、活気もなくなっている。

だけど小型は居る。重量にして2~3kg程度のものだ。数年前からジギングが流行りだして、カンパチは完全な対象魚だけど、実はこのヒレナガも結構混じる。

これまた写真が悪くて、しばらくクーラーボックスにて寝て頂いているものなので醜いが、1.5kg程度のものだ。
カンパチとの形態の違いとしては、第2背鰭・臀鰭(しりびれ)が伸びていることと尾鰭下葉先端が白くないこと。そしてカンパチより南方系。
カンパチが2m近くまで成長するのに対して、ヒレナガは1mちょっとぐらいらしい。

アオブダイ

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標準和名:アオブダイ
学名:Scarus ovifrons Temminck and Schlegel,1846
属:スズキ目ブダイ科アオブダイ属
宮崎地方名:いがめ(ブダイ科の魚の総称?)

特徴など:
アオブダイは宮崎でも、ブダイ・ヒブダイと並びよく見かける魚だ。
だけど、写真の魚は若魚で30Cm程度。この魚は大きくなり80Cmほどまで成長する。

雄の大型は頭が突き出して迫力ある風貌だ。沖磯などで時々格闘されたあげく、この魚でがっかりされている姿も見かける。願わくばその写真を写させてほしいと常々思っている。
内臓を食べての中毒例がけっこうあるようだけど身は安全。だけどブダイほどに美味しくないという噂も聞いていて、写真の魚もリリースした。

夜、眠る際は口から粘液を出して、自分を覆う薄い透明の「寝袋」を作り、その中で眠る行動が知られているんだそうだ。

ブダイの由来は「武鯛」なんだそうだ。つまり武士が鎧を着たような姿の魚だから。

ハオコゼ

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標準和名:ハオコゼ
学名:Hypodytes rubripinnis (Temminck and Schlegel,1844 )
属:カサゴ目ハオコゼ科ハオコゼ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は危険だ。うっかり触ると2日ぐらいブルーな気持ちで過ごさねばならない。背鰭の棘(キョク)に強い毒があって、小さい魚なのに大打撃なのだ。
私は1度経験した。痛いというより、だんだん気分が悪くなって、腫れたかどうかはよく覚えてないのだが、とにかく辛かった。

大きくても10Cm程度の魚で、磯場に近い防波堤周辺で釣れる。
ファミリー釣りのサビキなどでも釣れるので、子供と一緒に行って、この魚が釣れたときには触らせないよう、お父さん要注意。この魚と「ゴンズイ」は姿形を覚えておきたい最低限度の魚だ。

ブリ

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標準和名:ブリ
学名:Seriola quinqueradiata Temminck and Schlegel,1845
属:スズキ目アジ科ブリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ブリも、マアジ・カツオなどと並び、馴染み深い食卓の魚だ。特に冬時期・寒ブリは美味しく、照り焼きなどは私も大好きな料理の1つだ。

全国的に出世魚として成長過程で呼び名が変わる事も有名だが、九州だとワカナゴ → ヤズ → ハマチ → メジロ → ブリ → オオウオ というらしい。
だけど宮崎だと釣人が意識している名前は、ヤズ・ハマチ・ブリぐらいかな?
サイズにより呼び名の意識も変わるけど、ヤズは40Cm未満・40~60Cmがハマチで、それ以上がブリという感覚かも知れない。私はそう思っている。
宮崎だと、北上・南下の中継点なので、釣れるサイズも中間サイズなんだろう。

秋口(10月前後)に船釣りでは対象魚として狙われ、また初冬に門川の沖磯などで集中的に釣れることがある。サイズはハマチサイズで40~60Cm程度だ。

写真の魚だが、これまた写りの悪い写真で申し訳ないけど、船釣りで釣れたものだ。
これが釣れたのは宮崎の沖、黄金の瀬の、実は狙いはメジナで、その仕掛けに数匹釣れた。
メジナの仕掛け(ハリス2号程度)だと、簡単に勢いで糸を切られてしまい、持ちあわせていた4号ほどのものでやっと釣れた。
その時の状況だが、3名ぐらいで入れ食い状態となった。
また、1人が便意をもよおし、船尾にて垂れ流す羽目となったが、そのタイピングでまた釣れだした。コマセ状態となったんだろう。思い出しても漫画のような展開だったけど、そして釣れた魚がそれを食べてると思ったら「・・・・」なんだけど、まあすぐに身に染みるわけでもないし。その時は忘れる事にしてしっかり食べた。

ブリとヒラマサはかなり似ているので見分けずらいけど、実際には雰囲気で判る部分もある。

①上顎後端の上角は丸いのがヒラマサで、角ばっているのがブリ
②胸鰭と腹鰭は、腹鰭が長いのがヒラマサで、ほぼ同じ長さなのがブリ

だけどヒラマサはスリムで、鰭の黄ばみも濃いし、鰭全体が大きく見えて泳ぐ姿もスピード感があると想像される。まあ上の2つで概ね解決だろう。

ブリとヒラマサは基本的に生息している場所の違いもあると思うのだが、ブリは近海沿岸部のちょっと沖目を大群で回遊し、ヒラマサは更に岸に違い場所を小さな群れで動いているのではなかろうか?
だけど、ブリ狙いで有名な門川の沖磯「ブリ礁(バエ)」などでは混在する。

オキアジ

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標準和名:オキアジ
学名:Uraspis helvola (Forster,1775 )
属:スズキ目アジ科オキアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
沖にいるアジだから「オキアジ」なんだろうか?確かに岸辺からは釣れない。そこそこの水深がある場所で釣れる。サビキ釣りなどで釣れるサイズは30Cm前後ぐらいで数匹まとめて釣れる時があるので、そこそこの群れで動いているんだと思う。

写真の魚のサイズは48Cmだった。普段見かけるオキアジとは体高もちょっとスリムで、顔も勇ましい。30Cm前後のものだと横帯模様が目立つけど、写真の魚は釣り上げてすぐに撮影したものだけど筋は目立たない。またこの魚は写真写りがとてつもなく悪い。
実際にみるとこれほど汚れた感じではないのに写真ではひどい。

口の中を覗くと、真っ白なのが印象的だ。ペンキ塗りたてと言う感じの真っ白。

この魚は汚れて見えるだけに市場の取引も安値なんだそうだ。でも実は味はよく、つまり買い得な魚だ。関東でもあまり流通してないらしい。特に夏時期の新鮮な魚の刺身は絶品なんだそうだ。

ブダイ

budai.jpg
標準和名:ブダイ
学名:Calotomus japonicus (Valenciennes,1840 )
属:スズキ目ブダイ科ブダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
これがブダイの中のブダイ。だけど写真の魚はちょっと小さめで若魚だ。
ブダイの仲間としては、青→アオブダイ・赤→ブダイ・黄色→ヒブダイ が宮崎ではよく見かける種でよくまあこんな色に分かれたもんだと思う。ブダイの色は決して食欲が沸く色でもないが、ブダイ・ヒブダイは柔らかい身だけど甘みがあり美味しい。揚げ物などに最適でフワッとした食感がいい。アオブダイだけは私は食べた事がない。最初に不味いと聞いてしまったからだが、特に身が危険だと言う事もない。ただ内臓は中毒を引き起こす例が多くあり、やめたほうが良いようだ。

写真の魚は目が上方を向いて、いかにも底から上を見上げるように捕食していた個体なんだろうなと思う。多くのブダイの写真を見ても、こんなに上目使いの様相ではない。

磯釣りでは割りとメジナの外道として釣れる事が多い。45Cmほどまで成長するようだが、雄になると赤色がだんだん緑っぽい感じになる。寿命は7年ぐらいなんだそうだ。
宮崎の南部では専門に狙う釣人もいる。狙えば海草などを針に巻きつけて割りと簡単に釣れる。
大きいし美味しいから狙ってもいい魚だけど釣り味としては引きが弱いので面白みには欠ける。

カツオ

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標準和名:カツオ
学名:Katsuwonus pelamis (Linnaeus,1758 )
属:スズキ目サバ科カツオ属
宮崎地方名:?

特徴など:
カツオを知らぬ人は居ないだろうけど、宮崎では海面漁業(養殖含む。)生産額の約 4 分の 1 を占める基幹漁業なんだそうで、春カツオといえば南日本の宮崎・鹿児島がもっとも早く出荷していく。宮崎県南部の南郷町は近海かつお一本釣漁業の漁獲高日本一を誇る。
宮崎の南部では、カツオが豊富な事から、その食べ方についても拘りがあり、独特の甘醤油文化が発達している。カツオ飯なども名物。

春に九州から北上して北海道南部に到達し秋には太平洋を南下する。日本海には少ない。
土佐の一本釣りと言う言葉も子供の頃から聞いているし男の漁といえばこれ!
それほど馴染み深いけど、レジャーで釣れる魚とはいえない。近海と言えど一般的な個人向けの船舶免許の範囲で釣れる魚でもなく岸の近くにもいない。やはり漁対象の魚だ。

相当大きくもなる。1.2mにもなるようだ。カツオの模様は写真のように後方腹部に数本の縦筋が入る。この筋が無ければ、これに似た種は多くて見分けにくいかも。

ウミスズメ

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標準和名:ウミスズメ
学名:Lactoria diaphana (Bloch and Schneider,1801 )
属:フグ目ハコフグ科コンゴウフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
「ウミスズメ」をgoogle検索すると間際らしい。ウミスズメ科という鳥のグループがある。
私もこの名で、魚はピンとこなかった。
スズメの由来を調べてみると、「スズ」=鈴 か、小さいものを指す「細小」ささ→スズとなったそうで、「メ」は群れと言う事ではないかという説があるようだ。
もちろんスズメという鳥は馴染みだと思うが、まあ海にいるスズメなんだろうな。違うのかな?

正面から見てみると、ハコフグは四角く見えるのに対して、このウミスズメは三角なんだそうだ。写したときはその事を知らなかったので残念ながら写真は残せていない。

ウミスズメもハコフグ同様の食べ方ができるようだけど、食品衛生法ではこの魚の販売を禁止しているそうだ。ハコフグと同じく皮膚に粘液毒をもっている。

サイズは25Cmほどになるようだが、写真の魚は15Cm程度。もっと小さければ腹面が丸いようで、成長するにつれて平坦となる。

リュウグウベラ

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標準和名:リュウグウベラ
学名:Thalassoma trilobatum (Lacepède,1801 )
属:スズキ目ベラ科ニシキベラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ベラ科の魚はとくに種類が豊富で、カラフルで面白い。ニシキベラ属グループの魚はベラ科の中でもカラフルだけど、その中でもこのリュウグウベラは格別だ。
なんてったって3原色の色(赤・青・黄)が全体に催されているし、対照的な色が交互だ。

生息域が八丈島・沖縄島以南という分布のようだが、私は宮崎で釣った。いつも行く南郷町大島の磯場だ。分布に反して釣れる魚は嬉しい。もしかして北限が変わるのではないかという期待感があるのだが、正直温暖化が進んでいる証拠だともいえるし、海はつながっているから渡ってくるのは自然なことだ。ちなみに図鑑等に記載してある分布は「おおよそ」である。
よっぽど北分布の魚が宮崎で釣れたり、その逆で沖縄生息の魚が北海道で出たらちょっとした騒ぎにはなるんだろうけど、宮崎の海は熱帯域ともいえる。

25Cmほどが標準サイズだが、写真の魚は27Cmだった。この標準的なサイズっていうのもいい加減だ。成魚でだいたいこの程度で成長がとまるのではないかというサイズだ。

ベラの仲間の多くがそうであるように、このベラも雄・雌で模様が違う。写真の魚は雄型だ。
雌の場合はもう少し色が落ち着いていて、頭部には目立つ斑紋がある。

アヤメカサゴ

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標準和名:アヤメカサゴ
学名:Sebastiscus albofasciatus (Lacepède,1802 )
属:カサゴ目フサカサゴ科カサゴ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ほとんどカサゴそのものの姿なんだけど、見た目で違うのは色合いだ。写真のごとく黄色い虫食い斑が目立つ。アヤメカサゴは眼の下に棘があり、カサゴにはないという違いもあるようだ。

一般的なカサゴよりちょっと深めの場所に生息するそうだ。(30~300mの水深の岩礁)
写真の魚も沖の船釣りだった。
味はカサゴにちょっと劣るという情報も見たことがあるが、多分区別が付かぬほど美味しい。

大きさは標準的なもので25Cm程度。

カサゴ・ウッカリカサゴとこの種は間違われやすい。この記事の記載現在、ウッカリカサゴは見た事がないけど気が付いていないだけかもしれない。だたポイントを抑えておくと逆に魚の名が何なのかがとても楽しくなる。

ヒラソウダ


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標準和名:ヒラソウダ
学名:Auxis thazard (Lacepède,1800 )
属:スズキ目サバ科ソウダガツオ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ソウダガツオの仲間には写真のマルソウダとヒラソウダの2種類がある。
この2種は区別できないと、刺身を美味しく味わうことができない。ヒラだったらかなり美味しい。マルソウダの場合は血合いの身が腐りやすいと言う事もあるし、味もいまいち。

という記事はマルソウダの紹介の際に書いたけど、こっちが美味しいほうだ。

マルソウダが群れで釣れるのに対して、このヒラソウダの場合は磯のフカセ釣りなどの折りに単発で釣れることが多い。マルソウダほどの大きな群れでもないのだろう。
この魚は表層を突っ走るので釣り上げるのは楽じゃない。右に左に竿を揺すぶられる。

大きいのは60Cmにもなるようで、そのサイズならカツオと間違われるかもしれない。
釣人はこの魚が釣れたら「かつおが釣れた!」っていうけどね。

ちなみにこの魚は全世界の熱帯・温帯海域に分布しているそうだ。
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上がヒラ・下がマルです。違いが判るかな?

アカエイ

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標準和名:アカエイ
学名:Dasyatis akajei (Müller and Henle,1841 )
属:エイ目アカエイ科アカエイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
魚を大きなグループで分けたとき、ヌタウナギ綱・頭甲綱・軟骨魚綱・硬骨魚綱 の4つに分類されるのだが、サメやエイの仲間はこの中では軟骨魚綱に属する。一般的なスズキ目類の魚は硬骨魚綱。
内部骨格が軟骨でできているからなんだそうだが、鰾(ウキブクロ)や肺がないのも特徴のようだ。

前置きが長くなったけど、アカエイは割りと馴染みのあるエイで、沿岸に多い魚だと思う。50Cm程度が標準サイズだけど尾部まで測れば1m以上にはなる。時々、この大きな魚体が浮いてきてびっくりするときがある。

尾部の尾棘(ビキョク)に触れると危険な魚だが、食用としてはなかなか珍味だ。乾燥させた体盤部分を焼いて食べると独特の匂いと食感。

この魚は底でじっとしていることはなく、常に表層・中層を泳ぎまわっているんだそうだ。泳ぎ方は左右の胸鰭を同時に振り下ろす、はばたき型。

ウミヒゴイ

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標準和名:ウミヒゴイ
学名:Parupeneus chrysopleuron (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚が「ウミヒゴイ」であるのかは、実は同定してもらったこともなくて微妙なんだけど、まあ間違いないかなと思っている。

この魚のサイズも40Cmほどだったけど50Cmぐらいまで成長するようだ。ちょっと深めの岩礁域の砂泥底に住んでいるようで、サビキ釣りの折り、底まで仕掛を落とすとくっ付いてくることがある。

ウミヒゴイとは良い名をつけたもんだと思う。その通りの容姿だ。
海の中だと1本の太めの縦帯が中央に目立つのだが、釣った写真では目立たない。
時々、この手の魚が鍋用として売られているけど刺身ではさほど美味しくない。鍋ならではの食材だ。(と思うのは私だけ?)
ヒメジ科の中では美味しいという評価ではある。

ホウライヒメジ

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標準和名:ホウライヒメジ
学名:Parupeneus ciliatus (Lacepède,1801 )
属:スズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ホウライヒメジの「ホウライ」って何だろうと気になるところだけど中国の伝説で東にある仙人の住む理想郷と伝えられるのが「蓬莱」という記事があった。かってな想像だけど、なんとなく仙人顔の魚だ。でもそれが名の由来ではないかな??

ヒメジ科の魚は下顎(かがく)※アゴに1対のアゴ髭がある。この髭はちょっと太く、砂泥に突っ込んだりして底生の小動物を探し出し捕食するためにある。
他の魚と区別するには、この髭があるか否かで簡単に見分けができるのだが、日本にはヒメジ科の魚が22種いて、これをきちんと見分けるのはきちんとした知識が必要なのかもしれない。
だけど釣り人も漁師も、この魚を見ると総じて「オジサン」という。「オジサン」という標準和名のヒメジ科の魚も居る。

ホウライヒメジも結構大きくなるヒメジ科の魚だけど、40Cm前後には成長するようだ。
尾鰭手前に暗褐色な斑紋があるが、写真の魚もそうだけど、これは目立ったり不明瞭だったりで決め手にはならない。オキナヒメジがよく似ているけど、その暗褐色な斑紋がちょっとくっきりで、左右にあるのがオキナで、中心に大きくかぶさっているのがホウライなのではないかと思っている。

ホウセキキントキ

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標準和名:ホウセキキントキ
学名:Priacanthus hamrur (Forsskål,1775 )
属:スズキ目キントキダイ科キントキダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
キントキダイの仲間は、基本的には深場に生息しているのではないかと思う。だけど、この魚だけは岸辺からでも釣れる。
この魚も防波堤で、まあまあ深い場所だけどそれでも水深は8m程度だ。
図鑑情報では水深250mという深場まで居るそうだ。

写真の魚には体に横帯があるが、この帯は釣れたすぐの状態だった。だけど5分もすると真っ赤になった。興奮すると色が変わるようだ。
恐らく深場なら赤いのではないか?深海にすむ魚は、真っ赤な姿のものが多いけど、暗い環境の中で身を守るのなら赤が適しているんだろう。

石垣島で釣りをした際にもこの魚が釣れた。南方の、かなり広い範囲で生息しているようだ。
食べても美味しいけど、ちょっと変わった形だし、30Cm前後ぐらいが標準サイズだと思われるけど結構体高もあるので迫力もあり、釣れたら嬉しい。
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石垣島で釣れた個体

マルソウダ

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標準和名:マルソウダ
学名:Auxis rochei (Risso,1810 )
属:スズキ目サバ科ソウダガツオ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ソウダガツオの仲間には写真のマルソウダとヒラソウダの2種類がある。
この2種は区別できないと、刺身を美味しく味わうことができない。ヒラだったらかなり美味しい。マルソウダの場合は血合いの身が腐りやすいと言う事もあるし、味もいまいち。
それでも料理次第ではおいしい。ある日、この魚ばかりで他が釣れず、しかたなく持ち帰った事があるが、その魚を知人の料理店店主が味噌煮にしてくれた。味付けの問題だと思うけど信じられぬぐらい美味しかった。

見た目で区別するなら、細長く幅があり丸まった形のもの(体の断面が丸い)がマルソウダで、体高があり、わずかに幅が狭いのがヒラ。だけどヒラソウダによく似たスマやクロマグロの幼魚などが登場した日には、なにがなんだかという感じ。

この魚は時々大量に沿岸に押し寄せるときもあるし、沖のサビキ釣りなどで表層に群れていて、仕掛を下に下ろす途中で喰ってきて釣りの邪魔をする。まあ邪魔だけど、これが活性が高いときは他の魚も高いと思うわけで、そんなときはいろんな魚が釣れるので楽しいのだけど。

大きさは図鑑記載だと55Cmにもなるようだが、よく見かけるサイズは30~35Cm程度だ。

ハマトビウオ

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標準和名:ハマトビウオ
学名:Cypselurus pinnatibarbatus japonicus (Franz,1910 )
属:ダツ目トビウオ科ハマトビウオ属
宮崎地方名:?

30~45Cmにもなる大型のトビウオだ。宮崎の人が見ているトビウオとは、だいたいこの種ではなかろうか?
だから長崎・福岡あたりで「アゴ」として乾燥したトビウオが土産で売っていて、その小ささが気になった事がある。昔はトビウオって1種類だと思っていた。でも宮崎のトビウオが特別に大きいのだと思った。

日本産トビウオって6属29種もあるようで、判断は難しい。

しかし写真の魚の別のアングルでの判断だけど、不分枝軟条が頭に近い方から上1本で、2本目から分かれている。分かれ方が2本目は大きく2つに分かれているだけで、3本目から細かく(2×2×2)に分かれている。
それと背鰭前方鱗だが、かなり判りずらいものの41~42枚のよう。
他に
・胸鰭が長く背鰭基部後端をこえている。
・腹鰭は長くなく、臀鰭基部後端に達していない。
・尾鰭の、とくに下葉が黒くなっている。

などという何とも難解な判断をしてハマトビウオと断定。
(この上の写真だけだと判断は難しい)

一時期はこの魚も激減したようだが最近はまた増えてきているようだ。
春先から沖の釣りに出かけると、船脇を避けるように飛び出して、結構な距離を滑空している姿は見ていて気持ちいい。宮崎南部の都井岬では、夜のトビウオすくいが観光名物だ。光に向かって飛んでくるので、かってに船にトビウオが乗り上げてくる。

その油っ気がない、あっさりした刺身は夏の季節によく合う。焼いても美味しい魚だ。

ダルマガレイ

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標準和名:ダルマガレイ
学名:Engyprosopon grandisquama (Temminck and Schlegel,1846 )
属:カレイ目ダルマガレイ科ダルマガレイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
カレイ目の魚については、宮崎に生息しているのはウシノシタの仲間を除き3種ほどではないかと思われる。ヒラメ・テンジクガレイ・そしてこのダルマガレイだ。
よく釣りの対象魚となるイシガレイ・ババガレイ・ホシガレイなどは宮崎には生息していないと思われる。ちなみに左ヒラメに右カレイと言うけど、宮崎のカレイの名を持つ2種とも有眼側が左なので、右向きの魚は居ないということになる。(と思っているだけかも)

ダルマガレイだけど、写真ではそれなりの存在感だが実は小さい。写真は8Cmの個体だ。
大きくても15Cm程度のよう。たまたま変な小さなカレイが釣れたという存在感だ。
その大きさなので当然ながら食用としては練製品の材料にされるぐらい。

「山と渓谷社」発刊の「日本の海水魚」によると、水深は30~45m程度に生息するとなっているが、私がこの魚を釣ったのは宮崎県北・門川町でのキス狙いで、深さは3~4m程度。

マトウダイ

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標準和名:マトウダイ
学名:Zeus faber Linnaeus,1758
属:マトウダイ目マトウダイ科マトウダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
沖のサビキ釣りで小あじの群れの中にアジ喰いの魚が寄ってきて嬉しい思いをするときがある。それがヒラメやカンパチであれば言う事無し!
でもこの魚やアカヤガラである場合も・・・ちょっと嬉しい(なぜなら大きいから)。そして食べても良し。

写真のマトウダイは口を伸ばした状態だけど、まさに馬面。だから馬の頭のタイということで「マトウダイ」という説と、体の真ん中に、写真では釣り上げてから時間が数時間経過しており随分薄くなっているけど、丸い的のような模様があり、的(まと)ダイ→マトウダイという2つの名前の由来があるそうだ。生魚はくっきりと見えている。
鰭も長く、見てのとおり、とにかくグロテスクな魚。
長く伸びる口で、アジなどの子魚を吸い込むように食べるんだと想像できる。見た目にはおっとりしているようだけど動いている小アジなどを吸い込むんだから、その口の動きは相当早いんだろう。

けっこう大きく40Cm程度。深め(40m以深)の沖の釣りで潮があまり動かない時に釣れる雰囲気がある。

鳥のささ身(刺身)のような食感は、肉食魚の特徴ともいえる。いたって柔らかく淡白。どんな料理でもできそう。
この魚、結構美味しいのに市場の価格はかなり安いそうだ。
消費者って、基本的に知った魚しか受け付けないもんね。見た目も気持ち悪い魚はなお更敬遠されるのだろう。しっかりと魚を知ると、安価に美味しい魚を食べられると言う事なのだ。

オビブダイ

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標準和名:オビブダイ(写真は若魚)
学名:Scarus schlegeli (Bleeker,1864 )
属:スズキ目ブダイ科アオブダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚は同行者が釣ったものだが、いろいろ調べて結局判らず、ついには神奈川県立生命の星・地球博物館・瀬能博士にメールで同定して頂いた写真だ。
その時の内容だが

私のメール内容
「大きさが28Cmの魚で、ブダイとしては若魚という感じですので
オビブダイの模様がしっかり出てないものだと思いましたが、ぜひ専門家の方々の意見を伺いたくメールを送らせて頂きます。」

に対しまして以下の通り。
「同定についてですが、ご指摘のとおり、私もオビブダイの若魚だと思います。
●頬の鱗列数が2(画像からはそう見えます)であること、
●体色に赤みが強いこと、
●背鰭の中央に青い縦帯が形成されつつあること、
などが根拠です。」

と言う事でオビブダイとしている。模様でははっきりしないけど、概ねオビブダイの特徴を持っているようだ。成魚では雄と雌で全体的な色が変わるけど雌のほうが赤が強い。

オビブダイを見たのはこの魚の撮影をした1回限り。
多分そんなに多い魚ではないだろうけど貴重な宮崎生息種と言う事にはなる。

カタクチイワシ

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標準和名:カタクチイワシ
学名:Engraulis japonicus Temminck and Schlegel,1846
属:ニシン目カタクチイワシ科カタクチイワシ属
宮崎地方名:?

特徴など:
タチウオ科でもスズキ目なのに、イワシはなぜニシン目なんだろ。・・・というわけでいろいろ検索してみたけど、どうもよく判らん。「鰭は全て軟条からなり、棘条(とげ)は発達しない。」というのがポイントになるのかもしれない。
2003年ぐらいに記録していた魚の情報で「スズキ目ニシン科」としていた。ということはごく最近スズキ目とニシン目に分かれたのかも知れない。携わり方が薄くてなんとも浅はかな情報ですみません。

とにかくカタクチイワシだが、その名は写真の通り「あご」にあたる部分が抜けたような形状だからだろう。
この魚の稚魚は「ちりめんじゃこ」やニボシ※いりこの材料として捕獲される。沖合いで魚群探知機に大きな群れが表層から中間に丸くあればこの魚の群れである事が多いと思われるが、表層を群れで向かってくるときがあり、サビキ釣りなら確実に数珠なりで釣れる。
普段は持ち帰らないけど餌として残し大型魚を狙うときがある。弱い魚なので針掛かりした後はすぐに死んでしまう。

最近はちりめん漁も漁獲量が随分落ち込んでいるようだが、寿命は2年ほどの魚で、とにかく大量に子孫を残す。世の中で数だけなら上位に位置するんじゃなかろうか。

ヒシヨロイアジ

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標準和名:ヒシヨロイアジ
学名:Carangoides chrysophrys (Cuvier,1833 )
属:スズキ目アジ科ヨロイアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
あまりにも特徴などを紹介しているWEBサイトが少なく、また私の品祖な文献でも特徴を伝えられる情報がなくて困ってしまうのだが、吻端が鈍いとうかちょっと出張っている事とエラの上部に割りと大きめな鈍い黒斑があるのが身体的な特徴かも知れない。

この魚は私が沖釣りを始めた1999年の冬に知人の釣師匠から土産にもらったものだ。宮崎市の沖で釣れたとの事だった。
大きさは40Cmほど。
その時はさほど魚の種類について興味があったわけでもなく、なんとなく捌く前に写真を残しとこうという気持ちだったので、とても見にくい画になっている。

割と大きくて刺身も期待したんだけど、一緒に頂いたマアジの方がよっぽど美味しかった。
無知識なことに、なんの根拠もなくこの魚が「ギンガメアジ」なんだと思い込んでしまったので、今でもギンガメアジは美味しくないという印象のままで、逆にきちんとギンガメアジを食べた事がない。

ウマズラハギ

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標準和名:ウマズラハギ
学名:Thamnaconus modestus (Günther,1877 )
属:フグ目カワハギ科ウマズラハギ属
宮崎地方名:ウマズラ

特徴など:
以前はウマズラハギと言えば、沖でも、潮通しのよい沖瀬などでも餌取りとして群れている事があり嫌われていたけど、昭和30年代にこの魚が大量に発生して、昭和43年頃から西日本でも目立って増え始めたいう記事を見た。最近は数が減っているのかそれなりに貴重で喜ばれる魚になったと思う。

基本的に美味しいだから当然と言えば当然。

この魚の名の由来は、まあほぼ間違いなく馬面(うまずら)のカワハギだからウマズラハギだ。
釣れたときに尾鰭が微妙に深緑色なのが気になる。多分形が似通ったキビレカワハギとの区別に使えるポイントだと思うけど水中写真を見る限りでは模様も様々だ。

図鑑を引用して特長を述べると、水深100m以浅の砂泥地や岩礁域に多く生息していて、小型底生動物を食べる。産卵期は初夏で沈性粘着卵を産むそうだ。

クロウシノシタ

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標準和名:クロウシノシタ
学名:Paraplagusia japonica (Temminck and Schlegel,1846)
属:カレイ目ウシノシタ科タイワンシタビラメ属
宮崎地方名:?

特徴など:
なんとも気味が悪い姿と肌触りだ。姿は名の通り「牛の舌」の如し。そしてウナギのようにスベスベで持ち難い。

写真の魚は引きずっていたシャコの仕掛に喰らいついてきたので、結構獰猛な食性だと思うが、その口の姿を見ても、どのように捕食するのか想像できない。

写真の魚が「クロウシノシタ」だと思われる根拠だが、口の周囲に歯のような触髭があるからだ。

食べても美味しいようだが、同行者の話では、漁師にとってはリリース魚だという。市場に出しても安値だし、なにより気色悪い。

クロヒラアジ

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標準和名:クロヒラアジ
学名:Carangoides ferdau (Forsskål,1775 )
属:スズキ目アジ科ヨロイアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この記事を書いている私は、現在釣り暦・約9年。ここ1~2年はあまり行ってないので魚との出会いは少ないんだけど。

アジ科の魚は現在20種以上と出会っている。びっくりだ。
それぞれの魚の紹介はいずれぼちぼちと。

写真はクロヒラアジと言う。(そうだ)
今から5~6年前に釣れたもので、最近までイトヒラアジだと思っていた魚である。

私がいつも魚鑑定で利用させてもらっているサイト「WEB魚図鑑」にて、最初はイトヒラアジとして同定頂き登録していたのだが、修正を受けた。宮崎からは投稿が2件あるので、生息はそこそこにしている魚なんだと思われるが、そんなに釣れない。

分布 ■南日本。インド・太平洋域。珊瑚礁などの沿岸浅所にすむとある。
この魚は宮崎市・堀切峠の岩場で釣れたんだけど、基本的には内湾にはあまり入ってこず、開けた場所を好み、群れで生息するようだ。

この手のアジ科の魚では、イトヒラアジ・テンジクアジなどが良く似ていて区別しずらいと思うが、特徴を押えたらさほどでもない。

クロヒラアジは生時には8本の横帯がある。でも石鯛のようにはっきりとは出てない。尾鰭・背鰭の鰭先が長いのも特徴。吻(くちさき)が丸っこい。との事。

イトヒラアジ

011015itohira.jpg標準和名:イトヒラアジ
学名:Carangichthys dinema (Bleeker,1851 )
属:スズキ目アジ科イトヒラアジ属
宮崎地方名:?

写真のお魚のサイズ:25Cm
釣場:日向市白浜港前

特徴など:
尾鰭・背鰭の鰭先が長く、吻(くちさき)がちょっと尖っている感じの魚だ。この魚はちょっと珍しいらしい。WEBさかな図鑑を見ても、投稿されている写真は私の上の写真を含む2つだけだ。

この魚は船のシロギス狙いの釣りで釣れたもので、キスを釣る条件としてはかなり濁っていて、波もあり、仕掛が浮いていた状態でなかなか厳しい状況下、たまたま釣れたものだ。
本命のキスは条件が悪すぎでまったく釣れなかった。

場所の条件として、底は砂地なんだと思う。

印象として、とても綺麗で美しい顔のアジ。

アジ科イトヒラアジ属の魚として日本で報告があるのは、この魚とテンジクアジという種があるが、残念ながら、テンジクアジは釣ったこと・見た事がない。

ギンガメアジ

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標準和名:ギンガメアジ
学名:Caranx sexfasciatus Quoy and Gaimard,1824
属:スズキ目アジ科ギンガメアジ属
宮崎地方名:幼魚はエバ

特徴など:
この魚の名を初めて知ったのは、ある写真集でこの魚が相当なる群れで泳ぐ姿だったが、50~60Cmほどに成長しても大きな群れで動くようだ。

そんなギンガメアジは秋口に宮崎の河口でたくさん釣れる。
※宮崎に限らずだろう。

宮崎では「エバ」と呼ばれる。ヒラアジの幼魚を総称してエバと呼ぶが、実際には、カスミアジ・ロウニンアジの幼魚も混じる。

判ってしまうと区別は簡単で、エラの上部に小さな黒斑点があることと、若魚・成魚になるほど、アジ科特有のゼンゴの後方(中間から尾びれ間)が黒くなる。

最初に河口から始まって、だんだん川を上る。これは捕食のためだが随分登るようだ。ある程度登ると、また下ってくるが、その期間は秋口の約1~2ヶ月。

ある程度の大きさまで河口から周辺の海の際に居るが、その後大きくなると南下していくようだ。
宮崎でも南の地域の方が大型が釣れる。

時期になるとストアーに煮付け用の食材としてこの魚が並ぶ。

釣りはルアーで面白い魚。魚の姿が見えれば誰でも釣れる。荒食いする魚なのだ。

ロウニンアジ

009143.jpg標準和名:ロウニンアジ
学名:Caranx ignobilis (Forsskål,1775 )
属:スズキ目アジ科ギンガメアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
河口で釣れるヒラアジの1つ。

ロウニンアジは大きくなる。その大きさは180Cmとも2mとも。重量も80Kgだって。

GT(ジーティー)と呼ばれ、トカラ列島・沖縄列島では対象魚として大型を狙うのが盛んだけど、ハワイの南・クリスマス島は大型が釣れる場所として、その名を轟かせる。

さて宮崎だと5~25Cmほどがメインだが、50~60Cmまで釣れる場所はあるようだ。

体高があり、小さくても貫禄がある顔。尾鰭の下先が黄色い。

時々、防波堤でサビキ釣りをしていて、この幼魚5~10Cmが入れ食いする時がある。釣った方に「ロウニンアジですね」なんて言うとビックリされる。私もこれがロウニンアジの幼魚って知った時は驚いた。今では結構釣れる事を知ってるけどね。

夢とロマンの釣り
これがGT狙いである。釣り番組で時々見るGT狙いは、腕の太さほどもあるルアー(ホッパー)をめいっぱい投げて魚を誘う。掛かるとまさに死闘である。

写真の魚も25Cm程度なんだけど、これもビックリだった。
キビレチヌを狙おうと、マハゼ生餌を付け、置き竿にしてたが、結構な引き。生きた10Cmほどのマハゼを丸呑みしていたのだ。
獰猛な魚だと思った。

イトヒキアジ

002452.jpg標準和名:イトヒキアジ
学名:Alectis ciliaris (Bloch,1788 )
属:スズキ目アジ科イトヒキアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
アジ科の魚の中でも最も体高があるイトヒキアジは、幼魚・若魚の内は鰭先が異様に伸びている。(写真の如く)

鰭が長い訳は、幼魚時代は、その体型から動きが遅いものの、自分の姿を大きく見せ威嚇しているという説もある。

大きなものは1m近くにもなるが、それぐらいだと鰭も短い。
幼魚のうちは、面白い魚だという印象だが、大きくなるとロウニンアジと見間違うような勇ましい顔立ちだ。

この魚。宮崎ではジギングで大型が釣れる。
しかも釣れ出したら入れ食いになることもある。
大きな群れで生息しているのだろう。

岸からも時々釣れる。大きさの割りに体高のせいか引きが強く感じる。

この魚もストアーでずらっと並んでいる時もあるが、大きくはない。20~30Cm程度のもの。

カスミアジ

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標準和名:カスミアジ
学名:Caranx melampygus Cuvier,1833
属:スズキ目アジ科ギンガメアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎で釣れるヒラアジ幼魚の中で、割と数は少ないけど、時々釣れるのがカスミアジ。
河口で釣れるのがギンガメアジやロウニンアジの幼魚なのだが、この魚の幼魚は浅い磯場で釣れる。

大型は離島でルアーにて狙われるけど、宮崎だとそんな大型は生息してないだろう。50~80Cm程度には成長すると思われる。

大型は全体像が黄緑色で、黒い斑点が混じり、ちょっと汚れた感じだが、幼魚の内は写真の姿で、区分けできる特徴としては胸鰭が黄色い事。

刺身・塩焼きでとても美味しい(らしい)実は意識して食べてない。

シマアジ

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標準和名:シマアジ
学名:Pseudocaranx dentex (Bloch and Schneider,1801 )
属:スズキ目アジ科シマアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
シマアジは美味しい魚の代名詞。高級料亭魚として有名だ。
確かに美味しい。そのお味を評価すると、カンパチの旨味とマアジの食感を合わせ持つ上等な味とでも言うべきか?

釣りとしては、とても難しい部類の釣りである。
とても引きが強い魚なのに吻(くちさき)が弱いのでハリが外れてしまう。思いっきり飲み込ませるのが良いが、岩根周辺を動き回るのか道糸を切られてしまう。強引でも駄目。弱腰でも駄目・・・とほほなのだ。

沖の専門の釣りでは1mサイズなんてのも釣れ、オオカミと呼ばれるようだが、恐らくそのサイズは宮崎では厳しい。私が釣ったサイズはせいぜい40Cm程度で、普段岸から釣れるサイズも20~30Cm。
これも、ある釣場では6月には15Cm→8月25Cm→9月30Cmという感じで成長して面白い。

2型があるようで、簡単には黄色い横筋が目立つものと目立たないもの。
写真は目立っているが学術的にはB型と言うそうだ。

マアジ

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標準和名:マアジ
学名:Trachurus japonicus (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目アジ科マアジ属
宮崎地方名:?

特徴など:
しっかりした写真を写せてない事に今更ながら後悔だ。もっとも馴染み深い魚なのに。
そんなアジ科の代表種マアジについて。

ストアーでも、釣り対象魚としても、お魚としてはもっともポピュラーな魚。
美味しいから人気も衰えず、さばきやすく、防波堤からはサビキでファミリーフィッシングの目的魚、なんとも都合のよい魚だ。

アジは一般的に出回っているサイズが25~35Cm程度だろう。釣り対象としては、豆アジ(5~10Cm)アジ子(10~15Cm)コアジ(15~25Cm)中アジ(25~30Cm)アジ(30~35Cm)良アジ(35~40Cm)大アジ(40~)と勝手に判断してる。そんなもんじゃない?かな。

60Cmにも達するマアジが居るそうだ。釣れる場所は限られるよう。宮崎だといままで見た(聞いた)サイズは43Cmで自分で釣った魚としては42Cm。50Cmが釣れたと聞いたものの、マルアジだった。

アジにはキアジ型とクロアジ型と呼ばれ区別されているが、宮崎ではキアジ型を「シロアジ」と呼んでいる。遺伝子は一緒らしい。
居付き型アジがキアジ型で、回遊型がクロアジ型だそうだ。
居付き型は一定の場所で生活するから、大きく動かず太ってくる。割と浅瀬で生息するから体表も明るく白っぽいんだろう。

東シナ海の特定の場所で産卵し、海流に乗って春に日本の海岸沿に大量に稚魚が近づくらしい。日本の漁獲高を考えると、それはそれは凄い量だな。

ちなみにその名の由来も味が良いから「アジ」と言われている。地域によっては、このマアジ以外でも、美味しい魚はアジと呼ばれていたそうだ。
(最近は情報化が進み、そのような習慣も廃れているようだけど)

シラコダイ

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標準和名:シラコダイ
学名:Chaetodon nippon Döderlein,1884
属:スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属
宮崎地方名:?

特徴など:
冬時期に磯場の足元に沸いている魚だ。群れている割には口が小さくて突く感じで餌を取るので、ただただ邪魔者と言う感じの魚だけど、間違って釣れてくるときがある。釣られた魚には運がなかったんだなと思う。(リリースするけど)

チョウチョウウオの仲間は、その多くはサンゴ礁帯に生息しているが、この魚は沖の岩場などでも釣れて、しかも冬の時期に多いので基本的には温帯の海に適応した魚だと思われる。

幼魚(4Cm前後)ぐらいまでは背鰭の後方に大きな黒斑が目立つが全体的に薄黄色。成魚に成るに連れて体全体の後方部分が濃い茶色が目だってきて黒斑を覆い隠すような感じだ。

カゴカキダイの記事にも書いたが、この魚とよく似ているのにまったく別の科の魚だ。
生態の変化とは、その地域の条件や食べ物に適合して変化するのであれば、この2種はもともとまったく別魚だったのに、同じような環境の中で同じような姿に変化していったと言う事だろうか。

カゴカキダイ

009165.jpg標準和名:カゴカキダイ
学名:Microcanthus strigatus (Cuvier,1831 )
属:スズキ目カゴカキダイ科カゴカキダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
見た目にはチョウチョウ魚の仲間のようにも見えるが、カゴカキダイ科カゴカキダイ属(日本で1種のみ)の魚である。

なんとイスズミ科やイシダイ科などと近い仲間らしい。

さて、夏になると餌取魚が防波堤をにぎわす。磯場で撒餌を打つとこの魚の群れが姿を見せる。そこそこの群れで。
ちなみに冬の時期だと「シラコダイ」という、姿はほとんど一緒で、模様だけが違うような魚が、同じように磯場を賑わしている。そっくりだし近い魚種だと思うんだけど、何が違うんだろう。
ちなみに「シラコダイ」はチョウチョウウオ科だ。

小さなお口で餌をちょぼちょぼと突いて取ってしまう。その下には良型メジナ君達がお裾分けを待ち構えているのに。

時々、その小さな口に、餌取りを失敗して釣れてくる。

写真にはとても残しやすい。
ちょっと突いてやると鰭を思いっきり立てて「どうぞ写してっ!」って待ち構えてくれる。

食べられるらしいが、その姿を見て持ち帰る方は少ないだろう。大きさは15Cm前後で観賞魚には良さそうだ。

とにかく磯釣り師としては、この魚が沸いていたら迷惑なのだ。

オヤビッチャ

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標準和名:オヤビッチャ
学名:Abudefduf vaigiensis (Quoy and Gaimard,1824 )
属:スズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属
宮崎地方名:?

特徴など:
その名も「オヤビッヤ」だ。何とも外来っぽい名だが、和名である。

WEB検索してその名の由来を調べてみたが、沖縄の方言「あやびっち」が訛ったものだそうだ。綾(=木目細かな模様を織り成したさま)が走ると言う意味ということ。

その姿も変わっている。写真の通り。
何か変わっているのか??だって背中に黄色い模様を担いでるし、紫の帯があるし。

私が行く釣場ではかなりの大型が釣れる。(20Cm前後)
ウキを思いっきり引き込んで、結構勢いがあるのでメジナと勘違いして力が入る。

このお魚は生息数が多いためかWEB上に情報も多いけど、死滅回遊魚とセットで表記されている記事も多い。

死滅回遊魚とは・・・

南方で生まれ、潮に乗り(太平洋・黒潮)関東周辺までの磯場などで成長するが、冬になり水温が15℃以下になるとほとんど死んでしまうはかない魚・・・との事。

その容姿から観賞魚として人気があるようだけど、私が行く釣り場でこの魚が次から次に釣れると嫌気がさしちゃうけどね。

テンジクスズメダイ

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標準和名:テンジクスズメダイ
学名:Abudefduf bengalensis (Bloch,1787 )
属:スズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属
宮崎地方名:?

釣場:南郷町大島

特徴など:
スズメダイ科の魚で横筋がある魚は割りと種類が少ないが、その中の1つである。

ちなみに魚の帯について。
縦筋と横筋があるが、縦筋は頭から尾にかけての筋で、横は背から腹に向かう筋だ。イシダイなら横筋。

テンジクスズメダイはさほど釣れる魚でもない。だけど、ある特定の場所で3匹釣った。まったく同じ場所なのだ。
この魚が生息する条件を満たしているのかも知れない。

オナビッチャはよく釣れるけど、そっくりなので混同されるかも知れないが、写真で比較するとまったくの別魚だと判る。
こんなに違うのに、同じ魚に見えちゃうから不思議。それほど普段は魚の姿をきちんと見てないのだ。

結構大きくなる。最近釣れた魚のサイズは22Cmだった。これぐらいが上限だとは思うけど。

最近、死滅回遊魚という言葉を知ったが、その後考えてみたことに、宮崎だと、もしかしたら死滅しないかも知れない。
水温が15℃以下にならないと思う。だからなんとか生き延びて大きくなるのかもしれない。

※15℃って温度は真冬の真夜中に表層温度を測った事があるので、それが根拠の話だが、その時の水温が浅場で14℃で、ちょっと深場で16℃だった。真夜中である。

コガネスズメダイ

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標準和名:コガネスズメダイ
学名:Chromis analis (Cuvier,1830 )
属:スズキ目スズメダイ科スズメダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚はちょっと深場じゃないと釣れないかもしれない。磯場からの姿見はできない。

オレンジ色の魚体が綺麗な魚で、大きさもスズメダイ科としては結構なものである。(20Cm弱ぐらい)

船釣りのイサキやマアジを狙うサビキ釣りなどで時々姿を見かけるが、大きな群れで動くわけではないらしく連続しては釣れない。

ちなみにスズメダイの仲間の情報ってWEB上ではとても少ないし、図鑑でも詳しくないのは、この仲間達って見た目にはかわいいけど釣りでは嫌われぎみだし興味が沸かない魚なんだろうな。そうすると案外研究されてない部類なのかもしれない。

ナガサキスズメダイ

006546.jpg標準和名:ナガサキスズメダイ
学名:Pomacentrus nagasakiensis Tanaka,1917
属:スズキ目スズメダイ科ソラスズメダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
「ナガサキ」なる地名が付くものの長崎にのみ生息するとか、長崎に多いという事でもなく、標本採取された場所が長崎だったということ。

いたって南日本の至る場所に生息している魚のようだ。大きなものは12Cmほどになるようだが、写真の魚も10Cm程度ではあっただろう。だからスタンダード種の「スズメダイ」だと思った。撮影のために鰭を広げたら、なんとなく尾鰭・尻鰭の先が長くて図鑑で調べた次第だが、大きなものは写真の如く灰色で面白い魚とは言えない。

でもWEB検索してみると、幼魚のコバルトブルーの写真も多い。
美しいコバルトの色に尾鰭前上部に大きな黒斑点がある。

夏時期、宮崎ではさほど目立たないけど沖縄の浜あたりだとコバルトブルーの小さなスズメダイの仲間達が綺麗だ。ソラスズメダイが多いんだと思われるけど、クジャクスズメダイとか、この幼魚も居ると言う事なので、これが覗いて区別できるほどの知識が欲しいもんだ。

クマノミ

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標準和名:クマノミ
学名:Amphiprion clarkii (Bennett,1830 )
属:スズキ目スズメダイ科クマノミ属
宮崎地方名:?

特徴など:
クマノミ属って日本に6種居るそうで、ダイバーはイチハマ・ニクマ・サンカクレ・セジロ・ハナビラ・トウアカと呼んで覚えるそうだけど、順番に標準和名では、ハマクマノミ、クマノミ、カクレクマノミ、セジロクマノミ、ハナビラクマノミ、トウアカクマノミ、と言う。

もっとも有名なクマノミは、「カクレクマノミ」で映画「ファインディング・ニモ」のモデル。イソギンチャクに隠れて、子供を育てる様が紹介されることも多いから知られる存在だろう。

釣り魚というよりも、ダイバーの対象魚だけど、私は釣ってしまった。まさか釣れるなんて・・・

このお魚は雄・雌を見分ける事ができる。
尾鰭の様子からなのだが、雌は色が白っぽくて鰭先が丸まっている。雄は黄色くてとがっている。
従って、写真の魚が雄なんだけど、雄そのものかオカマちゃんなのか。
小さな群れを作るが、もっとも大きなものが雌で次が雄。そして残りは「オカマちゃん」

私が釣った魚はリリースしたけど、その容姿から雌。
もし群れに戻れなければ、その群れの雄が雌になり、残りの「オカマちゃん」のもっとも大きいものが雄になるって事である。

魚って成長するにつけて、性転換するものが結構多いんだよね。
よく聞く魚が「クロダイ」だけど、ベラの仲間などもそのようだ。
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ちなみにこれが雌の写真です

ハマフエフキ

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標準和名:ハマフエフキ
学名:Lethrinus nebulosus (Forsskål,1775 )
属:スズキ目フエフキダイ科フエフキダイ属
宮崎地方名:クチビ

宮崎ではシブダイ※標準和名フエダイ釣りの外道としてよく見かける魚で、持ち帰り対象魚ではある。なにせ引きが強くて、大きくもなるので釣れたら嬉しいけど、食味はいまいちなようだ。でもシブダイと比べて美味しくないという程度で、似たり焼いたりしたら充分食べられる魚。

宮崎では地方名として、「クチビ」とか「クチミ」と言われる。口の中が赤いからだが、フエフキダイの仲間には口の中が赤いものが数種あるようだ。
また、単純にフエフキと呼ばれる事も多い。しかし標準和名「フエフキダイ」は別魚であり、一般的によく釣れるのは、この「ハマフエフキ」である。その名の通りに吻の形状が口笛を吹くような尖った姿が名の由来だろう。フエフキダイはさほど大きくならないの対し、このハマフエフキは1mを超えるものもいるという。

夜間にはかなり浅瀬に寄ってくるので、大型が岸から釣れる魚として喜ばれる。
フエフキダイの仲間は南方に多いが、この魚は割りと北の方まで(関東域)釣れるらしい。でも南に行くほど釣れる確立も高いだろう。

写真の魚が約30Cm程度。30Cmともなると、釣っても引きが面白くて大きな魚が釣れたという気持ちにもなるが、この魚の場合はまだ若魚だろう。

フエフキダイの種類で、よく見かけるのはこの魚の他に「イトフエフキ」という種もあるが、磯釣りでの外道種で、あまり大きくならない。

ミツボシクロスズメダイ

004520.jpg標準和名:ミツボシクロスズメダイ
学名:Dascyllus trimaculatus (Rüppell,1829 )
属:スズキ目スズメダイ科ミスジリュウキュウスズメダイ属
宮崎地方名:?

写真のお魚のサイズ:19Cm
釣場:南郷町大島

特徴など:
大型のイソギンチャクがある場所で、クマノミなどと友に生息している魚のようだ。釣り魚としては口が小さすぎてさほど釣れないと思うが、頭のテッペンに大きな白斑点(幼魚のうち)があり、左右にある白い斑点を合わせ3つの星があるのでこの名が付いたのだろう。

幼魚(2~3Cmぐらい)のうちは、真っ黒な魚体に3つの白斑点が目立つ魚だが、大きくなると体は灰色になり、頭の白斑点が目立たなくなる。

釣り暦6年で初めて見た魚だから、多く生息する魚ではないのか?釣れないだけなのか?
だけどネット上には結構なダイバーの情報もあるので珍しい魚という訳ではなさそうだ。

アオチビキ

004523.jpg標準和名:アオチビキ
学名:Aprion virescens Valenciennes,1830
属:スズキ目フエダイ科アオチビキ属
宮崎地方名:?

写真のお魚のサイズ:22Cm
釣場:南郷町大島

特徴など:
この魚を釣ったのは1度のみで、その時に浮かんだ名が、バラフエダイ・アオチビキだ。フエダイの仲間だという事は雰囲気で判った。口先に小さな犬歯みたいなものがあるのでバラフエダイが浮かんだんだけど、自宅に戻り、図鑑で調べてビンゴ(アオチビキ)だった。(嬉)
フエダイの仲間としては体高のない、スリムな体形である。

チビキって漢字では「血引」らしい。これが名の由来。獰猛だということだろう。

写真の魚は22Cmで若魚であり、大きいものはメーターオーバー・WEBでは16Kgという魚の写真もあった。ちなみに南方の魚で奄美諸島以南ならこんな大きなサイズも割りに出会えるんだろうけど、宮崎だと若魚でもめったにお目にかかれる魚ではないと思っている。

大きくなると鱗があるブリという雰囲気もあり、愛称にブリが付く言われ方も多いようだ。

食べても、新鮮なら刺身でもよいようだ。評価は分かれるが奄美・沖縄では珍重されているよう。(さほど釣れないからか?)

ちなみにフエダイの仲間は8月末から9月にかけて宮崎の県南だと魚種も多い。この時期が採取の狙いだと思う。

フエダイ

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標準和名:フエダイ
学名:Lutjanus stellatus Akazaki,1983
属:スズキ目フエダイ科フエダイ属
宮崎地方名:シブ・シブダイ

特徴など:
宮崎では、ヘビーな釣り師なら冬は上物メジナ狙い。春先からチヌ。初夏の頃が底物のイシダイで、晩夏には鮎。秋から冬にはミズイカ・・・

などと対象魚も変わるが、初夏の一時期、こぞって狙われる魚がこのフエダイ。でもフエダイと言っても判る方は少なく、地方名で「シブダイ」なのだ。四季の釣りの対象魚の1つなのである。

シブダイも2種類あり、白星と黒星がある。
写真の魚が白星で、背中に小さな白い点があるのだが、黒星は大きな黒点があるのが特徴。実際には黒星は「クロホシフエダイ」が標準和名なんだけど、宮崎では美味いかさほどでもないかの判断材料でもある。
5月ぐらいからぼちぼち釣れはじめ、6~7月が釣り最盛期。
南方の魚であるフエダイは、この時期に宮崎の南岸に産卵のために浅瀬に寄ってくると思われるが、夜行性で底を狙うため、夜釣りが基本。

写真の魚は30Cm程度で刺身がとれるサイズ。
とても珍しい時期(11月ぐらい)に釣れたんだけど、最近は時々釣れる姿も見るので、南下せずにテトラの周辺に居ついている個体なんだろう。

この魚。めちゃくちゃ美味しいのだ。
刺身で食べた。カワハギと一緒に食べたが比べると判る美味さの違い。
はっきり言ってカワハギより数段美味い!身は固くもなく柔らかくもなく、噛めば旨味がにじんで出る感じ。
最近、魚をさばいていて思うのだが、肉食系の魚の内臓って綺麗だ。
この魚も綺麗で、肝臓部分になるのか判らないが、鮮やかな朱色である。

メジナ狙いの外道なんだけど、これが釣れる=底まで仕掛が落ちている証拠なので、あまり釣れて自慢はできないけどね。

カワハギ

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標準和名:カワハギ
学名:Stephanolepis cirrhifer (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目カワハギ科カワハギ属
宮崎地方名:キンツ

特徴など:
カワハギは美味しい魚として料理屋では生造りが3000円前後の高値で出される。マアジが1000円前後という事を考えると、貴重な魚と言えよう。何が良いのかと言うと「肝」なのだ。
肝を醤油に溶かして食べる刺身は、ぶるっと震えがくるような美味さなんだけど、その身も薄造りにして何とも上品。この身をフグと称して出す店もあるそうだが、薄く切ったら透明で、まあ騙されるかもね。

宮崎では「キンツ」と呼ばれている。由来は不明。
おもにカワハギには標準和名「カワハギ」と「ウマズラハギ」が有名なんだけど、岸寄りで多いのがカワハギに対し、沖ではウマズラだ。一昔前はウマズラが餌取りとして嫌われものだったのに、今はこの魚も結構高値で取引される。

カワハギはほんとに餌取りが上手で、一筋縄では釣れないのだが、狙えば面白い。

長寸25Cm程度が標準サイズで30Cmだと大きいが40Cmという記録魚の写真を見せてもらった事がある。
釣り上げた人はメジナの大型を釣るより喜んでいたそうだ。
もちろん、「カワハギ」の名の由来は皮を剥いで食べる魚だからだろうけど、この「皮剥ぎ」作業って簡単で楽しい。

アカササノハベラ

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標準和名:アカササノハベラ
学名:Pseudolabrus eoethinus (Richardson,1846 )
属:スズキ目ベラ科ササノハベラ属
宮崎地方名:?
特徴など:
冬になると、フカセ釣りで底の方に仕掛が行くにつれて相手してくれる頼もしい魚である。私が釣りを始め、もっとも身近に感じている魚かも知れない。

ベラ科の魚も種類が多いが、冬の磯場でもっとも見かける魚であることには間違いないのだが、昨今の軽い仕掛で海の表層からゆっくりと仕掛(餌)を落としていく釣りではあまり見かけなくなってしまった。
私がイメージする海の状態は、表層には小さなイワシの仲間などがたむろし、中層にメジナとか各種の魚がグループを作って動き回っていて、底の方にこのベラ類やカワハギの仲間が待ち受けていると思うので、これが釣れると上の方には魚がいないか、うまいこと他の魚には餌が悟られずに落ちていったかのいずれかである。

アカササノハベラという呼び名は標準和名だが、この名は割りと最近つけられた名前なのだ。1997年に分けられたのだが、それまでは現在別種とされる「ホシササノハベラ」と混同されていて「ササノハベラ」として紹介されていた。
宮崎だと圧倒的にアカササノハベラが多いと思うのだが、外洋に面している場所だとこの魚が居る。逆に内湾だとホシササノハベラが多いようだ。いずれも生息していて、パッと見た目には区別しにくい事が多い。
いずれも最大で25Cm程度となるが、私は以前、30Cmに達するだろうという固体を釣った事がある。
宮崎って成長しやすいのか、小型魚が大きくなる気がするけど、気のせいかな?

区別は判ってしまうと簡単なんだけど、専門的な表現では眼の下を通る暗色帯が胸鰭基底の上端にとどくと、この魚だ。
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標準的な個体(雌?)

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雄個体

ヤマブキベラ

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標準和名:ヤマブキベラ
学名:Thalassoma lutescens (Lay and Bennett,1839 )
属:スズキ目ベラ科ニシキベラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ヤマブキベラでGoogleってみると「オレンジ色」の縦筋がある魚がでてくる。それは雌。写真の魚は雄なのだ。磯場ではごく普通に見られる魚らしいが、釣り暦6年目で初めて釣った。人が釣った姿は見た事がある。

ベラ科の魚は美味しいようだ。この魚も食べて美味しかったという記事も見た。大きくて25Cm程度のようだ。

ぜひ大きな写真も見てほしい。とてもカラフルというか綺麗な魚だ。ベラ科の魚は模様も派手だが種類も多く、大型の魚も居る。通称「ナポレオンフィッシュ」と呼ばれるメガネモチノウオもそうだ。

ベラ科の日本産種はおおよそ145種。おおよそとは私が数え違いしているかも知れないからだが、とにかく多い。

雄はオトメベラにも似ているが胸鰭が黄色くその後方が青い。また雌は始めの記載のとおり全体が黄色(ヤマブキ色)で、その色が名の由来らしい。幼魚(5Cm程度)は中央に幅の広い1本の縦帯がある。多分幼魚を見ても私は判断できないな。

イサキ

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標準和名:イサキ
学名:Parapristipoma trilineatum (Thunberg,1793 )
属:スズキ目イサキ科イサキ属
宮崎地方名:?

特徴など:
イサキと言えば夏の対象魚で、宮崎沖では5月上旬から船釣りでもっとも狙われる魚である。その釣法は天秤仕掛けが多いが、サビキでも釣れる。また磯場でもメジナの代わりに狙われる魚だ。

5月上旬ぐらいから宮崎の沖では強烈が群れが現れる。沈み瀬のポイントをとりまくように、中層に横広の魚影反応があればイサキである事が多い。魚探にそれほど写るということはどれだけの数で群れているのか想像もできないが、イサキは上に大型・下に小型が居ることが多いようで、釣れ出したら棚を上に上げるほど大物がくる確率も高い。
夜釣りでも問題なく釣れるが、夜行性とも聞く。しかし昼間でも釣れる。カンカン照りの日よりも曇っていたり、明け方が良いようだから目が良いのかもしれない。

私がイサキで気になる事は、その大きさだ。以前、釣りサンデー社が管理していたWEBサイトで大物記録があったが、そこでは60Cm超のイサキが紹介されていた。
普段釣れるイサキは30~40Cmで、私が釣った最大サイズは44Cm。
大物ほど腹回りも太いイメージだ。

味は良い。
もっともポピュラーな料理は塩焼きだけど刺身でも美味しい。メジナと比較しても上質な脂身であり、食感も程よい。ただ自分でさばくとこの味を出せない。なぜだろう?

ウスバハギ

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標準和名:ウスバハギ
学名:Aluterus monoceros (Linnaeus,1758 )
属:フグ目カワハギ科ウスバハギ属
宮崎地方名:ハゴイタ

特徴など:
愛称「ハゴイタ」と呼ばれる写真のウスバハギは宮崎だとハゴイタと呼ぶと、船釣り・沖の磯釣りをする方ならすぐに姿を思い浮かべられるだろうが標準和名のウスバハギだとほとんど???だろう。

ある日、このハゴイタが水面にうじゃうじゃと沸いてきた。
大きい魚なのだが泳ぐ早さはトロトロで、ウキを突いたりパイロットを齧ったり、時に道糸を切ってくれる。この魚を狙うならウキ下を思いっきり短くして糸を張って、時には誘ってやると釣れるのだが、おちょぼ口で餌を突付くように食べるので見えてる割りには思いのほか難しい。

船釣りだと、宮崎沖の浅場である「黄金の瀬」で沸いているときがある。宮崎のA級磯の水島も、この魚との戦いである。いかにこの魚をかわしてその下にいるメジナに餌を食わせるか。

この魚は美味しい。釣ってはずしりと重量感がある引きで面白みには欠けるが、食べ応えがある。

ウスバハギは、カワハギ科の魚の中でも最も大型の魚で、70Cmを越すものもいるので身が充分に取れる。タンパクな味で刺身でも美味しいし、バター焼きなどでも良い。また肝は上質な旨味があり、そのまま醤油に溶かして刺身を食べても良いし、蒸し焼きなどでもいいだろう。とにかく1匹あると家族4人充分食べられる魚である。

初めて水島に渡り、明け方あちらこちらからこの魚が100匹も200匹も海面表層をユタッと泳ぎながら近寄ってきたときには興奮した。大きな魚だし初めてみた事もあって。
それ以来、水島が凄い島だって思っていたが、今はこの魚、見えるとがっかり。とても煩わしい。

ところでこの魚の幼魚って、やはりこの形なんだそうだ。沖の潮筋などの浮遊物の周辺の表層で過ごすそうだ。普通に50Cm程度のものばかり見てるけど、小さな、10Cmにも満たないようなウスバハギって興味があるなぁ。

ニザダイ

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標準和名:ニザダイ
学名:Prionurus scalprum Valenciennes,1835
属:スズキ目ニザダイ科ニザダイ属
宮崎地方名:サンノジ

特徴など:
通称「サンノジ」と呼ぶこの魚は、メジナ釣りの外道としては結構メジャーな魚である。(宮崎だけかな?)
とにかく力持ちで引きが強いので、釣りとしては楽しいのだが、上がってガッカリという魚だ。外道にも嬉しい外道と悲しい外道があるが、普段は持ち帰らない魚なので悲しい方だけど、食べたら磯臭さがあるものの、釣れてすぐに血抜きし内臓も抜けば、刺身でも氷などで〆めて(鯉のアライなどと一緒)、酢味噌などで美味しく食べられるそうだ。(特に冬時期)

写真のサンノジは大きかった。46Cmである。重量は測ってないが、恐らく1.5~2Kgだ。このぐらいの大きさだと強烈な引き込みである。はっきり言ってよく上がったなと思うぐらい。釣り場がテトラの上だったので底に突っ込んだり、右に左に走り、やっと上げたんだけど姿が見えショックだった事は言う間でもない。

この魚は水中を覗くと尾鰭が白く見える。メジナも時々そのように見えるので間違いやすいけど慣れてくるとその白のエリアの違いで区別ができる。海が透けていて魚影が見えて、期待しちゃうけど案外この魚だったりするんだよね。

沖の浅場でも釣れるがいつも白っぽく感じる。岸からはこげ茶色なんだけどWEB検索していたら、この魚はストレスが無いときは白っぽく、魚釣りなどで陸にあげるとだんだん色が濃くなるようだ。

サンノジでも遊んでくれればボウズよりはましなんだけど・・・

キタマクラ

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標準和名:キタマクラ
学名:Canthigaster rivulata (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目フグ科キタマクラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
和名が「キタマクラ」なんて縁起悪いし全国でこの呼ばれ方をしていると思うが嫌われ者で可哀想な魚である。

冬の磯場でよく見かける。沖の瀬でも磯近くの防波堤でも。そして時々釣れてしまう。

餌取りが上手でハリスまで切ってくれるのが嫌われる原因だが、こんな魚でも良い所の1つや2つ・・・と考えてみても・・・思いつかない。
名の由来の「キタマクラ」はその名の通り毒があるから。皮膚、肝臓、腸などに毒を持つといわれるがさほど強くもないという記事もあった。

南日本の黒潮域に多いそうだ。
足元にゆっくりゆらゆら泳いでいる。よく見たらあっちにもこっちにも。
撒餌を投げるとモワッと何匹か寄ってくる。恐らくメジナなどが下に潜んでいれば追い払ってくれるんだろうが、この魚が海を占有しているということは、他の魚は居ないのか活性が低いのか?

キタマクラが釣れたらハリスのチェックを怠らないよう!
ハリを結線しているチモトが噛まれて切れ掛かっているだろう。そして大型の魚が釣れるとそこから切れちゃうのだ。面倒でもハリを交換しよう。

ちなみに産卵時期の雄は腹部が青いが、とても魅惑的な美しい青だ。雌個体はまったくこの色が出ない。

ハコフグ

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標準和名:ハコフグ
学名:Ostracion immaculatus Temminck and Schlegel,1850
属:フグ目ハコフグ科ハコフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
潮が止まっている時間帯に瀬際にぷかぷかと浮いてくる愛嬌ある魚である。
手に持った事がある方なら、この魚の独特なスタイルにびっくりだろう。四角い・固い甲羅に覆われているという感じ。(亀のイメージ)

鰭もこの甲羅から飛び出してピコピコと動く姿が可愛い。めったに釣れないが網で掬うのは簡単かもしれない。
写真の魚はまだ「若魚」であるらしい。模様の白い部分から判断できるようだ。

ハコフグ類は皮膚にパフトキシンという粘液毒をもっていて、可愛いからと水槽に別魚と一緒に育てると、その毒で全滅する危険があるそうだ。死んでも毒が出るらしい。
だけど食べると美味だという。(私は食べた事はない)
身や内臓には毒はなく、姿のまま焼いて、割れた部分から味噌を入れてさらに焼くのが定番料理。

話がずれちゃうのだが、以前「WEB魚図鑑」の掲示版の中で討議されていた「若魚」の呼びかたがどうも曖昧であるらしい。私は勝手に「わかぎょ」と読んでしまったが、研究者は「じゃくぎょ」でありエッセイで表記されるものには「わかうお」とも。ようは定めがある訳でないが、「じゃくぎょ」と言うとかっこいいかもね。

フグ目ハコフグ科には日本産だと属が「コンゴウフグ属」「ハコフグ属」「ラクダハコフグ」の3つに別れ、中でも「コンゴウフグ属」にはウミスズメなとがあり、これは正面から見たら三角なんだそうだ。ハコフグは四角である。
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マハタ

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標準和名:マハタ
学名:Epinephelus septemfasciatus (Thunberg,1793 )
属:スズキ目ハタ科マハタ属
宮崎地方名:大型はアラ・小型はヌメリコ

特徴など:
ある休みの日に暇を持て余して「釣りビジョン」を見ていると、時々とんでもない映像があり頭にこびりついて離れなくなる。

最近はこの魚「マハタ」なんだけど、写真のようなお子ちゃまではなく愛称「カンナギ」と呼ばれる1m~2mもある巨魚である。(写真の魚は35Cm程度)

「釣りビジョン」ではカンパチの生餌釣りで、かなりの大型カンパチを釣り上げた後に、潮がいいから「カンナギ」狙いましょうか?って事で、水深300mもある深場に移動し釣っていた。場所はきちんと聞いてなかったがトカラ列島である。テレビの撮影で、狙ってもなかなか難しい魚なので釣れた事に興奮されていた。動画が残せたことにも興奮されていた。
釣れた「カンナギ」は体長が人の大きさほどあり(推定150~160)、重量は100Kg弱。

とにかくでかい!

釣りって大物が上がるシーンは楽しいもんだ。自分で釣っても人が釣れたものでもだ。

マハタはスズキ目ハタ科の魚である。「マ」がつく魚はその科の代表種のようなイメージもある。マダイ・マアジ・マイワシなど。でもこれらの魚名がどのように定義されたのか定かではない。でもとにかくハタ科の代表だとかってに思っている。

しかしこの魚、さほどメジャではない。市場に並ぶほど漁獲量があるわけでもない。釣り人もそんなに狙って釣らない。私の感覚では陸からは釣れない。小型でも水深20~30m以上の岩礁地帯であり、成魚ともなると相当の深場になる(200m以上)

だけど、かっこいい魚だ・・・と思う。写真の姿、惚れ惚れしない?
子供でも迫力がある。ハタ科の魚って、総じてこのような鰭がビシッと迫力ある姿なんだけど、時々これもハタ科?っていう魚もある。(これは次回紹介したい)

マハタモドキという魚もいる。大型の「カンナギ」サイズでは見分けられてるようだが、尾鰭の淵が白いか否かで見分けるようだ。しかしマハタモドキの小型っていうのがなかなか居ないらしい。
まだ研究が進んでない魚なんだそうだ。実はマハタモドキもマハタも同じ種なのかも知れない。

この魚、釣れてしばらくすると体表が異様に粘りだす。料理もしっかり塩もみしないと大変だろう。そんな食味は、小型の場合淡白な白身という感じだ。まずくはないが旨味もいまいちという感じ。
大きいのは美味いんだろうな。

メガネハギ

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標準和名:メガネハギ
学名:Sufflamen fraenatum (Latreille,1804 )
属:フグ目モンガラカワハギ科メガネハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚は「メガネハギ」。割と数多く釣れる。フグ目モンガラカワハギ科。
カワハギの親戚のようなグループだけどモンガラカワハギ科の魚は体の表面が固い甲羅のような皮に覆われている。だから持ち帰っても難儀しそうで普段は処分(リリース)するが、実は美味しい魚であるようだ。

写真のメガネハギは雄で、顔に特徴がある。口から胸鰭の下の白い筋模様があれば雄であり無ければ雌だ。
この魚は産卵に特徴があるようですり鉢型の巣をつくり卵が孵化するまで守るらしい。
モンガラカワハギ科の魚ってカラフルなものが多いけど、この魚は割りとシンプル。だけど水中写真を見たら体半分の上部が暗く、下部が明るいツートンカラーに見える。また体全体から剣が飛び出してる。釣り上げたものと水中とでは、随分差があるもんだ。

シロギス

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標準和名:シロギス
学名:Sillago japonica Temminck and Schlegel,1842
属:スズキ目キス科キス属
宮崎地方名:?

特徴など:
シロギスと言えば、皆の仲間。浜の女王。海釣りの登竜門。ともっとも身近な夏の釣り対象魚なんだけど、狙わないと釣れないし、数釣りしようと思ったらテクニックが必要だ。キストーナメントもあるし「全日本サーフ」という浜の投げ釣りをメインの団体は全国5000人以上の会員を有する。(2代目の会長が「釣りサンデー」小西和人さんである事も有名)
全日本サーフはキス釣りを中心の、浜のいろんな楽しみ方を追及しているが、キスが原点である事には違いない。そんなシロギスの魅力とは?

魚としてはなんとも馬面で魚体が透明というか青・ピンク交じりのパール系の美しい色。釣りとしては、数釣りできる魚で子供でも狙えるが最近は宮崎でも数が減ったと感じる。宮崎だと浜が短くなって狙い難くなったとも言える。実は環境で釣果が左右される魚なのかもしれない。浜が綺麗でないと居付かないし、海が澄んでいるほど釣れるのだ。

私は船で狙う釣りが大好きだ。数釣りできるし大物も釣れる。思いっきりストレスの解消ができる釣りだ。小物竿で狙い竿先がピクピク動くのを見ていても楽しめる。

シロギスの大物記録は36Cm強だったと思う。場所は五島列島のどこかだったな?だけど漁師の知人曰く、網には40Cmを超えるものが入るそうだ。

食べて美味しい魚である。天ぷらは言うに及ばず、新鮮なものは刺身で美味しい。だけどストアーで売られているキスっていまいちだけど、網の中で暴れて旨味が落ちるのかな?

コモンフグ

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標準和名:コモンフグ
学名:Takifugu poecilonotus (Temminck and Schlegel,1850 )
属:フグ目フグ科トラフグ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚はコモンフグと言う。沿岸で釣れるフグにはこれ以外に「クサフグ」「ショウサイフグ」「キタマクラ」などがあるが、クサフグ・ショウサイフグ・コモンフグはちょっと区別しにくい。だけど模様が違う。
上記の4種ともに毒持ちだから食べたら駄目。だけどショウサイフグは大きくなり、時々は平気で港町のストアーに売られていたりするから怖いと思う。宮崎では数年前だが、このショウサイフグで毒中毒事件がおこっている。ちなみにフグ目の魚で堂々と販売されているのが通称「金フグ」と言われる標準和名「シロサバフグ」である。この魚はまた別の機会に紹介したい。
フグ毒はテトロドトキシンといい、天然物の中では最も合成しにくい部類の毒のようでその毒性は「青酸カリ」の850倍以上とのこと。2-3mgの摂取で人間が絶命する猛毒なんだそうだ。怖い怖い。毒はおもに皮・内蔵部分にあるが種にもよるけど身にも弱毒を含んでいるから素人は絶対に食べないべきだ。

コモンフグはクサフグよりちょっと外海で釣れるイメージを持っているが写真の魚は25日に河口で釣った。数匹釣ったがすべてコモンフグだったので、時期によりクサフグ群れとか、これの群れとか入れ替わっているのかも知れない。クサフグは大きくて15Cm程度までだろうか?コモンフグの場合25~30Cm程度になる。簡単な見分けとしては目の下に斑点模様があるか無いか。無ければクサフグ・あればコモンフグであり、白い斑点模様が同じぐらいの大きさの小さいものが散りばめられていればクサフグ・小さいものから大きなものまでまだらに配置されてるのがコモンフグである。ちなみにショウサイフグはこの斑点が崩れたような感じで判りやすい。

ヨスジフエダイ

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標準和名:ヨスジフエダイ
学名:Lutjanus kasmira (Forsskål,1775 )
属:スズキ目フエダイ科フエダイ属
宮崎地方名:?

釣場:南郷町大島

特徴など:
魚の名は「ヨスジフエダイ」。その名の通りで4本の筋がとても綺麗に目立つ魚である。フエダイ科フエダイ属であり食べて美味しい魚のようだ。大きさも25Cm前後が成魚のポピュラーサイズのようだが、写真の魚は18Cmだ。
ベンガルフエダイという魚とかなりソックリ。目の下の筋が2本(1本は見えるか見えない程度)ならヨスジフエダイで、1本だとベンガルフエダイとなる。
まあベンガルフエダイは日本には少ないようだ。
ヨコスジフエダイも本土では珍しいと思う。私も岸からは初。
この魚は餌を変えて釣れた。岩ゴカイ(地域によっては青イソメと言うのかな?)で釣ったのだが、動く小動物は何でも口にする(らしい)綺麗な姿に似合わぬ食性。
Googleってみると水中写真(ダイバーの写真)は多い。綺麗だし小さな群れで動く姿は写真に残したい対象になるんだろう。

ニセカンランハギ

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標準和名:ニセカンランハギ
学名:Acanthurus dussumieri Valenciennes,1835
属:スズキ目ニザダイ科クロハギ属
宮崎地方名:?

特徴など:
かなりややこしい標準和名の魚なんだけど、宮崎の日南方面での常連さん達の言い方は「アブラコベ」である。アブラは恐らく身に脂分が多い事からついた名だと思われ、コベは「頭」の事を指すと思われるが、この場合魚という意味なんだと思う。

ニザダイ科クロハギ属なんだけどクロハギ属の魚だけでも21種類もあるようで(※WEB魚図鑑参照)ダイバーの方の方が馴染み深い魚なのかも知れないが、釣り人は割りと嫌う魚かも知れない。

私の感覚では、宮崎でも南方面のほうが魚影が濃い魚である。磯釣りの上物狙いの外道として釣れるが、実は私がよく釣る仕掛は、メジナ狙いをしていて釣れない時に、だんだん遊びでダンゴ仕掛なるものを入れたりするのだが、これに特に反応が良い。
オチョボ口で餌を突く感じで捕食するんだと思われる。かなり小さい口なんだけど普段は下向きに海苔などを口でこさいで食べるんではなかろうかと想像させる。

この魚はスタンダードサイズが35Cm程度なんだと思う。釣れる大物でその程度。しかし40Cm程度が釣れる時もある。そしてそのぐらいだとかなり引きが強い。35Cmで40Cm級のメジナと一緒ぐらいの感じ。
だから慌てるし、楽しめるけど姿が見えてがっかりするのだ。

ニセカンランハギという名はもちろん釣れて写真を残し、その写真で調べて判った名なんだけど、特徴的なのは尾鰭の手前にある棘(きょく)が1つ。同じグループの魚であるニザダイは目立つ棘が3つ(性格には目立たない棘が1つあり合計4つ)であるがため通称「サンノジ」と言われるが、ニセカンランハギの場合は「イチノジ」と呼ばれる事もある。この棘はとても固く尖っているので迂闊に触るとナイフを使ったように切れてしまうので扱いに注意が必要だ。

気になるのはその名に「ニセ」がつくこと。つまり偽ではない「カンランハギ」と言う魚がいるはずなんだけどこれは観た事が無い。インターネットで調べると、更に南(奄美・沖縄)なら出会えるのかもしれない。しかししっかりと同定できそうな綺麗な写真が無い。わずかに小さく写っているダイバー(海の中)の写真しかなく40000点の写真掲載を誇る「魚類写真資料データベース」
http://research.kahaku.go.jp/zoology/photoDB/ でも2枚しか出てこない。

ちょっと気になったので見てみたが、「ニセ」と名がつく魚はかなり多い。ざっと数えて33種もあるが「ニセ」がつくから偽者、つまり一般的に言われるまがい物という事ではない。そんな名を付けられた魚って可哀想である。でもかなり近似種である事には違いないんだろうけど。

釣りの話に戻ると、こいつはとてもシャープに引き込んでくれる。ガツンと竿に乗るんだけど魚にとっては「しまった!逃げなきゃっ」って事なんだろう。でもこんな引きをする魚は良い魚でない事が多い。でもクロメジナなども同様の引きがあるので侮れない。

ヒブダイ

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標準和名:ヒブダイ
学名:Scarus ghobban Forsskål,1775
属:スズキ目ブダイ科アオブダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
黄色い魚体なのが特徴だが、上の写真は典型的な雌だ。ブダイ科の中でも最も美味とされ、四国ではこの魚を専門に狙う方もいらっしゃると聞く。
実は私はブダイやアオブダイよりこのヒブダイを多く釣っている。魚影が濃いのか、この魚に対する私の仕掛が適合しているのか定かではないが、宮崎には多い魚なんだと思われる。
スマートな魚体のため引きが強く、大きなものは60Cmにもなるのでそれはそれは手こずる。釣れてがっかりと言う事も多いのだけど、私的にはとりあえずキープする魚の1つでちょっと嬉しいかも。唐揚げ・フライなどに適している。
身はブダイの全般的な特徴だが柔らかく、その身に甘みがある。

ブダイ科の魚は雄と雌の区別がつけやすく、上の写真の魚は雌なのだが、この魚の特徴としては成魚は小さな群れで動く。1匹の雄と数匹(10匹弱程度)の雌なんだという。
hibudaiosu.jpg
この写真は数年前に釣ったヒブダイの雄の姿だ。まったく別魚と思うような色合いなのだ。
ヒブダイのグループの中で、雄が釣られるなどして居なくなった場合はどうなるのか?
グループの中の雌の1匹が変態して雄になるんだという。魚の仲間には雄が雌になるという変態は、割といろんな魚が知られていて、代表的なのは「クロダイ」など。しかし居なくなったタイミングで雄になる魚のメカニズムとは、摩訶不思議。

ホシザヨリ

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標準和名:ホシザヨリ
学名:Hemiramphus far (Forsskål,1775 )
属:ダツ目サヨリ科ホシサヨリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
せっかく釣れた魚なので色々と調べたが、基本的にWEB上に情報が少ない=あまり釣れないのか気にされてない魚なのかのいずれかだろう。

しかし、「ホシザヨリ」は私自身は釣暦7年目にして初めて釣った魚であることに間違いはない。私的に大変めずらしい。

50Cmにもなるサヨリが存在することがびっくりなのだ。

WEBさかな図鑑の特徴記載を引用させてもらうと
「体側に4~9個の暗色斑があり、体は側偏し、体高は高い。最大で全長50cmを超える大型になり、肉量も多くて食べやすく美味しい。しかしその味はサヨリには、やや劣る。」

という魚で分布は「伊豆半島以南。インド・西太平洋の熱帯・温帯域、地中海東部。沿岸の表層にすむ。」と言う。いろいろと見たが南方系の魚である。沖縄・奄美などでは時々見られる魚らしい。

サヨリなんだからという事で持ち帰ったが、「食べやすく美味しい」という記載に胸をなでおろした。一応3枚におろして冷蔵庫で眠っているが、その内臓のグロテスクな事にびっくりした。
内臓が黒い幕に覆われているのだがこれ自体がちょっと不気味。そしてその幕と中骨の間に浮き袋がある。海の魚で浮き袋が目立つ魚も少ないと思われるが、その浮き袋の構造が不気味で中に気泡がぎっしりと詰まっていて見た目に気持ち悪い。
さらに内臓の膜の外側は緑色に見える。なんとも・・・

身は驚くほどの白身だ。トビウオとかボラなどの薄いピンクを想像していたが、真っ白と言う感じ。これは過去に経験した事がある魚としてはアカヤガラが近いかも。って言ってもアカヤガラもマイナーだからなぁ

メジナ狙いのフカセ釣りでの獲物だったんだけどウキがスッーと沈み、合わせると外れるので糸を張って待っていると手元にビクッ。
タモを使わないと上げられないほどの大きさで、長いのでタモ入れにも苦労。
とにかくコツを得て4匹は釣ったが食べられる魚なのかも不明なのでそれ以上はやめて昼食にした。(粘ればあと数匹はゲットできただろう)

サヨリ

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標準和名:サヨリ
学名:Hyporhamphus sajori (Temminck and Schlegel,1846 )
属:ダツ目サヨリ科サヨリ属
宮崎地方名:?

特徴など:
サヨリって名は学名からなのかな?sajori(サジョリ)→サヨリって感じかも。でも「沢(岸辺)寄り」という説もあるようだ。

サヨリは比較的に釣りの対象魚であり、宮崎では時期(晩夏から初秋)になると河口に大きな群れで集まる魚だ。20Cmオーバーがメジャーなサイズで30Cmでかなり大物だろう。そのデリケートな釣り方が面白いのだが一般的には表層に群がる見えている魚を狙う。
つい最近、知人が44Cmのサヨリを確保した。まさかと思ったけど証拠の写真はあるし、そこまで成長するもんなんだと驚かされた。

魚自体がデリケートで臆病なんだけど相当の群れで集まっているのでいかに散らさないで釣るかが数釣りのポイント。コツを得ると子供でも簡単に釣れる(と思う)
小さい針で餌は米粒大の練餌でもゴカイを細かく切っても、とにかくなんでも良いと思う。

普段釣っているのがサヨリかと言うと実は「クルメサヨリ」という種も多いらしい。淡水域は案外クルメサヨリのほうが多いようだ。今度釣ったら注意してみてみようと思う。簡単な見分け方は下顎の長さが頭部の半分以上を占めているのがクルメサヨリで標準和名「サヨリ」は半分以下(または程度)だ。そういう事だと先日釣れたホシザヨリも長い。下顎先端が赤くないのもクルメサヨリの特徴であるらしい。

写真を並べると、その体高の違いがよく判るのでなないかと思う。

(↓)サヨリ
sayori.jpg
(↓)ホシサヨリ
hosizayori.jpg

サヨリってトビウオと近い魚であるという記載も見た。ホシザヨリは確かにそんな感じだったが、身は違うよなぁ。

ちなみにサヨリの刺身は大好物である。

ネズミゴチ※青斑変異

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標準和名:ネズミゴチ※青斑変異
学名:Repomucenus curvicornis (Valenciennes,1837 )
属:スズキ目ネズッポ科ネズッポ属
宮崎地方名:メゴチ

特徴など:
ネズミゴチという魚はシロギス狙いの外道として釣れる。
ネズミゴチと言うより「メゴチ」と宮崎では一般的に呼ばれる事が多い。子供の頃に親父からそう習った。メゴチとはネズッポ科ネズッポ属の魚の総称に成るんだと思うがWEBさかな図鑑で見る限りネズッポ属には8種がある。でも「ネズッポ」という魚はいないし「メゴチ」とはまったく別のお魚だ。

ネズッポ科の魚を見分けるのはかなり難しそうだ。ネズミゴチの身体的特徴はWEBさかな図鑑を引用すると
「雄は第1背鰭の縁辺が黒く、臀鰭の下半部が黒くなり、体側下半部に多くの暗色斜線があり、頬部には黄色地に暗色で縁取られた青色波状斑がある。雌は第1背鰭に白で縁取られた黒斑があり、臀鰭は白く鰭膜に黄色斑がある。また未成熟の雄の第1背鰭にも白で縁取られた黒色斑がある。」ということなんだけど、写真のネズミゴチはちょっと違う。

ネズッポ科の魚は背鰭を広げた際の模様に特徴があるのだが、写真の魚はネズミゴチの雌に近い。ただ第1背鰭の黒色斑が黒ではなくメタリックブルーで白で縁取られてもいない。

この魚は1999年、私の知り合いでもある宮崎在住の「WEBさかな図鑑」「釣りフォーラム」の管理人、JUNさんが発見。その後宮崎からは発見例が相次ぎ、それが全国に波及していった。つまり昔からいたんだけどそれまで意識されてなかったが、気にする全国の魚好きが、釣れた魚を調べて「いるじゃん!」って事である。

この魚の特徴は第1背鰭だけではない。唇が黄色いのである。一般的なネズミゴチは白い。だから釣れてもすぐに「アオハンだっ!」って判るし嬉しくなる。
この魚の写真を初めてまともに撮影したが、体高がないので、ホワイトのボードに体の形の穴を開けて体を固定する。それから鰭をボードに貼り付けるように広げるのだが適度な水分が無いとちょっと暴れるとすぐに鰭は閉じてしまう。なんどもなんども鰭を広げる作業を繰り返し、やっと魚が落ち着いたところでパシャッと写す。完成した写真がデジカメなら直ぐに確認はできるが細部の確認は難しい。パソコンに取り込んでやっと正体が分かるのだが、これが思っていたよりもなんとも味わいある模様なのだ。

私はまだ経験したことが無いが、同じネズッポ科の「ヤリヌメリ」という魚はとても臭いらしい。クーラーボックスに入れてしまうと一緒に入れていたシロギスなどは食べられなくなるほど。クーラーボックスも使いたくなくなるほどだそうだ。その魚を手に持つと、数日間はその匂いがこびりついて気分が悪くなるらしい。姿だけでは判断できないので釣れたらすぐに匂いを嗅ぐ。大丈夫だと思ったら上記のような撮影作業に入る。
WEBさかな図鑑に投稿している猛者達の中には、その匂いにもめげず果敢に撮影に挑み、しっかりと撮影している。
魚種は増やしたいがあまり出会いたくない魚だ。

ネズミゴチはかなり美味しい。食感としてはシロギスより好まれるかも知れない。ただグロテスクな姿と釣れて体から出る体液の粘りで嫌われてしまう魚である。
釣れてもリリースされてしまうんだけど、見た目で嫌われ捨てられてしまう魚達って、ある意味それを生存の武器にしているのかも知れないなと思う。遠い未来に海の中の砂浜地帯を占有している魚はこの手の魚なのでは無いかと思っちゃう。ヒラメやマゴチといったフィッシュイーター(魚を捕食する魚たち)もネズミゴチなどはその身体的特徴の顔の横から飛び出す棘(前鰓蓋骨棘)が邪魔になり食べられにくいと思う。
食べて美味しい魚は、食べられて種が絶滅するのを防ぐために姿を醜くしたり棘を持ったりという進化をしているのかも知れないな。
nezumigoti.jpg●ネズミゴチ(雄型)一般種 ※Photo Umizaru

キュウセン

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標準和名:キュウセン
学名:Halichoeres poecilopterus (Temminck and Schlegel,1845 )
属:スズキ目ベラ科キュウセン属
宮崎地方名:?

特徴など:
ベラ科の魚は種類が豊富で簡単な身体的特徴として色がとてもカラフルである事があるが、上唇から細い歯がちょこんと飛び出していることでもおおむね判断できてしまう。(すべてのベラ科がそうだという事ではない)
まあ、感覚的にベラ科の魚だ・・・と感じてしまうんだな。
でも侮るなかれ、中には全長2mを超える通称「ナポレオンフィッシュ」※標準和名「メガネモチノウオ」なども属するし、私が見た最大の魚では、同行者が釣り上げたカンムリベラなどは60Cmを超える大物だった。
九州では大分の防波堤などで「カンダイ」として騒がれる大物、標準和名「コブダイ」もベラ科に属する。
この大物達だが、幼魚と成魚では姿・模様が大きく変わるのも特徴的で、また雄と雌の模様が違うという事も面白い。

写真の魚はキュウセンというが雄である。
キュウセンの名の由来は、雌の体の様子から付いたという説がある。雌は中央に太いたて筋が1本あり、その上下に赤褐色の点線が8本あるため合計「9本の線」ということからだ。
ベラ科の魚は磯場や防波堤の壁に居ついている事が多いが、このキュウセンはちょっと小岩があるような砂浜で釣れる。私は磯が中心の釣りなのでほとんど釣った事がなかったが、先日の船キス狙いの釣りで久しぶりに釣れた。
宮崎でも内湾の砂地なら何処でも釣れるのかもしれないが意外と見かけない魚である。関西や瀬戸内では食材としても珍重され、京都では京料理のネタにもされるそうだ。私は食べた事がない。
もっとも低温に強いんだそうだ。ベラ科の魚達はカラフルだが、カラフル=南方の魚というイメージもある。恐らく生息域がサンゴや海草などが鮮やかな海底の場合に魚も擬態として色を近いものに変える進化をしているのだろう。しかしキュウセンは私が見た魚の中でも1・2を争うほどカラフルだ。砂浜でこんなに鮮やかだと、狙われ易いのではないかと危惧しちゃうけど、実際写真の魚は25Cmというかなりの大型のせいか、お腹の下に傷があった。1度は何がしかと戦った証拠だ。
ベラ科の魚は性転換するものが多いが、キュウセンもその魚の1つだ。雌から雄への変異である。従って赤褐色の模様を持つ雌は小型のものが多く雄は大型が多いということであるが、この魚は最初から雄の個体もいて、これは一次雄といい雌と同じ姿をしているのだそうだ。転換したものが青(写真のような色)になるそうで、そのような個体を2次雄という。
釣手法のせいかもしれないが、次は雌の姿も一度拝みたいもんだ。

オオニベ

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標準和名:オオニベ
学名:Argyrosomus japonicus (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目ニベ科オオニベ属
宮崎地方名:?

特徴など:
宮崎では釣り人(船釣)にとっては結構馴染み深い魚で、アジ狙いのサビキ仕掛で時々釣れたアジに喰らいついてくる大型の魚だ。
宮崎県では、はじめてオオニベの種苗生産に成功して、養殖や、放流事業が盛んに行われるという事で、相当増えているようだし実際よく見かける。
その大きさたるや、体長150Cmに達し、重量も20Kgオーバーとなる。私が釣った最大は3Kgオーバーだが、体調はきちんと図ってないけど70~80Cmだったと思う。
写真の魚は67Cm。
ニベ科最大の魚で、浜の釣り(キス狙い)などで外道として釣れる「シログチ」などと同じ種類である。

身体的特徴としては尾鰭後縁がゆるい二重湾入型であること。背中というとふさわしくないかもしれないけど、背鰭の手前下の部分が微妙に虹色というか真珠のような輝きが目立つ。

50Cm以上だと、オオニベだと判断できると思うが、それ以下のサイズだとニベ・コイチと違いが判るか自信がない。というか小さいオオニベって見た事ないな。

魚の代表みたいなスタイリッシュな姿が綺麗な魚だが、大型になるほど勇猛な顔だと思う。
食べては宮崎だと名物のモツ鍋がもっとも美味いとされるが、新鮮なうちは刺身も充分美味い。
年中狙われる魚だけど、これを狙って釣りに行ってもその群れがないと釣れない。
アジを狙っていて、そのアジに食らいつく大物を感じたら狙いを切り替えるというスタイルが良いと思う。

この魚は大きくなるがスピード感はいまいちだし、砂地などのアジポイントで出没するので、岩根などに潜ることもなく、大型でも釣り上げる事ができる。
大型の青物(ブリ・ヒラマサ・カンパチ)などと比べると上げやすいようだ。

最近は浜でもルアーに時々かかるようだ。専門に狙っている方もいる。宮崎なら県の中央の長い浜が続く新富から都農の間の浜である。

気楽に釣れるというほどではないけど、1m以上の大型の魚ってそんなに釣っていてお目にかかれるものでもない。釣り人の夢とロマンを叶えてくれる魚の1つだ。

オトメベラ

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標準和名:オトメベラ
学名:Thalassoma lunare (Linnaeus,1758 )
属:スズキ目ベラ科ニシキベラ属
宮崎地方名:?

特徴など:
割と防波堤の釣りで際を狙うと時々釣れるお魚なんだけど、似たような魚に「ニシキベラ」という種もいる。
かなりカラフルな魚で、頭部・尾部にカラー絵の具で塗ったような赤・青・黄の模様ががあるが、この魚の名の由来は、こんな色合いの可愛らしさからだろう。
成魚は写真のような濃い青緑ベースの色合いだが幼魚だとまったく別魚のような色合いで、婚姻色の雄は水色になるという。

私の場合は釣れたらそれなりに嬉しいんだけど、普通の釣り人なら即リリース魚だ。でもダイバーには喜ばれる魚かもしれない。
体長は10~20Cm程度でさほど大きくはならないと思われる。

ベラ科の魚が面白いのは、雄・雌の模様が微妙に(ときには大胆に)違うのではっきり判ること。子供の頃と成魚でも随分色合いが変わる事。
この魚も雌で生まれて雄に変態するようだ。

カサゴ

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標準和名:カサゴ
学名:Sebastiscus marmoratus (Cuvier,1829 )
属:カサゴ目フサカサゴ科カサゴ属
宮崎地方名:ホゴ・ガガラ

カサゴという魚はいつでも何処でも相手してくれる。沖でも岩場でも防波堤でも。釣りに行って1匹2匹と相手してくれることがしばしばだけど、数を釣る事は期待できない。
ただ、沖の釣りだと小型が同じ場所でまとまる時がある。
宮崎の釣具店には18Cmだったかな?それ以下のサイズは放流しましょうと案内されている。カサゴはとても成長が遅く、釣魚として馴染みは深い魚だけど、だんだん数も減っているようなので、できれば幼魚は逃がしてあげたい。

カサゴと行ってもその仲間は多く、とても似ているのがウッカリカサゴとかアヤメカサゴという種などあるが、宮崎で、多分釣れても区別されない。ストアーでもカサゴで売っているものが実は違う種である事も多い。

だけど釣れるほとんどはカサゴである。
宮崎では「ホゴ」と呼ばれる。鹿児島や熊本では「アラカブ・ガラカブ」と呼ばれる。
鹿児島の長島周辺だと、海峡が多く、岩場が多いので専門に狙って釣られているし、専門の料理店もある。また鹿児島の錦江湾でも特に桜島の周辺は海底が溶岩礁で凸凹しており、カサゴがとても住み着きやすい環境のようだ。簡単に釣れる。

カサゴは数が少ないので、大前提で生息しているかいないかで釣果が変わるけど、居れば釣れる確率はとても高い。底を狙って餌は何でも良いので誘いをかけてあげれば釣れる。
また最近はロックフィッシュなどと命名されて、もともとルアーを楽しんでいた釣人が、ブラックバス釣りがだんだん肩身の狭い環境になる中で、海に向かい、手軽に楽しめる対象魚としてワーム(擬似餌)などで狙う。

カサゴの仲間で有名なのが「メバル」。メバルの仲間にカサゴがあるとも言えるほど釣魚としてはメジャー魚だけど、残念ながら宮崎には居ない。南限が大分ぐらいまでなんだろう。九州の西部の熊本・浅草などだと生息するのかも知れないが定かではない。

とにかくこの魚の仲間は食べても美味しい。
だからカサゴの場合は市場値で1Kgが2000円以上というような高値で取引されるようだ。ただカサゴだと大きくても30Cm程度。沖で釣れやすい近似種の「ウッカリカサゴ」の場合はなんと60Cmほどまで成長するようだ。

宮崎では味噌汁に入れて、とても良い出汁になるとのことで重宝される。刺身でも美味しいがちょっと淡白な感じもする。から揚げも美味しくて、しっかり揚げれば鰭の部分もコリコリとして美味しい。

WEB検索していて見つけた面白ネタとしては、このお魚は卵ではなく稚魚を産み落とすとのこと。これはメバル・クロソイなども一緒で卵胎生というらしい。

沖で釣れると赤色が強い。これが岸からだとどす黒い赤みなんだけど、生息場所で随分色が違う。カサゴに限らず深場だと赤が強くて、浅いと岩のようなどす黒になるのは保護色という事だろうけど、なぜ深いと赤いのだろうか?多分、深い=暗いという事だけど赤は暗い場所では目立たない色なんだろうなと思う。沖の夜釣りでも、ヒメジ・チカメキントキ・マツカサといった魚達は真っ赤である。

サクラダイ

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標準和名:サクラダイ(上が雄・下が雌)
学名:Sacura margaritacea (Hilgendorf,1879 )
属:スズキ目ハタ科サクラダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
ハタ科の魚は大きな口とごつい体が特徴の魚が多いけど、この魚は小さくてカラフル。雌から雄に性転換する魚だ。サビキ釣りなどの餌取として釣れるがやはり岩場が点在する場所なのかもしれない。尾鰭先まで入れても長寸約15~20Cm程度の魚だ。学名にも「サクラ」の名がつく可愛らしくて綺麗なさかなだ。
雄と雌は群れで混在しているようで一緒にまとまって釣れる。

春先のマダイをサクラダイと呼び流通しているが、ほんとのサクラダイはこの魚なのだ。

小さいし大きな群れでもないようで流通はしてないが、食べた人の記事だと刺身もそれなりに美味しいらしい。模様があるとちょっと抵抗があるけど、基本的に赤い魚って美味しいと思うのは私だけだろうか。

ヒラスズキ

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標準和名:ヒラスズキ
学名:Lateolabrax latus Katayama,1957
属:スズキ目スズキ科スズキ属
宮崎地方名:?

撮影者:Umizaru
撮影場所:門川町
撮影日:2007年4月
写真の魚のサイズ:45Cm

特徴など:
スズキといえば、お魚の代表と言うほどの魚で、スズキ目に属する魚は相当多い。
そんなスズキについて日本産魚といえば「スズキ」「ヒラスズキ」「タイリクスズキ」の3種とされている。タイリクスズキについては養殖業者が種苗を近年中国から盛んに持ち込んだ事により、これが逃げだしたものなどが広がったと考えられている。

スズキが河口などを中心に生息しているのに対して、ヒラスズキは浅瀬の磯場である。淡水条件がなくても生息できるのがヒラスズキだと考えられる。もしくはスズキが貪欲に河川に入りこんで時にはかなりの上流まで餌をむしぼる能力を備えたのに対して、ヒラスズキはその選択をしなかったのか。

磯場中心に釣れるので、釣り対象としては気軽とは言えぬが熱心なルアーマンや、宮崎では海フライという手法で狙うアングラーもいる。
大きいものは1m程度まで成長すると思われる。

私は過去2回、この魚と思われる獲物と格闘し、そして2回ともに逃している。いずれも力負けだ。ハリにかけるのは簡単で、2回ともに磯上物仕掛だったけど、海面がざわついて小魚が飛び跳ねだすので、その場所に何でもいいので餌をつけてルアーのようにアクションを入れると、突然の引き込みだ。ただその引きの強さに成すすべがない。きちんと対応できる仕掛だったら良かったんだけど。一度大物が釣りたいもんだ。

私の釣りの師匠が、夜釣りでミズイカ※アオリイカを狙って、まんまとその仕掛で釣り上げた。
水面に浮かぶまで大きなミズイカと格闘してるつもりだったんだそうだ。(笑)

イシガキダイ

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標準和名:イシガキダイ
学名:Oplegnathus punctatus (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目イシダイ科イシダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
この魚もおこちゃまで21Cmの固体なんなけど、イシガキダイはイシダイより更に1まわり大きく成長し、記録では男女群島にて88.5Cm12.5Kgというのもある。
イシダイより南方に生息し、宮崎では両方釣れるけどイシダイが地磯・イシガキは沖磯での釣果を良く聞く。またイシガキダイは1Kg前後のものが群れで動くようで、数匹1度に上がったという話も聞く。
南方系の肉食魚の場合シガテラ毒を持つケースがあり、注意して食べねばならないとされるけど、正直釣り人が大きな魚を釣ってそのまま怖がってリリースなんて、ほぼありえない。
運が悪ければという話になってしまうよね。

最近初めて1Kg程度の魚の刺身を食べてみた。その身たるや、とても硬いゴムを噛んでいるような、かなりしっかりとした歯ごたえ。そしてかみ続けると甘みがじわっと。とても美味しかった。

一時期、イシガキダイとイシダイの交配種で「イシガキイシダイ」と名づけられた魚がいて、人工交雑が近畿大学水産研究所で1959年に成功しており、この雑種は近大に因み「キンダイ」とも名付けられているだが、まれに天然でも確認されるそうだ。

もちろんその名の由来は石垣模様からだろうけど、イシダイと姿形は一緒なのに、模様だけが明らかに違うといういのも不思議なものだ。

大型が「口白(クチジロ)」と呼ばれ、いしがき模様もかすれて迫力の魚体ではあるが、このクチジロについては30~40Cmのサイズでは、そうなるものと黒いままのものがあったり、模様についてもそれぞれに個性があるが、クチジロは別魚であるという説もある。まあこれはロマンの話かも。

イシダイ

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標準和名:イシダイ
学名:Oplegnathus fasciatus (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目イシダイ科イシダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚はまだ25Cm程度の若魚(若々魚)なんだけど、大きいの釣った事がないので写真もない。縞模様も若いうちははっきりだけど、だんだん成長するにつれてかすれていく。
また「クチグロ」と呼ばれるが、吻が黒くなる。同じイシダイ属の「イシガキダイ」が大きくなり「クチシロ」となるが、なぜこのような対照的な色に変化するのか、自然とはまことに不思議だ。

磯の帝王の愛称を持つが、この魚も釣り対象魚としては人気があるのはご承知の通りで、冬場はメジナ・夏場は石鯛という釣り人も多い。
幻とも言われるが、そこまでではなく釣れる話も聞くし、実際小型なら磯の外道で上物仕掛けでも上がる時がある。そこそこに生息している。

磯場でよく見かけるイシダイだが、沖のマダイ釣りの外道などでも釣れる。歯が鋭いので仕掛が切られてしまう事もあるようだが、運よく大型が釣れるということもよく聞く。

本州だと、この幼魚が「サンバソウ」とか「シマダイ」と呼ばれ、群れで泳ぐ姿を見かけられるようだけど、私は今だそんな群れを見た事がない。幼魚のうちは北にいてだんだん大きくなるにつれ南下してくる魚なのかもしれない。
記録では80Cmオーバーまで成長するようだが、そんな大物は大騒ぎになるだろう。

肉食魚で、釣りならばウニ類・ヤドカリなどを使ったりするが、宮崎周辺だと餌となるカニを先に捕まえて釣ったりする。

釣りたい魚の1つだけど、荒磯が良く似合う魚だし、どうも気分的には重装備が嫌いな私は尻込みしてしまうのだ。

テンジクイサキ

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標準和名:テンジクイサキ
学名:Kyphosus cinerascens (Forsskål,1775 )
属:スズキ目イスズミ科イスズミ属
宮崎地方名:シツオ・ヒツオ

特徴など:
イスズミの仲間で、この魚は宮崎では少ないほうかもしれない。私も意識して釣っている割に今まで出会ったのは2~3回だ。無意識だとイスズミだと思ってリリースしてしまう。写真のとおり、背鰭・臀鰭(しりひれ)を広げると上下に広く広がりかっこいい魚だけど、釣れて鰭を広げる事もないし、そうするとほとんどイスズミだ。

一般的な「イスズミ」「ノトイスズミ」と比べるとさほど大きくならず30Cm前後という。

イサキが名につくのが不思議なんだけど、ちょっと見た目にはスリムでイサキに似てないこともない。テンジク(天竺)が前につくのはインド=南方系のイサキと言う事からだろう。
その名の通りで日本でも南方(中部以南)生息とされているが、2005年には知床沿岸の記録もあるようだ。やはり海の中の温暖化の影響なんだろう。
そうすると、宮崎でも10年前に居なかった南方系の魚が続々と登場する可能性もある。
海はつながってるもんね。

ノトイスズミ

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標準和名:ノトイスズミ
学名:Kyphosus bigibbus Lacepède,1802
属:スズキ目イスズミ科イスズミ属
宮崎地方名:シツオ・ヒツオ

特徴など:
恐らく磯釣りの常連者で、この魚を「ノトイスズミ」だっ!って呼ぶ人は100人に1人いるかどうか・・・・

普通に釣れる魚なのに、標準和名では呼ばれない魚なのだ。これも私にとっては釣り人の七不思議の1つである。まず覚えようとしないのだ。

宮崎ではイスズミ科を「シツオ」と呼ぶのだが、シツオはシツオって言われ、嫌われる。
この魚が美味しいと知る人は少ないだろう。

話は脱線するけど、より魚に触れ親しむ人の方が魚を大切に食べる。瀬渡しの船長とか漁師の事だが、どんな魚でも持ち帰って、食べる努力をする。最近の釣りの傾向として、格好だけは一流で、対象魚だけが目的であって、他の魚の名なんて見向きもしないから、いずれは飽きちゃうじゃないかなって思う。景色も、魚の事も、釣法も、料理も、楽しいのにね。

ノトイスズミの身体的な特徴は、まず見た目が汚れた感じだ。
イスズミは海の中で白っぽく見えるが、この魚はメジナのような雰囲気がある。(区別できるのは、メジナは尾部が白っぽいのに対し、イスズミ科はいずれも黒い)
縦筋が目立たない。吻(くちさき)が短い。
※イスズミ科の魚は吻(くちさき)が鳥のオウムのような形状だ。
イスズミ科の魚としては鱗が小さく目立たない。

写真の魚には白い斑点模様が見えるが、これは興奮班で、釣れてすぐには見えていないのだが、写真を写す、わずか1~2分の間に現れる。5分も経つと消えていくのだが、イスズミ科の魚はこの興奮班を出すのも特徴でこれはノトイスズミに限らず。

釣れる「シツオ」の中でも、最近は3割以上がこの魚だろうと思っている。(私が行く釣り場では)

シツオの大型でどっぷりと太ったものを釣り写真などで見ると、そのほとんどがノトイスズミであるような気がしている。5~10Kgという大型になるはこの魚ではないのかと思う。

イスズミ

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標準和名:イスズミ
学名:Kyphosus vaigiensis (Quoy and Gaimard,1825 )
属:スズキ目イスズミ科イスズミ属
宮崎地方名:シツオ・ヒツオ

特徴など:
イスズミって、メジナ釣りの外道で、悪食というか撒餌なしでも居れば釣れちゃうし、大きくもなり引きも強くって、これだけなら凄く釣り対象魚としては面白いんだけど、釣れたら糞を撒き散らし、食べてもさほど美味しくないので、とても嫌われている。

宮崎ではシツオと呼ばれる。失禁のシツオちゃん。

大きさだが、5~6Kgサイズ・60Cmオーバーという魚もいる。そしてとにかく力が強いので、釣りだと、とても面白いのだが姿を見てがっかりだ。

磯釣りの外道としてこの魚が良く釣れるが、夏時期に特に活性が高い。大きな群れで生息している。南にいくほど、特に離島などでは外道として撒餌に驚異的な群れで押し寄せて、釣りにならないということもあるようだ。

この魚、日本には4種。
イスズミ・ノトイスズミ・テンジクイサキ・ミナミイスズミ

これを宮崎では、まったく区別されてないが、私はあえて、釣りを楽しむために何とか見分ける努力をしている。
特にノトイスズミ・ミナミイスズミは、地方によっては「ササヨ」と呼ばれ美味とされているので、できれば持ち帰って食べたい。ときどき瀬渡船の船長とか漁師が、「シツオは美味いよ!」と言われるが、多分区別されておらずノトイスズミを指していると想像する。

身体的な特徴として、写真のイスズミは黄色い縦筋が目立つ魚だけど、上記の4種ってパッと見た目には区別しずらい。

ヘダイ

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標準和名:ヘダイ
学名:Sparus sarba Forsskål,1775
属:スズキ目タイ科ヘダイ属
宮崎地方名:ヘイマ

「ヘダイ」って、変な名前だ。名の由来を調べてみてもよく判らないけど「平鯛」→ヒラタイ→ヘダイという説もあるようだ。
初めてこの魚を釣ったのは沖釣りで40Cm程度のサイズ。その日に釣り仲間での飲み会であったが、この魚は蒸し焼きが美味しいと聞き、料理店で依頼した思い出がある。かなり美味しく食べた。
クロダイに似るが、体色が全体的に白っぽい。体側に黄色の細かい縦縞でがあることと、体型が平たく背が盛り上がって見えること。顎が前に突き出ないことなどで区別できる。のぺっとした印象だ。

2004年だったと思うが、岸際でも沖でも相当この魚が釣れた。岸際だと大きさが30Cmに満たないサイズだが、沖だと50Cmに近いものまで。その年に限り相当釣れたのは、宮崎という土地は、太平洋に面していて大きな潮の影響で年度毎に生息する魚も移り変わると言う事かもしれない。

ヘダイは写真撮影が難しい。見ているイメージとは随分かけ離れた、鱗のテカリ感がある。そんなわけで何度もチャレンジしているんだけどご覧の写真が精一杯だ。きちんと機器をもちこむと良いのだが。

タイ科の魚は日本では意外なほど少ないわけで、タイと名が付く魚は数あるけど、正真正銘のタイ科である。ヘダイ属もこの魚のみだ。

幼魚(10Cm前後)だと、この魚は鰭先がキビレと同じような場所が黄色く見間違うほどだ。

クロメジナ

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標準和名:クロメジナ
学名:Girella leonina (Richardson,1846 )
属:スズキ目メジナ科メジナ属
宮崎地方名:オナガ

写真のお魚のサイズ:約40Cm
釣場:宮崎市イルカ岬沖

特徴など:
クロメジナと呼ぶより「尾長(オナガ)」で親しまれるこの魚は、磯上物釣りでも「ヒラマサ」と並ぶ憧れの魚かも知れない。
大きなものは50Cmを超えるが、日本記録魚ともなれば80Cmオーバー。

メジナと比べて何が違うかといえば、その引き込みの強さだが、九州南部では「ワカナ」と呼ばれ瀬際に居ついたどっぷりと太ったクロメジナがとても美味しく釣り人を魅了する。

50Cmを超えると体表面の色が茶色になり「茶グレ」と呼ばれたりもするが、沖目の瀬の際で大型が散見できる。(時期次第)

メジナと区別してもそっくりだが、鰓蓋後縁は黒い事で容易に見分けられるんだけど、これがすぐに見分けられるようになるにはちょっと経験が必要かも。中にはほとんど区別できないような個体もある。
この魚は個体差が激しく、痩せ型・中間型・デブ型などその様子は様々で、色も痩せ型の沖を走りまわるタイプは鮮やかなブルー色だったりする。
以前この魚を別種ではないかと疑い遺伝子的に研究した方もいらっしゃるようだが、すべて同じ遺伝子だったそうだ。考えるに固体により色んな生活習慣があり、その生き様で様子が変わるんだろう。

尾長は釣りがなかなか難しい。
なんとかハリ掛かりさせて、瀬際に突っ込もうとする動作をやっとかわし、どうにか浮かす事ができたと思って油断すると、そこからの抵抗も強い。反転してしまうと勢いよく水中に潜り、吻の根元がハリスを切ってしまう。私もすでに3回ほど大物を逃している。反転してハリ元が切れてしまう魚はこの尾長かイスズミが代表種で、姿も見えず切れてしまったときは、「残念!尾長だったな!」「いやイスズミでしょ?」などと会話する。

宮崎だと、冬のメジナに対し、5月以降は尾長狙いだ。潮が通す沖磯でしか大物には出くわさないが30Cm弱ぐらいまでは近場にもいる。
離島の釣りでは夜中に尾長を狙い、昼は底(イシダイ)狙いという方もいるが、夜でも釣れるのは目が良いからか。昼狙わないのは瀬際にいるので餌取りが多すぎで厳しいからか。基本的には朝まずめ・夕まずめが良いよう。

メジナ

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標準和名:メジナ
学名:Girella punctata Gray,1835
属:スズキ目メジナ科メジナ属
宮崎地方名:クロ

写真のお魚のサイズ:43Cm
釣場:南郷町大島

特徴など:
世界では17種。日本だと3種
メジナ科の魚としては、メジナ・クロメジナ・オキナメジナ
通常メジナは「クロ」と呼ばれ、クロメジナが「オナガ」と呼ばれる。オキナメジナは宮崎だと「牛グレ」と言う。

メジナは知恵を持って釣れる魚だ。だから仕掛が研究されるし、いろんな釣法があったり、とにかく飽きない。
釣りの対象魚も様々だろうが、特に人口が多いだろう。磯場のウワモノ釣りで、もっとも人気がある。
大きなものは70Cm近くまで成長するようだが、50Cm以上ともなるとかなり珍しい。40Cmを超えて感動に値する。
30Cmでも持ち帰るし楽しんだ気になる。
20Cmはリリースだな。鱗を剥ぐのが面倒なので、もっと成長してからね~なんて言いながらリリースする。
釣り人は40Cm以上を目標に釣りをする。基準は40Cmだと重量で約1Kg超だ。そしてそれから先は1Cmでも大物が釣れるとそれを上回るサイズを目標とする。
そんな私は現在48Cm・1.8Kg。画最大サイズで、50Cmを超えたなら魚拓をとろうと思っている。

磯場でメジナ釣りが盛んになるのは秋口10月ぐらいから、春3月ぐらいまでで4月に1度休憩。5~6月に梅雨グレとして狙われるから、約7月(つき)は楽しめる。

釣り雑誌などでは「口太(くちぶと)」とも呼ばれる。口元の様子からの表現だと思われる。オナガと区別するための表現ともいえるが、最近は「メジナ」という呼び名も浸透していると感じる。
ちなみにその名の由来を調べたら「眼近魚:メジカナ」が転じたと言われるとこと。メジカとは眼
の位置が他の魚に比べて特に口に近いものを指す呼称。確かにねぇ

宮崎では県北から県南まで、磯釣りのポイントが多く瀬渡船も数多くある。対象魚のトップの座であるのは間違いないが、瀬の特徴として県北はドン深ポイントが多いのに対し、県南は波が駆け上がる浅瀬が多い。そこで各種釣りが研究されて特徴的な仕掛けも研究されているし、釣り名人も多く排出している。
宮崎中央部には「鬼の洗濯岩」と呼ばれる青島周辺の観光名所があるが、この海岸線の特徴して稚魚を守る役割があり、メジナの稚魚はここを成長の場とする。だから春先からこのあたりの釣りポイントでは10Cm前後の「コッパ(木っ端)」と呼ぶ稚魚が餌取りとして無数にいて、釣りは面白いけどちょっと足場に注意が必要だ。こけたら大怪我の可能性あり。

ちなみに磯場では難しくなるその釣りも、船釣りで磯近くに寄せて同じ釣りをしたら大型も数も釣れるし、瀬がある沖釣りでサビキ釣りをしていても入れ食いになる時もある。つまりこの魚は条件により警戒心が強かったり安心していたりだ。よく聞く話なんだけど、離島に行くと、まったく未開拓の地で大釣りして有名になり、1年も経つとまったく釣れなくなるという。そうやって釣り場が消えていくのだ。でも実は、魚が居ないのではなく学習しているんだと私は思う。

キチヌ

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標準和名:キチヌ
学名:Acanthopagrus latus (Houttuyn,1782 )
属:スズキ目タイ科クロダイ属
宮崎地方名:キビレ

写真のお魚のサイズ:37Cm
釣場:宮崎港

特徴など:
日本産のタイ科クロダイ属の魚は現在5種で「クロダイ」「キチヌ」は一般的に全国(内地)に生息するが、他に「ナンヨウチヌ」「オキナワキチヌ」「ミナミクロダイ」という種が奄美諸島以南には生息しており、いずれもパッと見た目には区別しずらい魚である。とくにオキナワキチヌは2000年以前には「オーストラリアキチヌ」とされておりまだまだ研究が進んでない種である。まあそれは置いといて・・・

キチヌは河口に多いチヌである。

「クロダイ」と比べ身体的に大きな特徴の違いがあるが、目立つのは胸鰭・腹鰭・尾鰭の下部分が黄色い。だからキチヌなんだろうけどこれも大型になるほど黄色が目立たないので「クロダイ」とは区別しにくくなる。だけど明らかに違うポイントがある。魚の中央部分に側線という線が目立ってあるが、ここから背鰭までの鱗の数が違う。クロダイは5枚でキチヌは3.5枚。
この違いを意識しだしたら区別したくて釣れてもワクワクだ。

クロダイに比べ、その食性は更に肉食性というか悪食な気がする。河口で釣れる魚なので河口に住む小動物を餌とする。ゴカイ・モエビなどの動きのよいものが良いが大型を狙うときはマハゼ・シャコなどを使う。クロダイより釣りは簡単だというが小型なら河口に群れていれば入れ食いになることも多いけど、30Cm以上はなかなか難しいかも。クロダイよりちょっと小さいか成長が遅いか50Cmオーバーが釣れたという魚は聞いた事がなく40Cmオーバーだとかなり良型かも。私は本格的に狙った事がないこともあるが、37Cmが最大サイズだ。

この魚、とても美味しい。宮崎だと新富町と佐土原町の境を流れる一つ瀬川河口がとても盛んなのだが小船の上から狙って大型が釣れる。時期的には初冬が美味しいようだが今まで何匹か釣れた魚はいずれも美味しかった。クロダイは個体差があるがキチヌはさほどムラはないと思う。身に薄っすら旨味がある。

一般的は「キビレ」と呼ばれる。狙う人は区別するが初心者なら「クロダイ」もチヌ・キチヌもチヌかもね。釣れて嬉しい1匹だ。

ちょっと興味深い話を聞いた。宮崎産キチヌってちょっと標準的なものと比べて身体的な特徴の違いがあるんだそうだ。まだ公表できない話なんだけど、いずれ面白い展開があるかもしれない。

クロダイ

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標準和名:クロダイ
学名:Acanthopagrus schlegelii (Bleeker,1854 )
属:スズキ目タイ科クロダイ属
宮崎地方名:チヌ・チン(小型はメイタ)

写真の魚のサイズ:37Cm

特徴など:
宮崎でも全海域(海岸線)で釣れる魚で、テトラ・磯・砂浜のどこでも狙えるみんなに馴染み深い大型魚だ。
日本を代表する釣対象魚である。ルアーでブラックバスを対象に釣る人口は多いのかも知れないが、ほんとに数えたらクロダイ狙いの人口のほうが多いかも知れない。クロダイでプロの世界を作ってもいいぐらいだがトーナメントなどは開催されている。

一般的には「チヌ」と呼ばれる。小型はメイタとも呼ぶ。私がメイタと呼ぶサイズは30Cm程度までで、それ以上だと「チヌだっ」て無意識に叫ぶだろう。

クロダイが釣対象魚として人気がある理由の1つが、割とどんな場所にでも居付き、また釣れる魚の中でも大型魚ともいえるので、老若男女どんな方でも狙える魚であること。どんな仕掛けでも釣れるしルアーでも釣れる。
雑食性でいろんな餌が使えるし攻略本もたくさん出ている。

さてこのクロダイだが、実際にはとても臆病でデリケートな性格の持ち主らしい。
人の気配ですぐに散らばってしまうし餌をくわえてもなかなか引き込んでくれなかったりで仕掛もとてもデリケートなものである。
そうかと思いきや、とても大胆な魚であり、どんな餌でも喰ってくるという。特に動くものには反応がいいし、コーンとかスイカでも釣れるようだが、これは環境に馴染むということで、たとえば海水浴場でスイカの残りが海に廃られるような場所の場合、それを食べる習性が芽生えるという訳だ。

防波堤の壁などに居ついているが、底に近い場所がポイントである!という定説に反し、撒餌に反応して浮いてくることも多いし、ようは考えても思い通りに釣れないけどなにも考えて無くても釣れたり。

大きなクロダイが釣れる事がチヌ釣り師の醍醐味だろう。50Cmオーバーなら「魚拓」サイズで60Cmオーバーだと記録物。40Cmオーバーで嬉しいし30Cmを越せば楽しい。20Cm台でも喜べる。

そんなチヌの私の記録は47Cmだ。正直嬉しかった。狙って1年は1匹も釣れなかったがその後1日に10匹以上釣れるようにもなった。ようは場所が良くて仕掛がマッチしたら釣れるのだ。
条件はゴロタ岩が点在するような砂地の場所もがもっとも良さそうだ。浅くても深くても関係なし。防波堤などより磯場のほうが簡単であまり棚を意識しなくてもよい。それよりも撒餌を切らさず魚を寄せる事が大事。

最近はほとんどチヌは狙ってない。あまり美味しい魚と思わないからだ。刺身は可もなく不可もない味。焼き物が良いだろう。料理が上手な方ならいかようにも美味しく食べられる魚かもしれない。

チヌについては語ることが多すぎるので、また釣れた時にでも紹介したい。

チダイ

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標準和名:チダイ
学名:Evynnis japonica Tanaka,1931
属:スズキ目タイ科チダイ属
宮崎地方名:?

特徴など:
写真の魚を見て「チダイだね!」って答えられた方は、なかなかの魚通だ。

宮崎で船釣りを始められた方にはとても馴染みがある魚になると思う。アジ狙いのサビキで釣れるし、天秤釣りで釣れる。
釣れる時は凄い数で釣れる。船釣りで産卵時期なら30~40匹が短時間で釣れる魚だ。

マダイと似るが「鰓膜」の色が血のような赤であり尾鰭先も黒くない。これが名前の由来というのが定説であるが小型のタイだから「稚鯛」→チダイになったという話もある。大きくて40Cmほどまでだろうか?

チダイは刺身でも食べられるがちょっと水っぽい。
それよりも一夜開いて寝かせた「一夜干し」を焼いて食べるのが美味しい。
沢山釣れるからこの方が長持ちする。

特に紹介する記事も思いつかないのでWEB検索してみた。

■長崎の農林水産紹介ページに水揚日本一とあった。
■産卵期が9~11月と紹介されたページを見つけたが、宮崎だと12月~1月だと思われる。
■地域によっては、夏時期にはマダイより美味しいとされ重宝されている。
■マダイの代用品として出荷される場合もある。

ってことかな。

思い出した紹介したい事。
■チダイの30Cmオーバーは頭がデコッパチタイプがある。私は勝手にこれは雄だと思っている。産卵期に釣れた魚がシラコを持つものが頭が出ている(気がしている)※実はさばくときはさほど意識してないもんで統計をとっている訳ではない。
■産卵期の数は凄い。水面15~20m以下が広範囲に魚影反応があり、海が澄んでいたら底が赤く見える事もある。数万匹という群れだろう。
でも1度悲しい事があった。4~5年前の話だが、数日間釣れ続けたチダイがある日よりまったく釣れなくなった。理由は四国からの漁船団が入り、夜中のうちに網で一網打尽だったとの事。最近は情報が発達しているから釣れる話はすぐに広がるけど、そんな捕り方してたら、間違いなく資源はなくなると思うけど、漁師も食べるために必死という事か・・・でも怒りを感じた。
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頭が張り出した「雄」と思われる固体

マダイ

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標準和名:マダイ
学名:Pagrus major (Temminck and Schlegel,1844 )
属:スズキ目タイ科マダイ属
宮崎地方名:?

特徴:
日本を代表するお魚だ。日の丸魚というか祝いの魚というか、とにかく鯛といえばマダイなのだ。養殖も盛んだし大きなマダイを見たら喜ぶ人も多いだろう。船でマダイを狙う方も多いし漁法も豊富である。
養殖魚と天然魚ではその色合いから区別されるようで、沖の深場で釣れるマダイはピンクが鮮やかなようで養殖魚は赤がくすんだ感じ。
だけどこれは浅場・深場で違うと思うんだけどな。多分色では判断できないと思う。
なぜ祝いで使われるのか?これは勿論美味しく食べられるからだけどピンクの色が鮮やかで、死んでも色あせしないからだと聞く。他の魚は魚種にもよるけど思いっきり色が変わるのもあるしね。

日本産で「タイ」と名がつく魚は多いが、純粋なタイ科の魚は7属(WEBさかな図鑑参照)に分かれる。

キダイ属・・・キダイ・キビレアカレンコ
クロダイ属・・・クロダイ・キチヌ・オキナワキチヌ・ナンヨウチヌ・ミナミクロダイ
セダカキダイ属・・・ホシレンコ
タイワンダイ属・・・タイワンダイ
チダイ属・・・チダイ・ヒレコダイ
ヘダイ属・・・ヘダイ
マダイ属・・・マダイ

の13種のみになるが、WEBさかな図鑑には14種とあるけど・・なんだろ。

宮崎でも多く釣れるチダイとマダイは間違われやすい魚である。よく見たら違いが一発で判る特徴もあるのだが大型のチダイだと体型的にもマダイと酷似していて、釣り初心者ならまず???となる。
言葉では難しいがマダイの特徴は尾鰭の先が黒い。チダイは名の由来の通り「鰓膜」の色が血のような赤であり尾鰭先も黒くない。チダイの事は別で紹介しようと思うので今はこの程度にしておくが、案外区別するのは苦戦するよ!

宮崎ではさほどマダイが盛んに釣られているとは言えない。むしろ鹿児島の錦江湾や佐多周辺だけど、全国的に有名なのは「明石の鯛」だろうか?
瀬戸内海で盛んなのは、その潮の速さからかも知れない。
マダイは外洋向けの魚ではないが深場は好む。しかし磯でも釣れる。生息できる領域は広いが私の感覚では砂地も大事なようだ。岩ばかりの場所には居ない。クロダイが深場には居ないのも不思議。そっくりで色だけが赤いマダイが深場に住むのも不思議。

この魚は大きくなる。体調1m・重量10Kgという魚も釣れるときがある。しかしそんな魚は美味しくない。恐らく思いっきり年寄りなのだ。
もっとも美味しいのは40~50Cmサイズだろう。写真の魚で45Cmほど。
しかし、刺身では技術で差がでる美味さだ。自分でさばいてもさほど美味くない。
料理店で時々絶品の刺身を口にすることがある。同じ刺身なのに。